本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では問題場面における分数の意味を理解することができる能力を養う。また、分数を除法としてみた過程を振り返り、今後の生活や学習に活用しようとする態度を育む。
単元の評価基準
- 知識・技能:分数で表される場面を適切にとらえ、除法を用いて答えを求めることができる。
- 思考・判断・表現:分数の意味に着目して、分数で表される場面について除法を用いて表し、説明することができる。
- 主体的に取り組む態度:分数の意味に着目して、分数と除法の関係性について考えようとする。
1÷4=¼をつなぐ言葉の授業

紙テープを使って「等しく分ける」ことを体感する
導入では、1mの紙テープをお菓子に見立て、「お菓子ほしい人!」等と声をかけて児童の関心を引きます。その後、4人に配ることとし、わざとばらばらの大きさに切って配布します。児童から「ずるい!」「もっとほしい!」という不満の声を引き出し、「等しく分ける」ことを意識させるのが重要です。
次に、「どうすれば等しく分けられるか?」という課題のもと、グループで活動に入ります。各グループには以下のいずれかのミッションカードを配布します。
- ハサミだけを使って等しく4つに分ける
- ものさしだけを使って等しく4つに分ける
このようにあえて異なる制限を設けることで、試行錯誤を通じて「等しく分ける」をより意識した活動になります。
¼は得られた結果(値・長さ)
分けたあとのテープを見せながら、次のように問いかけます。
「この1つ分の長さは、何mですか?」
多くの児童は1mを4つに分けたから、¼mであることに気付くでしょう。ここで大切にしたいのは、¼という数が「操作によって得られた結果(値・長さ)」であるということです。
つまり、分数は1や2等と変わらない存在なのだと認識させられたら完璧です。
「1を4等分する=1÷4=¼」に気づかせる
続いて、「1mのテープを4つに分ける」という操作を立式させることにより、「操作」に目を向けさせます。立式が苦手な児童には、「『分ける』ときたら何算か」という所から丁寧に確認すると良いでしょう。
最後に、「1÷4という『操作』」から、「¼という『結果(値)』」が得られたことを確認し、以下のようにまとめます。
- 1つのものを等しい4つに分ける操作⇔1÷4
- 操作によって得られた結果(値)⇔1/4
操作と結果の結びつきに難を感じる児童もいるかもしれません。その場合には、つまずきに合わせて次のような対応をお勧めします。
- 分数の認識が苦手な児童に対して
⇒8mのテープを4つに分けた場合の立式(8m÷4=2m)をさせ、今回の式と比較 - 操作と結果のイメージがつかない児童に対して
⇒5人で遊んでいたところに3人増えた場合の立式(5人+3人=8人)をさせ、「操作=演算」の結びつきを強める
余談:1m÷4=25cmへの気づき
「1mを4つに分けたら何mか」という質問に、ものさしグループから「25cm」という回答が得られたら児童の好奇心を刺激するチャンスです。今は何mかを質問していることを念押ししつつ、小学2年生で学んだcmとmmの変換と同様、将来学ぶ重要な気付きであることを伝えてあげましょう。
算数や数学では、「算数(数学)という大きな枠組みの中の一部を学んでいる」という意識を持つことが非常に重要です。「ややこしくなるから、まだそこには気付いてほしくない!」と感じる教員もいるそうですが、そんなときにこそ自ら学び始める児童が生まれます。
授業の総まとめの後に、余力のある児童に向けて「今はまだ学ばないけど、¼m=25cmという大発見がありました!」等と触れ、学ぶ意欲を刺激してあげましょう。
わり算と分数の導入で意識した2つのポイント
「等しい」に注目させて、1/4につなげる
最初に不均等な分配を体験をさせたことで、児童は「等しさ」の必要性を実感します。さらに、ミッションを通じて「どうすれば等しい大きさになるか」を考える過程を設け、自然と「4つに等しく分けたもの=¼」の理解へつなげます。
数式や値・言葉・図や操作の一致
授業で意識したのは、「操作=わり算」「結果(値)=分数」という意味の整理です。具体的には、以下の通りです。
- テープを4等分する操作=1÷4
- 得られた1つ分の結果(値・長さ)=¼
言葉で関係を整理することにより、概念の混同を防ぎます。
そこに実物や図、実際の操作が伴うことで、実感の伴った生きた学びへと昇華されます。
執筆者
まき先生
中学高校で数学を教えている。体系的に教えるためには算数から学びなおす必要があると感じ、算数の授業案についても学習をすすめている。
実践的かつつながりを意識した授業案の作成に努める。

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