徹底反復で 学級をつくり 鍛え 伸ばす(山根大文先生)

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目次

はじめに

「学級づくりは、自分づくり」と山根大文先生は力強く仰いました。山根先生は、広島県の市立小学校6年生の教諭です。徹底反復をモットーに、ユニークな取り組みを盛り込んだ学級経営上での三つのアドバイスを紹介していきます。

  1. セミナーでアイディアを得る。
  2. 得たアイディアは徹底的に反復する。
  3. 子どもにまかせてみる。

1 セミナーでアイディアを得る。

教壇へ立った山根先生。最初の数年間は、失敗の連続で手探りの日々だったそうです。そんな彼を変えるきっかけとなったのが、教員向けのセミナーでした。セミナーで学ぶだけでなく、そこからできたさまざまな先生方とのつながりの中で得た学びや刺激が、今の授業形成の基礎になっているそうです。自分1人で悩むより、どんどん積極的に外へ学びを求めていくことが大切なのです。

2 得たアイディアは徹底的に反復する。

計算や音読、漢字など基礎的な学習を何度も繰り返す徹底反復は、山根先生の学習指導上の大きな柱です。徹底反復は集中力がつくなど子どもを鍛えるのに非常に有効であり、最初はできなかったことも繰り返せば必ずできるようになります。

では、実際にどのような徹底反復の取り組みをしているのでしょうか?

帯タイム

山根学級では、「帯タイム」というものを導入しています。これは、毎回朝の会の前に5分間とり、決まった反復学習を毎日繰り返す時間です。内容は、「音読→全漢字→百ます計算→全学年算数のまとめテスト→ブレーンストーミング」です。それぞれ約1分間ずつ高速で行います。

音読

内容・・・クラス全員で、声を合わせて教科書を音読。

ねらい・・・声を出すことに慣れさせる。読むことに慣れさせる。みんなと一緒にやることで読むことの楽しさを伝える。

注意点・・・姿勢を正す。口を大きく開ける。友達の声にしっかり耳を傾ける。

全漢字

内容・・・1分間にどれだけたくさんの種類の漢字をますに書けるかを意識する。今までに習った漢字全てを範囲とする。

ねらい・・・漢字の総復習。今までに習った漢字の8割が書けるようになると、すべての教科で飛躍的に得点が上昇する。自分のつまづきを理解する。

注意点・・・必ず次の週に確認テストをする。一定の範囲から漢字を何問か出題する。丸付けをし、できなかったところだけ何度も書かせ完璧を目指す。年間3回を目安に繰り返す。

百ます計算

内容・・・たし算やひき算など、基礎的な計算をしてどんどんますに埋めていく。「1分間でどれだけますを埋められるか」ではかる。

ねらい・・・集中力をつける。達成感を味わう。基礎計算力をつける。

注意点・・・何ます書けたか集計させる。昨日より1ますでも多いますが書けることを目標にする。

算数のまとめ

内容・・・今までに習った算数のさまざまな単元の問題をプリントにまとめて出す。

ねらい・・・算数は、積み重ねの教科なので、当該学年だけ指導しても効果が出にくい。そこで、過去のまとめ問題を振り返ることで自分がどこにつまづいているのかに気づかせる。

注意点・・・次の週にテスト。友達同士で教え合い・学び合いをすることでつまづきを修復し、自主学習で定着させる。まとめプリントを全て解くことを年間3回繰り返すのを目安に取り組む。

ブレーンストーミング

内容・・・4人の班で、ある議題(例えば「マラソン大会」など)についてアイディアをたくさん出す。その後言いたい班は手を挙げて発表。

ねらい・・・小集団で話し合うことに慣れる。自分にない意見に触れることで、話し合いの大切さを実感する。友達に自分の考えを伝える喜びを実感する。教科におけるグループワークで効果が発揮される。

注意点・・・「笑顔」「アイコンタクト」「うなづき」を大切にする。出た意見は必ず発表する。出た個数を集計し、昨日よりも多く意見が出るように意識して、集団の力を高める。

朝の会

朝の会は毎日あるので習慣化しやすく、子どもを鍛える場として活用できます。山根先生が行なっている朝の会は、「あいさつリレー→健康観察→日本一宣言→歌・リコーダー→スマイルリレー→先生のお話」という内容です。

あいさつリレー

内容・・・教室の端からひとりずつ大きな声であいさつをさせ、全員でつなげていく。

日本一宣言

内容・・・今日の自分の目標を班のメンバー同士で大きな声で伝え合う。

帰りの会

朝の会と同様に、子どもを鍛える場として活用しましょう。内容は「褒め言葉シャワー→百ます作文→ダンス→百人一首→先生のお話→帰りのあいさつ」です。

褒め言葉シャワー

内容・・・1人が前に出て、みんながその子のいいところやその日頑張っていたことを言うものです。

百ます作文

内容・・・その日一日の振り返りをし、それを限られた数分でとにかくマスを埋められるように瞬発的に書いていく。その後要約して俳句を作るので、要約力もつく。

百人一首

内容・・・強さ別にテーブルが分かれており、先生が札を読み上げ児童たちがペアになって対戦していく。ゲーム感覚でいつのまにか百人一首を覚えられる。

3 子どもにまかせてみる。

山根先生が徹底反復の他にもう一つモットーとしていることは「教師の存在をクラスから消そう」ということです。最終的には、教師がいなくても子どもたちが主体的に自ら判断して行動していけるように育てていきたいと考えています。

「まずは教師が見本を見せる」→「子どもたちに『やってごらん』とまかせてみる」に徐々に切り替えていきます。そうすると、子どもの自主性が育ち、どんどん自分たちで準備、計画、実行、反省し、伸びていきます。

例えば、体育の授業。山根先生は子どもに授業進行を全て任せています。そして班ごとにバレーの作戦立てをし、子ども同士が、どうしていくのが最もよいのかを話し合っていきます。こうした場面で、帯タイムのブレインストーミングが役立つのです。子どもたちにさまざまなことを任せることで、教師は安全面に最大限注意を払えたり、子どもの技能の評価に集中できたりします。教師の負担も減るのです。

4 編集後記

ビデオで児童たちの様子を見ていると、「やらされている」のではなく「楽しいからやる」という気持ちが伝わってきました。互いを尊重し合うクラスの雰囲気やチームの結束力が感じられます。さらに、ゲーム要素など毎日続けたくなる創意工夫がふんだんに盛り込まれていて興味深かったです。毎日養われている力は、基礎学力のみならず、社会で生きていく上で必要な「人間力」だと感じました。(例えばハキハキとあいさつする力、小集団で話し合い意見を伝える力、昨日より成長したことを喜びさらに自分を高めようとする意欲など)担任として受け持つ児童の「今」のみならず、数年、数十年先の「今後」も意識してらっしゃる誠意のこもった指導に感銘を受けました。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 磯辺菜々)

5 実践者プロフィール

山根大文 (やまね ともふみ)

徹底反復研究会中国支部福山支部長

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