1.1 はじめに
本記事は、建物の総合安全性と快適な居住空間をテーマに研究をしている日本女子大学石川孝重研究室によって執筆されました。「総合的な学習の時間」で行う防災教育として、特に小学校高学年生を対象とした実践を紹介しています。
下記のURLから基の実践をDLし、教材として使用することができます。
http://p.tl/0fdM
1.2 学習のねらい
学校内において、授業中以外で被災した場合の避難の仕方を自ら考え学び、共に防災への関心を高めること。
1.3 児童の思考
どんなときに地震がおきるかわからない。どうやって逃げればいいのか自分で考えよう。
1.4 学習のながれ(3/16時間)
1.5 学習内容の詳細
導入
本日の学習について知る。(7分)
○上のイラストを参考に、地震はいつ発生するかわからないことを伝える。
今回は掃除中に起きた場合にどうするかを児童が自ら考えることを伝える。
展開
掃除中の避難行動(33分)
○避難行動についての説明をする。
机を前に移動させ、
- 教室内で床をはいている人
- 廊下を掃除している人
- 窓をふいている人
- 黒板をふいている人
- いすの脚をふいている人
- 手洗い場で雑巾をしぼっている人
に分ける。
○手を叩くなど地震発生の合図を決め、避難行動をさせる。
ここでは、できないことを想定する。
○チームごとにどのように身を守ればいいかを考えさせる。
上の表を使いながら、危険なものは何かをまず見つけてから、それから身を守るやり方を考えると良いことをアドバイスする。
○チームごとに、考えた避難行動と、そのような行動を行う理由を発表させる。
必要であれば適宜補足説明をしていく。
♦押さえておきたいポイント
①室内で床をはいている人
机から離れて教室の真ん中に集まって頭を抱えてしゃがむ。
②廊下を掃除している人
ガラスから離れて頭を抱えてしゃがむ。
③窓をふいている人
窓ガラスから離れて頭を抱えてしゃがむ。
④黒板をふいている人
教卓が近い場合は教卓の下に隠れて机の脚を握る。または机の下に隠れる。黒板が倒れてくる可能性がある。
⑤いすの脚をふいている人
一番後ろの脚をふいている場合は真ん中に集まって頭を抱えてしゃがむ。真ん中にいる場合は机の下に隠れて脚をしっかりと握る。
⑥手洗い場で雑巾をしぼっている人
②と同じ行動。
まとめ
本日の学習のまとめ(5分)
どんなときに地震が起きるかわからないので、例えば体育館や下駄箱などで地震が発生したらどうするか?などの問いかけをしながら、様々な状況での避難の仕方を日頃から考えることが大切であり、今日の授業でその避難の仕方を考える方法を身につけたのだということを伝える。
1.6 学習指導案
1.7 ワークブック
児童に配布し、授業の展開を補足するためにお使いください。
この実践はP6に対応しています。
▽ダウンロードはこちらから
http://p.tl/ag-v
1.8 編集後記
地震など天災はいつどこで遭うか分かりません。しかしどんな状況においても安全に避難しなければなりません。特に学校は、子どもが1日の多くの時間を過ごしています。また、保護者から子どもたちを預かっているという責任もあるため、よりいっそう配慮が必要です。そのためにも、教員や児童・生徒自身が、掃除中をはじめ、どんな時であっても安全に避難できるように「避難行動」を1度は考えてみることが必要だと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 水島淳)
1.9 協力団体紹介
日本女子大学家政学部住居学科 石川孝重研究室
建築物の構造安全や防災、住教育を専門とする石川孝重教授の下、建物の総合安全性と快適な居住空間の確立をテーマに、建築物の設計や性能、安全性、防災のほか、建築法規、建築物の維持管理まで、多岐にわたる研究を行っている。
また、研究成果の情報発信や防災教育の普及にも取り組んでいる。
●今回ご紹介した内容はこちらをご参照ください
http://p.tl/0fdM
●石川孝重研究室に関する情報はこちらをご覧ください
http://p.tl/xLH2
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