防災一斉体験学習(目黒巻を用いた事後学習)

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作成者: EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

 この記事は都立高校支援事業、科目「奉仕」内の防災体験学習における、事後指導を紹介しています。この防災体験学習は事前講習、体験学習、そして事後学習の3部構成となっております。事後学習を除く2つと体験学習全体の流れにつきましては、こちらの関連記事をご覧ください。
http://edupedia.jp/entries/show/1313

2 目黒巻とは

 ・東京大学の目黒先生が考えたことから「目黒巻」と言っています。
 ・災害後の状況を想像することで、災害前にどんなことが必要かを考えることが目的です。
こちらのサイトよりダウンロードできますので、ご利用ください。
http://risk-mg.iis.u-tokyo.ac.jp/meguromaki/meguromaki.html

3 授業での使用に関して

 本学習は東京大学生産技術研究所目黒研究室のご協力により授業用目黒巻を使用して行います。指導要領、生徒用説明資料、授業用目黒巻は下記よりダウンロードできます。
 ・指導要領 添付ファイル
 ・生徒用説明資料 添付ファイル
 ・目黒巻授業用 添付ファイル

4 事前準備

①座席を班学習の形式になるように配置します。
②目黒巻(簡易版、上記)と生徒用説明用紙を配布してください。

5 授業の流れ

(1)目黒巻についての説明

説明例

 これから「目黒巻」を使って、災害時の状況を想像して物語を書いてみます。プリントの空欄に、「数分後」「数時間後」「数日後」と書かれていますね。その時間、自分がどんなことをしているか、まわりがどんな状況になっているかを書き込んでいきます。
『地震の後のおはなし』なら、どんな状況を想像してもだいじょうぶです。良いこと、悪いこと、びっくりすること・・・自由に想像して書いてみましょう!

ポイント

・災害時の状況を、具体的にイメージするのが目的ということを伝えます。

(2)記入の時間

 まず、氏名と設定を記入させます。記入は個人で行わせ、班の中でお互いに話し合わせないようにします(後ほど話し合いの時間を設けるため)。

状況設定例

 目黒巻の左側にある「状況」の設定例です。
震度:  7    ※阪神淡路大震災と同じくらいです
 季節:  冬    ※とても寒い日です。
 天候:  晴    ※雨の心配はなさそうです。
 曜日: 水曜日   
 時刻: 12:30 ※お昼休みの頃です。
 あなた:自分の名前と、家族のなかでの立場(姉・妹・兄・弟など)
 家族:いつもの水曜日のお昼、家族がどこで何をしているか書きましょう。例)父は**で仕事、母は自宅、姉は 大学にいる・・・など

 地域、諸事情に応じて、こちらで設定します。

記入させる上でのフォロー、発問の例

・地震が起こったら、いつ、どこにいけばいいのだろうか。
・家族とはいつごろ連絡が取れるだろうか。
・友達は大丈夫だろうか。

記入例

(3)話し合いの時間

 目黒巻説明書に沿って、班の中でお互いに目黒巻を見せ合って、話し合いをします。「書けていない」人を責めたり、明らかにおかしなことを書いている生徒を批判したりしないよう、気をつけてください。もし、問題があったら「どうやったらそれが解決できるのか」という話になるよう、指導していきます。

(4)まとめの時間(伝えていただきたいこと)

◆ 何か問題が起きたら、どうすれば解決できるか考えることが対策につながるということ。
◆ 設定条件を変えて、繰り返し行うことが災害を想像する力を高めてくれること。
◆ 発災後について考えたら、発災前にできることも併せて考えて、普段の防災に活かしていくこと。
◆ その他、先生方が体験学習等を通じて感じたことなどもお伝えください。

 なお、目黒巻は授業後回収し、コピーを取った後、返却します。

6 実践結果

 本実践がとある都内高校にて実施された後、受講した199名の生徒にアンケートをとった結果、以下のような結果となりました。
*数字は「回答数(構成比)」

設問:地震や防災について自分の気持ちはかわりましたか。

(1) かわった 84(42.2%)
(2) すこしかわった 87 (43.7%)
(3) どちらでもない 10(5.0%)
(4) あまりかわらない 8(4.0%)
(5) かわらない 2(1.0%)
無回答 8(4.0%)

設問:印象に残った(勉強になった)お話や体験はありましたか。

(1) あった 139 (69.8%)
(2) なかった35 (17.6%)
無回答25(12.6%)

設問:防災について何かやってみよう!と思いましたか。

(1) 思った77 (38.7%)
(2) 少しだけ思った85 (42.7%)
(3) どちらでもない17(8.5%)
(4) あまり思わない3(1.5%)
(5) 思わない6(3.0%)
無回答 11(5.5%)

設問:地震が起きたら他の人と助け合うことができると思いますか。

(1) 思った144(72.4%)
(2) 少しだけ思った32(16.1%)
(3) どちらでもない10 (5.0%)
(4) あまり思わない1(0.5%)
(5) 思わない1(0.5%)
無回答 11(5.5%)

7 資料提供

災害救援ボランティア推進委員会
http://www.saigai.or.jp/

8 編集後記

 自然災害の一番恐ろしい点は、「いつ起こるか」が予想できないことではないでしょうか。「目黒巻」の優れた点は、災害時のあらゆる状況を具体的にイメージし、可視化できることです。高校だけでなく、小学校、中学校、そしてご家庭においても是非ご利用くだされば幸いです。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 細木和樹)

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