百羽のツル(書籍紹介)

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作成者:matui hiroshi (Edupedia編集部)さん

昔の教科書にのっていた名作
花岡 大学(戸田デザイン研究室)

つめたい月の光でこうこうと明るい、夜ふけの広い空でした。
そこヘ北の方から、まっ白なはねを、ひわひわとならしながら、
百羽のツルが、とんできました。

・・・という場面から始まるこの物語、幻想的な情景描写や「ひわひわ」といった独特の語感が子供たちを独自の世界に誘い込みます。教科書に掲載された作品では、「やまなし」や「ごんぎつね」とならんで、子供たちの心にいつまでも残る物語でしょう。「作品の力」とは、こういうものでしょうと思 います。
昔は多くの教科書に掲載されていたようですが、最近は採用している教科書はあるのでしょうか。教師の授業の腕前に関わらず、読むだけで価値のある作品です。あれやこれやと内容をこねくり回して分析 しなくても、すっと子供たちの心に落ちる名作です。 最近ではこの手の名作が教科書に採用されることが少なくなってきているように思えます。教条的な内容の物語は避けられる傾向があるのかもしれません。ぜひ教科書に再採用していただきたいものです。楽しく読み進める読書と、深くじっくり繰り返し味わう読書の両方があっ ていいのではないかと思います。 光村図書が「光村ライブラリー」で昔の教科書掲載作品を復刻させています。他の教科書会社もぜひ自社教科書で過去に掲載した作品の復刻に乗り出していただきたいも のだと思います。
作者の花岡大学さんは仏教の僧侶でもあり、『花岡大学仏典童話全集』を出版されています。今では 手に入りにくいものも多いようですので、復刻を期待しています。
戸田幸四郎さんによる絵本のさし絵も秀逸で、美しく何度も何度も楽しめる作品です。

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