【著書紹介】『本当は大切だけど、誰も教えてくれない 授業デザイン 41のこと』(大前暁政先生)

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目次

1 はじめに

本記事は、2021年12月発売の『本当は大切だけど、誰も教えてくれない 授業デザイン 41のこと』(明治図書出版社)について、著者の大前暁政が皆さまに紹介する記事となっております。

2 書籍について

◎概要

本書は,時代が大きく変化する2030年を生き抜ける子どもを育てるため,授業をどのようにデザインしていけばよいのかを,具体的な授業を例に解説した書になります。そして,授業に必要とされる力の中で,本当は大切だけど,誰も教えてくれない「教師の知恵」をまとめ,紹介させていただきました。身につけるのが難しいゆえに,人から教わることのない知恵を集大成したものとなっています。

◎類書との違い

最大の違いは,2030年に向けた新しい授業をどうデザインすればよいのかを,「不易」と「流行」の両方の観点から,解説したことです。新しい授業デザインのやり方を知るには,これまでの研究の知見に加え,新しい研究の知見も知る必要があるからです。
本書が類書と決定的に違うのは,「重要な知識」に絞って,余すことなく,しかも,体系的に示したことです。

◎こんな先生に読んでほしい

授業論に関して,網羅的に,全て学びたいという人には,必読の1冊となります。2030年に向けて新しい授業デザインを学ぶには,先人が築き上げてきた研究の知見を学び,そして新しい研究の知見も学び,そして,授業をつくっていく必要があります。
特に重要なのは,授業の「ゴール」と,そこに向かうための「具体的な方法論」を知ることです。「最高の授業のつくり方を知らないまま、教師を続けますか?」本書は,「教える」という仕事に就く全ての人に読んでほしいと願っています。

3 一部を紹介!

本書の骨格部分を紹介します。

①2030年に向けた新しい授業デザインとはどのようなものでしょうか?

OECDは2030年に向けた新しい教育のゴールを検討しています。世界各国、そして日本も参加しています。学習指導要領も2020年4月に小学校から順次開始しています。そのような流れの中で,2030年に向けた新しい授業のゴールを想定し,そのゴールに合致した授業をデザインしていくことは非常に重要なこととなっています。

②授業デザインを学ぶとはどういうことなのでしょうか? 

新しい授業デザインのやり方を学ぶには,授業のやり方における,「不易」と「流行」の両方を知っておく必要があります。

「不易」とは,時代が変わっても重要度が変わらない授業の方法論になります。これは,昔から脈々と現場で受け継がれてきましたが,ベテラン教師の大量退職に伴い,この「継承」がうまくできていない面があります。また,「流行」とは,「新しい研究の知見」に基づく「新しい授業のやり方」を意味します。教育や心理学,認知科学などの研究は日々新知見をもたらしています。その新しい研究の知見を基にした,重要な授業の方法論も知っておかないといけません。

最大の問題点は,「不易」と「流行」の二つを,2030年の新しい授業デザインをテーマとして,集大成し,体系化してまとめた書籍がないということなのです。

そして現場での「継承」もできなくなっているのです。だからこそ,「本当に大切だけど,誰も教えてくれない」知識や技能が生まれているのです。

 

③新しい授業デザインにおいて重要なものとは何でしょうか。

最も重要な視点は,授業という営みの幅の広さを理解することです。この幅の広さは,ゴールの幅の広さからきています。

ゴールの幅が広いからこそ,授業の方法の幅も広くなるのです。例えば,「知識を理解させる」なら,教師の「ティーチング」主体の方法論が問題となります。

教師は「ティーチング」することが基本となる仕事なのですから,「ティーチング」の方法論は知っておかないといけません。ところが,この「ティーチング」だけでも,奥が深く,「本当に大切だけど,誰も教えてくれない」授業の方法論が多くあります。

一方で,ゴールが「協働して解決する力を養う」ならどうでしょうか。教師の主な役割は「ファシリテーション」になります。この「ファシリテーション」だけでも,奥が深く,「本当に大切だけど,誰も教えてくれない」授業の方法論が多くあります。

授業と一口にいっても,その方法論には様々な「種類」があります。その全ての種類を体系的にまとめ,系統化し,図解し,紹介した書籍が,本書になるのです。

ベテランの大量退職により,現場での継承はもはや望めません。私たち教師は,若手も,中堅も,ベテランでさえも,本書に示したような授業デザインの方法を,体系的に,系統的に,学ぶ必要があるのです。

4 プロフィール

大前暁政(おおまえあきまさ)京都文教大学

岡山大学大学院教育学研究科修了後,公立小学校教諭を経て,2013年4月京都文教大学准教授に就任。教員養成課程において,教育方法論や理科などの教職科目を担当。

「どの子も可能性をもっており,その可能性を引き出し伸ばすことが教師の仕事」ととらえ,現場と連携し新しい教育を生み出す研究を行っている。文部科学省委託体力アッププロジェクト委員,教育委員会要請の理科教育課程編成委員などを歴任。

著書として,「子どもを自立へ導く学級経営ピラミッド」,「本当は大切だけど,誰も教えてくれない教師の仕事40のこと」,「先生のためのセルフコーチング」,「プロ教師直伝!授業成功のゴールデンルール」など多数。

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『本当は大切だけど、誰も教えてくれない 授業デザイン 41のこと』はこちら

6 読者へのメッセージ

重要なのは,授業の「ゴール」と,そこに向かうための「具体的な方法論」を知ることです。新しい授業デザインを学びたい全ての人に,是非本書を贈りたいと思っています。

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