お手紙(光村図書国語2年) ~かたつむり君に配達を頼んだのは正解?間違い?

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どうしてかたつむり君に頼んでしまったのか


「お手紙」は何とも言えないとぼけたムードが楽しい作品です。アーノルド=ローベルの挿絵もたいへん可愛く微笑ましいです。

下のリンク先の関連記事もお読みください。

お手紙 ~挿絵から考える

かえる君の家はがま君の家からそんなに遠くないように思えるのに、かえる君は自分で書いた手紙を自分で届けるでもなく、かたつむり君にお願いしてしまいます。そのせいでお手紙が届くまでに4日間もかかってしまいます。このかえる君の間抜けさがなんともかわいく、「まかせてくれよ。」「すぐやるぜ。」と、請け負うかたつむり君のおとぼけぶりも微笑ましいです。
ところで、どうしてかえる君はかたつむり君にお手紙の配達を頼んでしまったのでしょう。
作品中からわかるのは、かえる君が手紙を書いた後、

かえるくんは、家からとび出しました。知り合いのかたつむりくんに会いました。

とあり、かえる君はたまたま会ったかたつむり君に頼んだようにも読み取れます。この場面から、
「かたつむり君に頼んだら何日かかりましたか」
「もっと早くお手紙が届くようにするには、どうすればよかったですか?」
と、発問すると、

● ツバメにでも頼めばよかった。
● こっそり自分で郵便受けに入れに行けばよかった。
● メールを出せば頼めばよかった。(かえるにメールは無理とか、メールがない時代だったとか等の意見が出るでしょう)

といった、「非ファンタジー」な意見が出てきました(苦笑)。

最後の挿絵でがま君はかたつむり君にどう言っているか


最後の挿絵には、かたつむり君ががま君に手紙を渡すところが描かれています。作品の文中はとても会話文が多いのに、最後とその前の挿絵に関しての2人の会話文はありません。
そこで、最後の挿絵でがま君がかたつむり君にどう言っているかを考えさせます。「怒っている」「感謝している」の2つのパターンがあると思います。
「怒っている」「感謝している」それぞれの理由を述べさせてみるといいと思います。
文中に

「ふたりとも、とても しあわせな気もちで、そこにすわっていました。 長いこと まっていました。」

と、ありますので、長いこと待っているのは悪いことではなかったのでしょうね。おそらく挿絵のがま君は「ありがとう」と言っていると思います。
中には
「かえる君がかたつむり君にお手紙を渡したのは、手紙が来るのをがま君と二人でゆっくりと待っていたかったからじゃないかな。」
などという、ちょっと度が過ぎる想像をする子供も出てくるかもしれません。そんな時は、
「そう、あなたはそんな風に考えるんだね。面白いね。」
と、軽く流すといいと思います。多様な読みが許され、特に正解のない世界を楽しめるといいと思います。
こうして「かたつむり君に頼んだ」ことに関して考えてみた後で、最後から2番目の挿絵(二人で玄関でお手紙を待っている挿絵)について考えてみると面白いです。下↓のリンク先の記事をご参照ください。

お手紙 ~かたつむり君を4日も待ちながら、2人は何を話していたか

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