子どもが主体的に動く 「学級経営の基礎・基本」~朝の会・給食・掃除を中心に~(千葉教生 先生 未来の先生展2019)

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作成者:大和 信治 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

本記事は、2019年9月14日に開催された「未来の先生展」での、EDUPEDIA社会人スタッフの千葉教生 先生の講演をまとめたものです。講演では、日々の「朝の会・給食・掃除」において、子どもが主体的に動きたくなる工夫や子どもの様子について、お話をいただきました。

各活動について、きっかけやポイントをインタビューした短い動画も挿入していますので、ぜひご覧ください。

2 講演(学級経営の基礎・基本)

簡単な自己紹介

非常勤講師の仕事内容

去年と今年は次のような仕事を頼まれました。

  • 1年担任(3週間)
  • 副校長(1ヶ月)
  • 6年図工4クラス、5年図工2クラス、4年算数少人数4クラス(1.5ヶ月)
  • 6年国語、体育1クラス(0.5ヶ月)
  • 5年担任、6年体育1クラス(4ヶ月)
  • 3年4年算数少人数クラス(5ヶ月)

私個人のSNSで「非常勤講師で働ける」と呼びかけたら、地域の学校から依頼がたくさんきました。非常勤で副校長というのは、イレギュラーな例でしょうが、基本的には依頼があれば何でも対応しました。

病休などで年度の途中で担任を任されたクラスの特徴として、「解決を先生に委ねる」「真面目な子が多いが、「いい子」の言動が多く、本音を出していない」などが挙げられます。そのような状況で、私が非常勤講師として大事にしたことは、与えられた数少ない時間で効果的な指導をすることです。

楽しく主体的な学習を実現するには、主体的な活動を学校生活のいろいろな場面で繰り返すことが大切です。特に、学校生活で必ず行うことになっている、「朝の会・帰りの会」「日直」「当番活動」「給食」「掃除」の充実を図りました。本セミナーでは、その中から「朝の会」「給食」「掃除」を中心にお話しします。

*講演テーマ選定の理由

朝の会①:「お知らせ」(担任時代の取り組み)

朝の会で「お知らせ」の時間をとっていました。時間は無制限で、子どもたちは自分が好きなことを何でもクラスのみんなにお知らせします。お知らせのルールは「伝えたいことは何を言ってもよい」ことで、子どもたちは次のようなお知らせをしていました。

  • 好きな人(1年)
  • 投稿特報王国(1年)
  • 保育園にたんけん(2年)
  • 係からのお知らせ
  • 係の仕事を家でする(2年)
  • 新しい係をつくります
  • 遊びの約束
  • 生活科のお知らせ(2年)
  • 学校たんけんでみつけたこと(1年)

活動を続けることで、誰でも何でも言ってよい人間関係を育みます。質問したりそれに答えたりすることが、授業でのコミュニケーション力に繋がります。

*「お知らせ」について

朝の会②:出席リレー

活動の2つめは、出席番号順に名前を呼ぶ「出席リレー」です。取り組みのきっかけは、管理職から朝の会に呼名して出席をとらないといけない決まりを徹底するように言われたことです。呼名は時間がかかるのであまり気乗りしませんでしたが、どうせしなければいけないのなら、楽しくやりたいと思って考えたアイデアです。

ルールは、①出席番号が次の人の名前を呼ぶ、②呼ばれたら返事をして、次の名前を呼ぶ、③最後は担任に返す、④タイムを計る、⑤カレンダーに記入する、という流れです。応用ルールとして、①出席番号の逆順で呼ぶ、②出席番号の途中から始める、③最初の人が回り方を決める、などを作りました。

これは、短時間でできるシンプルな取り組みですが、タイムが短くなっていくことを楽しめるので、コスパがよいと思っています。「みんなが主役! 学校レクリエーション大百科(1)学級・学校生活を楽しもう」(ポプラ社)という本にも、私が執筆して紹介しています。

*「出席リレー」について

給食:完食指導

給食では、賛否両論あると思いますが、基本的に完食指導をしています。指導のコンセプトとして、「協力すれば完食できる(ドッジボールや長縄跳びと同じ)」「自分の得意なことを伸ばし、苦手なことは助けてもらう」という2つがあります。

給食準備は、4時間目が終わったらすぐ準備を始めます。「消防士は1分で準備する」など、やる気の出る声かけをし、毎回タイムを測りました。給食が始まると、まず苦手なものを減らさせます。そして、余った固形のおかずは1口サイズにして、おかわりしやすくしました。そして、完食できたかどうかを「◎○×」でカレンダーに記入していきました。目に見えて◎が続くと、子どもたちも◎を続けたいとモチベーションを保てます。

指導のポイントとして、私は完食の定義を「配膳されたものを全部食べる」ではなく「豆1粒を食べるのでもOK」「クラスとして残菜0にする」としています。子どもたちにプレッシャーを与えすぎないためです。みんなで協力するのが目標なので、たくさん食べられない子も、ちょっと食べただけでクラスに貢献できます。普段はよく残していた子も、完食できると自信に繋がり1度でもその嬉しさを感じた子は、また完食しようと思えます。

子どもから、「来年はいろんなクラスでやり方を教えてほしい」と言われましたが、来年は学校にいないかもしれないことを伝えました。すると、自分たちで私から学んだ完食するための情報を周りのクラスに発信するようになったのが嬉しかったです。

*「完食指導」について

掃除:時間内に終わらせよう!

給食指導はシステマティックだったので、掃除は自由にしました。ルールは、掃除の場所や役割は自分たちで決めてよいが10分で終わらせることです。非常勤としての私の勤務時間が5時間目の終了時までなので、帰りの会ができません。なので、掃除を早く終わらせて、翌日の配布物やお知らせの時間を確保したかったという理由もあり、実際の15分間より短い目標時間を設定しました。

掃除の役割が自由なので、最初の頃は、ほうきと黒板に人が集まっていました。しかし、それでは時間内に綺麗に掃除できないことに気づき、徐々に役割分担のバランスを考えるようになりました。

掃除中は「ギミチョコ」「朝礼体操」「不協和音」などの曲を約10分間に編集して、音楽をかけていました。子どもたちは音楽に合わせて雑巾がけをしたり、途中で踊ったりと、楽しみながら時間内に終わらせるよう工夫していました。

ちなみに、掃除が時間内に終わらないことが1回だけありました。そのときは約束通り、机などは掃除の途中の状態で5時間目を行いました。子どもたちと約束を決めたとき「そのままの状態で授業するなんて、夢じゃないですよね?」と言っていましたが、約束は守ります。そして、「机が後ろのままだと狭くて困った」など感想を出し合い、次はどうすればうまくいくか考えてもらいました。

*「掃除」について

子どもの感想

  • 斬新な掃除の仕方や出席リレーなどがすごく楽しかったです。もっとやりたかったです。
  • いろいろな工夫をしてクラスの人が楽しめるようにしてくれて、とても嬉しかったです。
  • 今まで雑巾がきらいだったけど、雑巾が楽しくなりました。
  • 給食、掃除、出席など、いつも毎日が楽しみでした。
  • 給食でおのこし0、そうじ、先生のおかげで「はやく」そして「楽しく」やることができました。

保護者からの手紙

まとめ:取り組みのポイント

学校は、やるべきことは決まっていても、やり方の工夫には可能性がたくさんあります。時間内におさめれば、意外とどんな工夫もできるものです。もちろん初めは、残菜が続いたり、掃除場所が偏ったりしますが、「どうすればうまくできるようになるか」に子どもたちが気付くように先生からコミュニケーションをとっていくと、子どもは自分で考えてうまくやるようになります。

ただ、自由と言っても目指す子ども像や学級目標を軸に、活動の意義を全体で共有することが大切です。また、取り組みの意図などを隣のクラスにも説明し、迷惑をかけないように配慮しました。

参加者の交流ワーク(実際は講演の途中で行いました)

ワーク内容
「朝の会・帰りの会・掃除・給食で楽しかったこと、工夫したこと、上手くいかなかったこと、悩みなどを話し合ってください。」

参加者の声

  • あまり意識したことがなかった
  • 食べ終わるまで食べさせる、食べ終わってからおかわり
  • 朝の会・帰りの会は時間がない、掃除は反省会
  • 誕生日の紹介、今日頑張りたいこと、今日のMVP
  • 3分間スピーチ、給食の取り合いで困っている
  • 掃除が早く終わることが目的になってしまって、綺麗にできていない
  • 朝にみんなで注目する人を決めて、帰りにその人の良かったことを言う
  • 掃除の時間はホッケーになって困っている、自分たちで考えさせる掃除にしたい

参加者からの感想・質問

*出席リレーで休みがちの子をどう呼ぶのか?
「~さんお休みです」などと言って次にパスします。

*中高でも活かせることは?
冷めている中学生でも刺激すれば意欲的に参加します。学校種を問わず、子どもが動きたくなるポイントをつつくことが大事です。

*保護者との連携、対応で工夫したことは?
非常勤のため個人面談は免除しました。学年の懇談会には参加して感謝を伝えました。また、日常的に子どもが家で学校のことを保護者に伝えてくれていました。

さいごに(メッセージ動画)

3 千葉先生のプロフィール

長年公立小学校で勤めたのち、現在はフリーランス教師として様々な学校で非常勤講師としてはたらく。学校勤務が終わったら、塾、教材開発の仕事、プログラミング教室講師などをしつつ趣味の車を楽しむ。

前横浜市立公立小学校副校長。学習情報教育センター参与、EDUPEDIA社会人スタッフ、メディア教育研究会事務局、freedu代表。

主な著書に「社会科授業力の開発 小学校編(明治図書)」「学校レクリエーション大百科(ポプラ社)」(共に共著)がある。

4 関連ページ

「freedu」 学校現場に多様な人材を届け、先生をもっと楽しい仕事にするためのマッチングサービス

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