これまでの実験で閉じ込めた空気を押すと、空気は縮み力が生まれることを学習してきた。そのとき主に使ったのは注射器のように片側が閉じている筒である。この条件を少し変えて、今度は両側があいている筒について考えた。
1 発問1 両側の開いている筒にふたをして空気くんを縮めたら、ふたはどうなるのだろうか。
(ポトンと落ちる・そのまま縮む・ポンと飛ぶ)
注射器のときは片側が閉じられているので空気はそのまま縮んでいった。
今度は筒の片方にふたをして、そのふたがどうなるかを予想した。
予想は
〈ポトンと落ちる〉2人
〈そのまま縮む〉0人
〈ポンと飛ぶ〉14人
であった。私はもっと意見が分かれるだろうと思っていたのだが、これまでの学習を生かした予想をした子が多かった。
〈ポトンと落ちる〉
ピストンを押して空気くんがぎゅうぎゅう詰めになったら、ふたは落ちちゃうと思う。
空気くんを注射器に入れて押すと縮むから、そのくらいの力があるからふたをすると空気の力でふたが外れる。飛ぶまではいかないと思う。
〈ポンと飛ぶ〉
勢いよく注射器の棒を押せばポンと飛ぶと思うから。
注射器でも先のところにふたをしないとそのまま空気が出るから。
&color(maroon){空気くんが「外に出たい」と思っているから。};
ピストンをぎゅっと押すと風が出てくるから。押すとポンと飛ぶと思う。
〈ポンと飛ぶ〉についてよく聞いていると理由が2種類あることがわかる。
〈ぎゅうぎゅうになった空気に押される〉と〈ピストンを押したときに起きる風〉の二つである。
これについて検討をした。
発問2 ピストンを押したとき風が起きないようにじわじわ押していったらふたは飛ぶのでしょうか。
〈飛ぶ〉
空気には力がある。はやくやっても遅くやっても力があるから飛ぶと思う。
&color(purple){じわじわ押していっても飛ぶ。空気は逃げ道がないとどんどんパンパンになっていって空気くんが押し出されてふたも飛ぶ。 };
じわじわやってもポンと飛ぶ。最初は普通の空気だけれど押されて耐えられなくなって出ようとする力がでてきて飛ぶ。
&color(aqua){じわじわやっても、はやくやっても空気が押されるのは同じだから飛ぶ。};
目には見えない空気だが、これまでの観察や実験を通してまるで目に見えるかのように正しく推理をしている。
2 指示1
では実験をしてみよう。ピストンを押すときの強さ、どの目盛りでふたが飛び出したのかの位置、飛んだ距離に気をつけて実験しよう。
お待ちかね「空気でっぽう」を渡した。子ども達は目にした瞬間に大喜び。ポンポンと飛ばして遊んでいる。何を見るか、何を気をつけるかはもうそっちのけである。しかしそれでいいのだと思う。学ぶ喜びにあふれる姿がなにより大切である。的を作ったり、飛ぶ距離を競ったり、ずっと飽きもせず遊んでいた。
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