目次
1 はじめに
この記事は、坂本哲彦先生が運営されているホームページ、「坂本哲彦 道徳・総合の授業づくり」から引用させて頂いたものです。
坂本哲彦先生のホームページはこちら→http://sakamoto.cside.com/
2 対象
小学1、2年生(低学年)
3 ねらい
ゆきだるまの気持ちを考えることを通して、命のはかなさ、大切さについての考えを深める。
4 資料
『はるのゆきだるま』石鍋芙佐子作・絵 1983年、偕成社
5 学習過程(45分授業)
資料を全部読み通さず、場面ごとに立ち止まりながら、思いを交流し合う学び方(再現構成的な)で授業をします。
①「ひとりぼっちで山の中にいる雪だるまはどんな気持ちかなあ?」(5分)
- 1場面を読んで、雪だるまの気持ちを共感的に理解する。
②「雪だるまと動物たちが出会った場面で思ったり、考えたりしたことはないですか?自由に感想を出し合いましょう。」(10分)
- 「はる」という季節を巡って、雪だるまと動物たちが心を通わせていく様子を子供たちの自由な感想で味わう。
- 「はるのおみやげ」とはどんなものなのか自由に予想を発表し合う。
③「ゆきだるまさんが待っていることを思いだし、急いでやまへ駆け上る動物たちはどんなきもちだろうか?」(10分)
- 机の横に立って、動作化しながら気持ちを発表させるとよい。
- ゆきだるまさんがどうなっているか、互いに想像し合う。
- 続いて「ゆきだるまが解けてしまっていた」場面を提示し、ゆきだるまの無念な気持ちなどを出し合う。
- 続けて、春の場面を提示する。
④「『わあーい、ゆきだるまさんだ。』とあるが、どんな雪だるまなのかなあ」(10分)
- 自由に想像を広げる。
- 「たくさんの白い花でした」の場面を提示し、思いを出し合う。
- 「命は一度なくなったら、二度と元にはもどらない」ことを確認する。
⑤「どうして雪だるまの形をした白い花が咲いたのでしょうか?」(10分)
- 「おみやげに持ってきた白い花の種が咲いた」のような理科的な発言も出るだろうが、それは認めた上で
⑴雪だるまの動物たちに会いたい気持ちが花という形になった。
⑵雪だるまの生まれ変わりが花。
⑶雪だるまの春を待ちわびた気持ちが花になった。
⑷雪だるまが自分を忘れてほしくないという気持ちが花という形になった。
- 教師の思いを語る。
6 実践者プロフィール
坂本哲彦(さかもとてつひこ)
山口県山口市立徳佐小学校教頭。
1961年生まれ。
山口大学卒業。山口大学院修了。
山口県内公立小学校教諭、山口大学教育学部附属山口小学校教諭、山口県教育庁指導主事等を経て、現職。
自身の経験を活かして、道徳実践をHP、メルマガで数多く配信している。
坂本哲彦 道徳・総合のページhttp://sakamoto.cside.com/
7 編集後記
命について考えることや他者の気持ちを考えることは、これから先社会に出ていく子どもたちにとって大切なことだと思います。雪だるまの気持ちを想像しつつ命について考えるこの実践は、他人を思いやり、考える力を育むために役立つのではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐藤光紘)
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