1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
2 実践内容
ABC 3つの段階に分けておこなう。
国語の始めの時間を使い、1日1段階、A→B→Cの順番で進めていく。
Aは、7つのステップに分かれている。各3回ずつ書くので、ノート書きに入る前に15回書くことになる。
Bでは、丁寧に書くことを主な目的にする。しゃべらない、下敷きを敷く、丁寧に書くなど観点を決め、机間指導をしながら、子どものノートに丸をつけていく。
Cで、ミニテストをおこなう。テスト前には練習をさせる。指書きでも、ノート書きでもよい。
テスト後は、間違った字だけを練習する。時間があれば再テストをしたいが、なかなか時間を作れない。
A:新出漢字を教える(各3回)
- 書き順:先生と一緒に空がきをして、書き順を覚える
- 1人で空がき:立って声を出しながらやる
- 指がき:漢字ドリルの上を指でなぞる
- 掌がき:掌の上に書く。
- ドリル書き:漢字ドリルになぞり書きをする
- ノート書き:書き取りノートに鉛筆で書く。時間調整をする。
- 背中書き:隣の子と2人1組。1人が背中に字を書き、相手が答える。
B:新出漢字を練習する
- 漢字ドリルの例文を、1回ずつ書いていく。
- 新出漢字2ページ分を、書き取りノートに書く。ノート1ページ強。
- 例:3日間。1週間つづく。細いひも。やせ細る。長い川。話が長い。
C:ミニテストで定着をはかる
- ドリルページ(ずらっと漢字が列んだページ)を5分ほど復習する。
- 読みのページを見ながら、漢字を書く。
- 提出後、教師が丸つけをする。
- 間違えた字を3回直してくる。
漢字を定着をさせるためには、やっぱりしつこく、繰り返し練習をするしかない、と感じています。
一番好きなのが「背中書き」です。
2人1組で習った漢字の問題を出し合うのですが、1人がにこにこ笑いながら、もう1人は、真剣な顔をして、黒板を見ています。
その2人の姿がとってもかわいくて、大好きな時間です。
そこは、鹿島和夫先生の「せんせいあのね」の世界です。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年10月18日現在)
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
漢字の定着を楽しみながらめざしている取り組みです。おしゃべりをしない、などの厳しいルールとのメリハリが集中力へ活かされるのではないでしょうか。授業を楽しむ工夫が凝らされた魅力的な活用です。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部)
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