トゥールミン図式を活用し、「事実」と「考え」を意識させる!

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以前、拙論で「話し合い活動」の分析を!で、話し合い活動について書かせていただきました。 私は、その中で、話し合いにおいて、『事実と考え(主張・解釈)を区別し、意識させること』が重要であることを主張しました。

その具体的な手立て(道具)として、トゥールミン図式を紹介します。

目次

1 <トゥールミン図式の概要>

自分の考えを伝えるために,まず他者に対しての表現を試みます。そのためにトゥールミン図式を活用しています。  トゥールミン図式とは、議題に対する「結論」を支える根拠を「事実(データ)」と「理由づけ」に分けて、3つの要素を構造化(図式化)したものです。 イギリスの分析哲学者トゥールミンが提唱した議論レイアウトを参考にしています。

1. 主張には必ずその根拠を述べる

2. 根拠は少なくても2~3つは必要である。

3. 主張(C)と事実・根拠(D)を関係づける理由(W)を書く。ここに、その子なりの考え(意見)が表現される。

子どもたちにとってトゥールミン図式はやや難しい面があります。しかしながら、年間を通して、繰り返し活用することで身につけていきます。中学年の場合はワークシートを吹き出しにしたり、結論を二者択一にしたりするなど書きやすい工夫をしています。

このトゥールミン図式は、主に調べ活動のまとめのワークシートとして活用しています。議論場面において、同じ立場でも事実や根拠が異なること、逆に同じ事実や資料でも理由や考えが違うことを確認できます。子ども同士や教師と子どもで批判,検討し合う学び合いの道具として活用しています。 PISA型読解力で言われる「連続型テキスト(物語、解説、等)と非連続型テキスト(図、地図、表等)の中から情報を取り出すだけでなく、そこから自分なりに解釈したことを熟考・評価する」という活動をトゥールミン図式の中に明確に位置づけるということであると捉えています。

2  <トゥールミン図式の実践事例>

(6年歴史単元「江戸時代の農民」の実践から)

下図は,6年歴史「江戸時代の農民」において,農民の生活について議論したA子のトゥールミン図です。

A子は年貢の負担、5人組制度、慶安のお触書、百姓の身分を根拠に

「農民は生きていても苦しいだけだ」

という主張を行いました。

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