活動の指示を出す

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目次

1 ざわつくクラス

一つの事が済むとすぐに子どもが、近くの友達と話をし始める。先生が、

「はい、静かにして。」

と指示をして次にする事の話を始める。しかし、子供には指示がうまく伝わっておらず、だんだん集中力に欠けた活動になっていく・・・・こんな光景をよく見かけるが、それを見ると、自分の力を伸ばす大事な時間を無駄に使っていると思う。

この光景には、いろいろな問題が隠れている。

・事が済んだと思っているけれど、実はもっと考えなければならないことがあることに気づいていない。
・事の終わりを自分の思いこみで判断し、しなければならないことをやり残していることに気づいていない。
・自分さえできればよいと考えていて、仲間へ配慮ができない自分に気づいていない。
・自分のしたことに自信がもてず、すぐに相談したくなる自分に気づいていない。
・次の事の始まりを意識していないで、話に夢中になっている自分に気づいていない。

これらの問題を出にくくするためには、教師が日頃の指導の積み上げをていねいにする必要がある。この問題を出さないために次の事が必要となる。

◆終わりの状態を明確に事前に伝えておく。(何をどこまで、どのような状態に、どうなったら終わりか)・・・エンドがはっきりしていると、子供たちはそれに向かって集中して活動ができる。

  • 何のための活動なのかを事前に伝えておく。
  • そのためにどんな活動をするのかを明らかにしておく。
  • 終わりのイメージを具体的にしておく。


◆終わったと思ったら何をすべきかを明らかにしておく。

  • できばえが、目的にあっているかを確かめる。
  • できばえが自慢できるものになっているか見つめ直す。
  • 仲間のできばえと比べて至らない所はないか探す。
  • 仲間にできばえについての評価をもらう。

  ※この場合の仲間はペア(隣の子)がよい。

◆何もすることがないと思ったときにすべきことを明らかにする。

  • 事が終わったことを告げるサインを出す。
  • 仲間のできばえに気を配る。
  • 事や周りに配慮しながら、挑戦できることはないか考える。
  • 校内で早く休み時間をとることが可能なら、課題が終われば5分ぐらい早めに運動場に出してあげる。
  • 周りの人に配慮した行動をする。(助ける、支える)
  • 次の指示を静かに待つ。
  • 宿題をする、読書をする、ちょっとしたプリントをする等、定番の時間調整ルールを作っておく。

  幾何学模様で正確な作業の練習


◆次の事の始まりを明らかにする。

  • 始まりの時刻を事前に告げる。
  • 始まりの約束を明らかにする。(合図を出す、前に立つ、指示をする。)

2 「静かにしなさい」と言わなくていいように

「静かにしなさい。」を言っていると次の事を始めるために全員が聞く姿になるまでに時間がかかる。これは無駄な時間だ。次の始まりがどの子にも明確になっていないとなかなか揃わない。

例えば、「事の途中でも、先生がここに立ったら、すぐに先生を見てください。ここに立ったときは、大事な話をしますから、すぐに静かにしてこちらを見てください。」ということだ。そして、決めた場所に立った時、静かにこちらを見たかの点検を繰り返しすることで「ことの始まり」を作る。

「ことの始まり」がうまく作れないと、すぐに気がつかずにいつまでもおしゃべりや作業をしている子供に「先生の話聞けよぉー」と、乱暴に注意をする子供が出てきて、ムードが悪くなることがある。周りの子供に対しては「小声で」注意を促す、肩を叩いてあげるなどのルールも作っておくとよい。それができたときには、「○○さん、上手な注意ができたね、●●君、友達の注意をちゃんと聞けてえらいね」と、褒めてあげるとよい。

すべきことができない裏には、指導しきれていないことがまだまだたくさんあることに気づくべきだ。

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