1 高学年の宿命
入学式・音楽会・卒業式と、行事があるごとに高学年は準備にかり出され、担任はその指導に追われます。子供たちも準備をすることによって高学年になった自覚を感じる部分がありますし、行事を裏方として盛り上げる喜びを感じることもあると思います。
ただ、多くの授業時間をつぶしたり、非常に短い時間で準備を完成させることを要求される場合があったりすると、指導する側はたいへんです。その上に高学年のモチベーションが低く、仕事をするのを嫌がる子供たちであったなら、ますます状況は厳しくなります。
体育館で椅子を並べるという準備もたいへんな作業です。特に児童数の多い学校では、作業に手間取ります。ただでさえ行事で忙しい時期に、短時間で美しく椅子を並べるにはどうすればいいでしょう。
2 準備が大事
学校によるかもしれませんが、美しく椅子を並べることを要求される場合、上手に子供を動かさなければ子供が混乱し、「そこ、違う」「まだ!早く!」と、怒鳴り続けなくてはならない羽目に陥ります。
メジャーで椅子と椅子の間隔を厳密に測って作業を進めるのであれば、指導に入る前にしっかりと準備を整えておくことが大切です。
椅子が何個必要なのか、どこに並べるのか、指導者が管理職や会場係と連携を取って計画を練っておく必要があります。
下図の黄色で示した先頭の列を先に並べておくと計画に見通しが立つし、作業にさっと入れます。
3 きちんと並べる必要がある場合
複雑な椅子の配置を求められることがあります。1~8列目は34個、9~16列目は30個、そこから後は36個・・・・などと。
でも、こんな場合も、全部36個で並べてしまいましょう。後から不必要な椅子を抜けばいいのです。単純な作業と複雑な作業を分けて、複雑な作業
は、後でやるといいです。
図は、18個で示しています。18個を20列並べるなら、まず、最初の1列はあらかじめきちんと並べて、その後の19列は、とにかく、1列が6-6-6となる程度に適当に並べてしまいます。
椅子を出すことと、きちんと並べることを同時にやらせようとすると子供は混乱し、指導者側の指示も通りにくくなります。作業を分けることによって、ずいぶん楽になります。
「分かる」は「分ける」~教育において分ける作業は重要です | EDUPEDIA
をご参照ください。
適当に、必要数をざっと並べてしまうのです。子供たちは椅子を出すことに専念できるので、作業も早くすみます。
図の、矢印の部分を空けておきます。3メートルぐらい空けておいて、次の作業をしやすくしておきます。
4 ざっと並べた後に、美しく
並べるべき個数を適当に並べてしまったら、次は、18人の子供を選びます。少数精鋭です。その子供たちを2列目の椅子の後ろに並ばせます。人数が多いなら、3列目の後ろにもう18人を並ばせておきます。
後は、メジャーを置いて、1列目の後ろまで前進させるだけです。2列目以降
「椅子の後ろに立てーーー」
(全員が揃ったら)
「前進ーーー」
「メジャーにしっかり合わせろーーー」
これを繰り返すだけです。
5 適当でいい場合
重要な式典などの会場づくりではなく、メジャーを使ってきっちり並べるほどの必要性がなければ、準備・作業はもっと簡単です。
下図のように椅子と椅子の間隔を一旦0cmで並べた後、偶数列、偶数行の椅子を抜いてしまえば、そこそこの美しさで並べることができます。
この後、前述のようにざっと必要数を並べ、準備した椅子の間隔に合わせていけば出来上がりです。
6 効率的に子どもを動かす
「たくさんの子供たちで、同時に、役割分担がよくわからないままに」という混雑と混乱の中でやると、作業は遅いし、出来上がりが美しくなく、怒声が飛び交い倦怠感が渦巻く結果にもなりかねません。
怒鳴り散らした上に時間を無駄遣いして腐らせるのか、効率の良い動きを理解させた上でさっさと終わらせて褒めて満足させてあげるのか、結果は大きく変わってきます。
少数精鋭で仕事を分けて進めることによってスピーディーに美しい作業が可能になります。ぜひ、お試しください。
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