★「コンピュータ室での混乱を防ぐ」もご参照ください。
1.1 混乱を減らす3つの方法
授業の中でコンピュータ室を使うとき、説明の途中なのに勝手に操作したために画面が変わってしまったり、聞き逃して別の操作をして、説明とは違う画面になってしまったりで、「センセー!」ということが起こりがちです。センセーコールがたくさん起こると、先生は対応に追われて、授業が進まなくなります。
この、センセーコールを減らす、いい方法があります。それは、次の三つです。1. Esc キー2. 元に戻す」(Ctrl+Z)3. 先生は手を出さない
1.2 困ったときのお助けボタン
Esc キー(エスケープキー)
授業のはじめに、まず、このボタンの使い方を説明しておきましょう。
Esc キーは、「キャンセル」を意味するボタンです。『困ったときのお助けボタン』と覚えます。「センセー!」と言いたくなったら、とりあえずこのボタンを押します。
コンピュータが何かし始めたとき、「違うよ」「ちょっと待って」「やめて、止まれ!」と伝えるボタンです。
通常このボタンは、左上の隅、他のボタンとは離れて置かれています。なぜかというと、とっさのときに、間違いなく確実に押せるようにしてあるのです。
例えば、間違ってマウスの右ボタンを押したり(右クリック)、キーボードのWindowsボタン(スタートメニュー)を押したときにでてきた「なにか」を消します。このとき、「マウスで何もないところをクリック」とよく言いますが、「何もないところ」というのは実はけっこう難しいのです。このとき「なにか別のもの」を改めてクリックしてしまう危険もあるので、Esc キーがもっとも無難です。
Esc キーは、他のキーと違って、何度押しても大丈夫です。
また、メニューで何か間違ったものをクリックして、コンピュータが「待ち」状態になったときも、解消することができます。(操作の中断、キャンセル)
元に戻す(Ctrl+Z)(コントロール たす ゼッド)
コンピュータのもっとも「いい」ところは、元に戻せることです。ノートに鉛筆などで書いたものは、どんなにいい消しゴムを使ってていねいに消しても、完全に消すことはできませんが、コンピュータでは、「書かなかったことにする」「書く前に戻す」ことができます。
ほとんどすべてのアプリケーションでは、「編集」メニューの中に「元に戻す」があります。でも、子どもたちにこれを操作させるのは少し難しいです。
これより少しやりやすいのが、ツールバーのアイコンのクリックです。たいていメニューバーのすぐ近くにあって、戻ることを意味する、左向きの(曲がった)矢印で表されることが多いです。これをマウスでクリックすると、元に戻すことができます。
実は、この「元に戻す」は、メニューバーもツールバーもないところでも使えます。ほとんどどんな場合にも使えるのが、キーボードショートカット、と言われる、キーで操作する方法です。「元に戻す」は Ctrl+Z と表されます。これは、Ctrl ボタン(左下隅か、一つとなり)を「(左手で)押さえたまま」 Z(つ) のボタンを(右手で)ちょんと押す、という操作です。Zのボタンは、「押さえ」てしまってはいけません。押したらすぐ離します。すると、1個戻れます。
二つのボタンを同時に操るのは難しそうに思えますが、できるようになると、おもしろがってやるようになります。慣れないと、右手でボタンを押す瞬間に、左手を離してしまいがちです。お絵かきソフトなどで使い方を練習するといいでしょう。
元に戻す操作は、特別に制限されていなければ、いくつでも戻ることができます。
試しに、デスクトップにあるファイルを削除(ごみ箱に入れる)して、Ctrl+Zとやってみてください。(デスクトップがそのコンピュータの中であることが条件です)
1.3 先生は手を出さない(口を出します)
センセーコールに応じて先生が子どもの画面を見ると、ほとんどの場合、なぜ子どもが困っているか、どうすれば直るかがすぐわかります。このとき、先生が手を出して解決してしまうと、次に同じことが起こったときも(往々にして、また起こります)、再び先生を呼ぶことになります。
ここはぐっと我慢して、「あなたがここをこうしたから、こうなったよ」と、子どもにわかるようにきちんと説明して、Esc キーなり「元に戻す」なり、あるいは別の方法を教えて、子ども自身に操作させます。
こうすると、次のときは自分で解決できるようになりますし、同じことで困っている友だちに、教えてあげることもできます。そのときも、教える子どもには、「口を出しても手は出さないこと」を徹底します。「先輩」になることができて、子どもにとってもうれしいでしょう。直し方がクラスの中に自然に広がっていきます。
この三つが授業で普通に行われるようになると、センセイコールはぐんと少なくなりますし、更にどんどん減っていきます。 特に、Esc キーは、ふだん知られていないキーですが、なかなか便利です。日常のコンピュータ操作でも大活躍しますので、お勧めです。困ったときは、E・s・c。
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