1 授業の内容と目的
本授業では津波から正しく、安全に避難するための方法・心構えを理解することを目的としています。
導入では、津波の可能性を示唆するところから始め、具体的に津波の規模や被害を受ける場所を確認します。津波の流れの特徴を考えながら、避難する際の注意点をおさえます。さらに、「津波てんでんこ」に込められた人々の思いに触れ、これから大きな地震が来た時に、自分たちはどうすればいいかを話し合ってまとめます。
2 1.導入
釜石の過去の被災写真を見せ、このような津波が近い将来発生する可能性が高いことを紹介する。
【写真-01~04】過去の津波による釜石市の被害
【資料-08】今後30年間の地震発生確率
3 2.展開
(1)動く津波ハザードマップを見て、津波の影響を受ける場所を確認する。
【その他】動く津波ハザードマップ http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/simulator/kamaishi/
動く津波ハザードマップガイド 添付ファイル
動く津波ハザードマップマニュアル 添付ファイル
(2)津波の流れの特徴を確認しながら、津波から避難するときに注意する点を確認する。
①地震が発生したらすぐに避難する
→地震発生後、数分で津波が到達することもあるので、とにかく早めに避難を開始する
②海から遠くでなく、高いところに逃げる
→津波は川沿いや低いところだと内陸まで浸水するので、とにかく高いところに逃げる(3階建て以上の頑丈な建物が良い)
③一度逃げたら、数時間はそこで待機する
→津波は繰り返しやってくるので、一度高いところに逃げたら、数時間はそこでじっとしている
【資料-12】津波避難のポイント
(3)「津波てんでんこ」に込められた願いや人々の思いについて説明する。
→過去の津波で被害にあった人々が、津波が来たらとにかく早く逃げることが必要だという教訓を、後生に残したことをおさえる
(4)これまで大きな地震が起きたときに、すぐに避難したかどうかをふり返り、今後、どのようなことに気を付けて避難すればよいかを話し合う。
→これまでに大きな地震を感じたときや、津波情報が発表されたときの状況を子どもたちに発表してもらい、その発言の中から、避難しなかったことをおさえる
→避難しなくても大丈夫という気持ちに負けずに、避難するという心構えが必要なことをおさえる。
4 3.まとめ
- 学習して気付いたことをプリントに記入する。
- 感想等を発表し、今日の学習をまとめる。
【print-36津波避難のポイント】
5 4.確認
- 津波から正しく、安全に避難するための方法を知ることができたか?
- 避難しなくても大丈夫という気持ちに負けず、絶対に避難するという心構えを理解することができたか?
詳細は以下のPDFをご覧ください。
添付ファイル
6 講師プロフィール
片田 敏孝: http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/katada/index.html
群馬大学大学院工学研究科
社会環境デザイン工学専攻 教授
広域首都圏防災研究センター長
岩手県釜石市の小中学校における津波防災教育を指導。
2011年3月11日に起こった東日本大震災で、地震や津波の甚大な被害を受けた釜石市では、片田先生による子どもたちへの日頃からの防災教育指導の結果、多くの子どもたちを津波の被害から守ることができた。
コメント