1.1 授業の内容と目的
本授業では、自分たちで通学路を中心とした地域の防災マップを作成し、その内容を全校児童や保護者、地域の方々に発信し、防災について考える機会とすることを目的としています。
タウンウォッチングがメインの活動となります。事前指導の段階では、各自で白地図に避難場所や危険個所などの書き込みを行います。実際にタウンウォッチングを行うときには、事前学習で記入した箇所に見落としがないように注意します。それをもとに防災マップを作成していきます。
1.2 導入
(1)タウンウォッチングの事前指導
①児童を数グループに分ける。班長、写真係など役割分担をする。
- 班長・地図の記録は全員でする。
- 写真係(どこの写真を撮ったのかを記録する)
②教師や保護者、地域の方、市の防災担職員などを、各グループに配属する。
③各自で白地図に避難場所や「危ないもの」、「安全な場所」、「役に立つもの」を記号で書き込む。
(児童と話し合い、決めておく)
危ないもの:ブロックはシールに「ブ」、自動販売機は「自」、大きな看板は「看」、がけは「が」、ガラス(高い建物)は「ガ」、屋根瓦は「瓦」など
安全なところ:高いところは「高」、広場は「広」、駐車場は「P」など
役に立つもの:公衆電話は「公」、消火栓は「消」など
④記号表にないものを発見したときは、文字で地図に書き込む。
→書き込んだものについては、再度確認することをおさえる
⑤調査してきたことをもとに、巨大な地図にシールをはったり書き込んだりしていく。
→巨大な地図にシールを貼ったり、書き込んだりして完成させることをおさえる
1.3 展開
(1)タウンウォッチングを行う。
①各グループに教師などの担当が必ず付き、児童の安全に注意を払う。
②危険な物などを見落としがないかどうかを考えさせる。
→常に複数で注意をすることを確認する
※早く帰ってきたグループは、巨大地図にシールを貼っていく。
1.4 まとめ
(1)確認した内容を地図に整理し、防災マップを作成する。
- 記号シールを貼る(危ないもの:赤シール、安全なところ:青シール、役に立つもの:緑シール)
- 記号表にないものを書き込んだ付箋紙を貼る。
(2)個人、写真をはるなど手を加えて完成させ、全校朝会などで発表し、校舎内に掲示する。
(3)タウンウォッチングや地図づくりをした感想や気付いたことをプリントに記入する。
詳しくは以下のPDFをご覧ください。添付ファイル
1.5 講師プロフィール
片田敏孝 群馬大学大学院工学研究科社会環境デザイン工学専攻 教授広域首都圏防災研究センター長
岩手県釜石市の小中学校における津波防災教育を指導。2011年3月11日に起こった東日本大震災で、地震や津波の甚大な被害を受けた釜石市では、片田先生による子どもたちへの日頃からの防災教育指導の結果、多くの子どもたちを津波の被害から守ることができた。
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