1 <言葉には、心と魂があることを話し合う。>
この時間では、独特な授業を展開する。
どのように子どもたちに語りかけるべきか?
イメージしづらいかと思うので、青木先生の語り口を例に紹介する。
2 「言葉には心と魂がある」-心の目・心の耳の実験-
<教師>
「さあ、今日は先生が、みんなと勉強していくなかで一番大事だと思っていることを黒板に書くので、ノートに心をこめてゆっくりでもいから書きましょう。」
板書⇒「言葉には心と魂がある」
<教師>
「この言葉にある心と魂をとらえるには、心の目、心の耳で見たり聞いたりするのですよ」
板書⇒「心の目 心の耳」
<教師>
「こんな難しいことを言っても分からないでしょうから、これから実験をしていきますのでだんだん分かるようにしましょう」
[ 実験 ]
「心の目」
- ①夢はなんで見るの?目は閉じているのに。(フロイト/無意識世界)
- ②お母さんは頭の後ろに目がある。つまみ食いがばれたことある?
「心の耳」
大きな貝を耳にあてて海の音を聞き、桜の花びらを散らして「散る音が聞こえた人は黙ってそっと手をあげてくださいね。」
⇒子どもたちは大変興味を示し、この実験で、「心の目」「心の耳」についてよく理解し大きな関心を持つようになるでしょう。
3 マジカルバナナから「青といったら」へ ~言葉の連想から覚知へ~
まずはクラス全体でお手本を見せよう。
<教師>
「さあ、今度は言葉で実験しましょう。」
板書⇒「マジカルバナナ」
<教師>
「みなさん、マジカルバナナを知ってますか?」
「マジカルバナナ。バナナといったら」(手拍子をとりながら)
<生徒>
「きいろ!」
<教師>
「きいろといったら・・・・・・」とやっていく。
次は各自が参加する形でやってみよう。
<教師>
「それでは一人ずつ順番にやってみましょう。」
⇒席順でリレーして行うことを指示する。つまづいている子がいたら教師が助けてあげながら、進めていく。
<教師>
「今やったマジカルバナナは、言葉の連想ゲームですよ。ひとつの言葉からどんどんつながっていくので、言葉の鎖といっていいですね。」
「それでは、今度は、一つの言葉だけで考えてみましょう。一つの言葉だけでもたくさんあるんですよ。では(青)で実験してみましょう。」
板書⇒中央に<青>
以下、子どもたちの豊かな発言を板書する際、それらを色と場所でグループ分けしていこう。本文(A)~(D)は下記内のそれと同じ。
<板書例>
1つの言葉に集中してマジカルバナナをやってみよう
<教師>
「青といったら・・・・」
⇒子どもたちからあがってくる様々な発言を板書していく。( 高確率で「海」や「空」がでてくるだろう)・・・・(A)白チョーク
⇒次第に「えのぐ」や「ドラえもん」といった「青色を具体化したもの」が続々と出てくる・・・・・(B)白チョーク
しばらくして出尽くしたころを見計らって、
<教師>
「たくさんでましたね。じゃあ次は「青」と言ったらどんな気持ちがする?」
⇒子どもたちから出てくる意見を同じように板書していく。「気持ちいい」や「すがすがしい」が出る一方で、「暗い」「つめたい」などの全く反対の気持ちのもつ言葉も出てくる。・・・・・(C)黄チョーク
<教師>
「すごいね。いい意見がたくさん出ました。ここでみんなに聞いておきたいんだけど、青といって、明るい・すがすがしいを思い浮かべる人は手をあげてみて。・・・・・。じゃあ逆に、暗い・つめたいを思い浮かべる人は?」
⇒きっとクラスの全員がどちらかにかたまるということはない。同じ言葉でも人によって全くちがった気持ちをもつことを意識づける。
<教師>
「さあ、今度はもっと難しいことをきくよ。これが出来たらすごいよ。青といったら、どんな音が聞こえてくる?」・・・(D)赤チョーク
⇒さすがに一瞬、子どもたちは戸惑った様子をみせるが、意見が出てくるまで待ってみよう。きっと徐々に発言が増えていく。
※[グループ分けの基準]
- (A)・・・イメージ
- (B)・・・青色を具体化したもの・概念
- (C)・・・情感性
- (D)・・・共感覚性
4 「青といったら」から「題名読み」へ
◎「青といったら」から「題名読み」へとつないでいく
<教師>
「青という言葉ひとつでこんなにたくさん出てくるんだよ。すごいね。先生はこれが青という言葉にある心と魂だと思っています。さあ、練習は終りです。本番はこれからです。教科書の○○ページを開きましょう。(その単元の先頭ページ)」
⇒クラス全員が開いたら、題名だけ音読させ、その後、題名を板書しノートに視写させる。
<教師>
「題名の横に赤鉛筆で、『○○(題名)といったら』、そう、『青といったら』と同じです。思うこと、感じること、響いてくること、伝わってくることを書きましょう」
⇒『青といったら』を体験しているので、本文に関係ありそうなこと、なさそうなこと、様々な意見が出てくる。
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