1 難関「大きな数」
小学校のテストの中で、「大きな数」は子どもが多くミスをするテストの一つです。4年生では兆の位まで学習し、桁数が多くなると「数字→漢字」、「漢字→数字」の変換をすることがたいへん面倒になってきます。実際、大人がやっても面倒な作業であり、算数嫌いを増やしかねない単元です。
教科書は漫然と説明をしているにすぎず、習熟を促すようにはできていません。教科書通りの授業をしていたのでは子どもに変換技術が十分には身につきません。特に「漢字 → 数字」の練習問題が少なく、5問ほどしか掲載されていない教科書もあります。計算ドリルなどでもう少し習熟を図ったとしても、正確に「漢字 → 数字」を変換できるようになるには、教師側のかなり意図的な指導が必要です。
2 絶対4つ区切りにカンマをつける
万・億・兆・京・・・と、日本の位は4つ区切りに進んでいます。にもかかわらず、一般的に数字が表記される場合には英語圏の3つ区切りになっています。例えば5,863,548,752というように。これでは日本読みができないので、「大きな数」の単元では、強引に4つ区切りにカンマを打たせます。カンマ「,」でなければ、「^」や、縦線「|」(1と間違わないように長いめに)や、丸で囲むでもいいです。
5863548752 → 58,6354,8752
この「4つ区切り」を徹底させます。「徹底」が大事です。「絶対に4つ区切りにカンマをつけないと、丸をつけません」ぐらいに言っておかないと無精な子どもはカンマを付けず、正答率は下がります。より多くの子どもがきちんとできるようにするためにも、徹底して4桁ずつに区切らせることが大事です。
そのためにはまず、4桁をすらすらと読めるようにすることが、重要になってきます。4桁を読ませるためには下記↓↓↓の記事をご覧ください。
万までの数(4桁)が重要 ~2年生「大きな数」【教材】 | EDUPEDIA
3 声に出して読ませる
「5863548752」を全員で声を出させて読ませます。
「五十八」(子ども全員)
「億」(教師)
「六千三百五十四」(子ども全員)
「万」(教師)
「八千七百五十二」(子ども全員)
あるいは一人(A君)を指名して声出させて読ませます。
「五十八」(A君)
「億」(子ども全員)
「六千三百五十四」(A君)
「万」(子ども全員)
「八千七百五十二」(A君)
のように、はじめは交替交替に読ませていくと、意識付けができます。(子ども全員)(教師)(A君)の役割を随時入れ替えながら読ませることもいいと思います。
声に出して読ませることについては、
「大きな数」は声を出して読ませる ~十の位から千億の位まで【教材】 | EDUPEDIA
をご参照ください。
声を出させるために提示するエクセルで2桁(十)~16桁(千兆)をランダム表示できるファイルをご提供します。下↓↓↓よりダウンロードしてください。
大きな数 ランダム表示 2桁(十)~16桁(千兆).xlsm
3 教材を充実させる
とはいうものの、徒手空拳で何度も「4桁、4桁」と言っていても子どもはついてきません。それなりの工夫はいると思います。少なくとも、大きな数 ランダム表示 2桁(十)~16桁(千兆).xlsmを使ってディスプレイに4桁区切りの掲示をしましょう。できれば各桁の色を教科書に合わせて変えてください。
しっかり読めるようにしてから、下記のzipファイルにまとめられたミニプリントをやらせてください。「漢字→数字」「数字→漢字」の変換を練習するプリントです。2年から4年までの内容を、丁寧にスモールステップで作っています。問題数が少ないのですぐに教師側が丸付けをしてあげられると思います。じっくり取り組んで積み上げていけば、少ない苦労で大きな数を理解し、習熟できると思います。
「絶対に問題の数字を赤で4つに区切ります」
「絶対に万・億・兆に赤丸をつけなさい」
と指示しましょう。指示に従っていなければ、突き返せばよいと思います。一気にやらせずに1枚ずつ、できたら持ってこさせて教師が丸つけをしましょう。この丸つけには時間がかかりますので、教師一人で無理ならば、正確に作業ができる子ども(最初に全問正解した子供)にミニ先生になってもらいましょう。子ども達の正答率はかなりアップします。
コメント
コメント一覧 (3件)
なぜ「カンマ」なのでしょうか。大きな数の把握においての4桁区切りの意義は理解できます。しかし国際的には3桁区切りであり、日本でも社会に出れば3桁のカンマ区切りが常識です。4桁区切りをするなら間に線をひくとかで良いのでは? なぜわざわざカンマを徹底させるのでしょうか。将来の禍根になるし、まったく賛同できません。
NSASさん、
縦棒で区切らせると、「1」に見えて、混乱する子供がいるので、線で区切るのはお勧めできません。長い縦棒を引きなさいと言っても、何故か、短くなります。
4つずつ、楕円で区切らせるのもいいかもしれないですね。
本日四年生の息子にこの単元の復習プリントをさせていたところ、間違えがかなり多く(1発正解はほぼない状態)私も上手く教えることができなかったのですが、こちらのサイトを見て大変わかりやすく教え方がわかりました。
明日さっそくこの方法で息子と再チャレンジしようと思います。
大変助かりました。