算数用語を正しく使おう(間嶋哲先生)

はじめに

 
指導案などを作成するうえでは、算数用語を使い分けることが大切です。
 
このページでは、間嶋哲先生のまとめた、わかりづらい算数用語の使い分けを紹介します。
出典: http://p.tl/_FcM-

算数的活動とは?

ア「小学校学習指導要領解説 算数編」から 

 
児童が、<span style=’font-weight:bold;’>目的意識をもって取り組む算数にかかわりのある様々な活動</span>を意味しており、作業的・体験的な活動など手や身体を使った外的な活動を主とするものがある。
 
また,活動の意味を広くとらえれば、思考活動などの内的な活動を主とするものがある。                     

イ中原忠男氏(「新しい算数研究」№343,p7)

 
8つの活動の例示(解説書より)と活用場面例。

  • 外的活動

  作業的な算数的活動→導入場面
  体験的な算数的活動→導入場面
  調査的な算数的活動→導入場面
  具体物を用いた算数的活動→解決場面
* 内的活動
  探求的な算数的活動→解決場面
  発展的な算数的活動→発展場面
  応用的な算数的活動→発展場面
  総合的な算数的活動→発展場面 

包含関係は 具体的な操作⊂算数的活動⊂算数の学習活動

 
平成12年度,ASG(新潟算数教育研究会)の夏期セミナーで,片桐重男氏は,算数的活動ではない算数の学習はあるのかという点について,次のように述べた。

「例えば,何の算数的な思考活動も伴わないようなパズル…これは算数的活動とは言えない。」

間嶋先生は、片桐氏は,内的活動こそ重視されており,そのための外的活動であるととらえている。だからこそ,かつて見られた「ただ面白いキャラクターがストーリーを作っていくようなゲーム的な活動」は算数的活動ではないと考える。

算数のよさを○○する

 
○○の部分は,味わう,分かる,気付くという言葉が入ることが多い。それらの違いは何だろうか。
 
明治図書の「算数教育№456 p78」で,伊藤説朗氏は,3つの水準として次のような順序で考えている。        

気付く(become aware of) → 分かる(have sense) → 味わう(appreciate)

÷**と,(分数の)括線の書き順(基礎・基本!)
 よく間違える書き順を掲載します。私の学校でも研究授業などで指摘されるクラスがあります。本来は,それが登場してきたときに,しっかりと指導したいものです。

÷ → ① −  ② 上の・  ③ 下の・
 
2/3 → ① /  ② 3   ③ 2

% → ① 左上の。 ② 斜め線  ③ 右下の。

数学的な考え方

 
「新しい算数研究№370,p26」で,片桐重男氏は,次のように述べている。

例えば,4年「変わり方調べ」のある指導案で,次のように目標をあげている。

  • 「関心・意欲・態度」 → きまりが成り立つわけを考えようとする。
  • 「数学的な考え方」 → きまりの成り立つわけを考え,説明することができる。

@<u>{これでは,意欲・態度と数学的な考え方が「しようとする」ということと,「できる」という点が違うだけである。
しかも,これでは「わけを説明しなさい」と示唆されて,説明できたというときも「数学的な考え方ができた」ということになる。しかし,これは「数学的な考え方」ではない。そのまま説明する技能があったということである。
数学的な考え方というのは,「わけをきちんと説明しよう」といった積極的な態度や習慣である。だから,ここでの意欲・態度に挙げていることが数学的な考え方である。}

この文章は,衝撃的である。数学的な考え方の記述には,態度が含まれるとしているのだ。「考え方」の目標なのに,「意欲」だけでいいのだろうか。下にある参考欄の「数学的な態度」を読めば読むほど,片手落ちではないかと考えるようになった。

この文章の後には、著書『数学的な考え方・態度とその指導』でも触れられていることが述べられている。

参考

数学的な考え方…原動力は数学的な態度

①自ら進んで自己の問題や目的・内容を明確に把握しようとする。
  ア 疑問をもとうとする。
  イ 問題意識をもとうとする。
  ウ 事象の中から数学的な問題を見つけようとする。

②筋道の立った行動をしようとする。
  ア 目的に立った行動をしようとする。
  イ 見通しを立てようとする。
  ウ 使える資料や既習事項,仮定に基づいて考えようとする。

③内容を簡潔明確に表現しようとする。
  ア 問題や結果を簡潔明確に記録したり,伝えたりしようとする。
  イ 分類整理して表そうとする。

④よりよいものを求めようとする。
  ア 思考を対象的(具体的)思考から,操作的(抽象的)思考に高めようとする。
  イ 自他の思考とその結果を評価し,洗練しようとする。 

数学の方法に関係した数学的な考え方

①帰納的な考え方

②類推的な考え方

③演繹的な考え方

④統合的な考え方

⑤発展的な考え方

⑥抽象化の考え方

⑦単純化の考え方

⑧一般化の考え方

⑨特殊化の考え方

⑩記号化の考え方

数学の内容に関係した数学的な考え方

①単位の考え

②表現の考え

③操作の考え

④アルゴリズムの考え

⑤概括的把握の考え

⑥基本的性質の考え

⑦関数的な考え

⑧式についての考え

編集後記

 
なあなあにされがちな算数用語について、詳しく、かつわかりやすくまとまっています。包括関係などわかりづらいものがまとまっているので、指導案を作成する際などにぜひ参考にしてみてください。
(EDUPEDIA編集部 高橋遼)

実践者プロフィール

間嶋 哲(Mazima Akira)
 1965年、新潟県に生まれる。新潟大学教育学部を卒業。
 新潟県内の小学校で活躍後、文部科学省での1年間の研修を経て、現在、新潟市教育委員会学校支援指導主事。算数授業ICT研究会理事。全国算数授業研究会総務幹事
 趣味は、海外旅行・外国語会話・スキー・ギター(フォークとクラシック)・読書・園芸・熱帯魚飼育など、多岐に渡る。
 大学の卒業旅行を機に、旅行・外国語にはまり、旅行記を一冊出版したほどのエピソードを持つ。

●HP
間嶋哲のHPへようこそ… http://bit.ly/LzzKmJ

24

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA