1.1 はじめに
本記事は、建物の総合安全性と快適な居住空間をテーマに研究をしている日本女子大学石川孝重研究室によって執筆されました。「総合的な学習の時間」で行う防災教育として、特に小学校高学年生を対象とした実践を紹介しています。
下記のURLから基の実践をDLし、教材として使用することができます。
https://mcm-www.jwu.ac.jp/~jyu-ishi/isikawa/bosai_sogo/index.htm
1.2 学習のねらい
防災マップを作成し、街中の危険な箇所や防災体制を学ぶ。また児童の自主性に従いマップを作ることで、防災知識を学ぶ意欲を高める。
1.3 児童の思考
街がどのように防災に努めているかがわかった。自分たちが防災について知識をつけなければ危ないことがわかった。
1.4 学習のながれ
※まち歩きの際に同行していただく教師、または保護者の方などに依頼してください。
1.5 必要なもの
地図、カメラ、メモ帳、筆記用具、模造紙、マジックなど。
1.6 学習内容の詳細
★事前準備
- 学区域を3~4つに分けた地図を用意する。
- 学区域ごとに同行する人を割り振る。
導入
(1)本日の学習について知る(10分)
街中を歩いて、地震の際に危険になる箇所や、防災に役立つ設備を探し、地震が起きたときにどのようなものに気をつけながら行動すればいいかを学ぶ。
展開
(2)まち歩き(45分)
地図を見ながら、児童の自主性を重視して街を歩く。班ごとに災害時に危険な箇所、災害時に役立つ設備を見つけ、メモをとったり、カメラで撮影したりする。
(3)防災マップ作り(50分)
チームごとに、調べてきたことを地図にまとめる。模造紙に大きく書いて発表しやすいかたちにする。チームごとで作った地図は後で合わせるので、合わせやすいかたちにしておく。カメラで撮影した写真は、次回の授業までに現像しておく。
※児童が地図を書くことが難しい場合は、あらかじめ地図のコピーなどを用意しておく。
(4)発表(20分)
○防災マップを合わせる。
○チームごとに発表を行う。
チームごとにまちあるきの中で見つけたもの、気づいたことなどを発表する。
まとめ
(5)本学習のまとめ(15分)
感じたことや学んだこと、また改善すべき点などを、振り返りカードに記入する。
▽ダウンロードはこちらから
1.7 学習指導案
1.8 ワークブック
児童に配布し、授業の展開を補足するためにお使いください。
▽ダウンロードはこちらから
https://mcm-www.jwu.ac.jp/~jyu-ishi/isikawa/bosai_sogo/index.htm
1.9 編集後記
児童にとって身近な街の防災マップを実際にまちあるきをしながら作っていくところが魅力的です。この実践を通して、より防災への関心が高まるのではないかと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐藤睦)
1.10 協力団体紹介
日本女子大学家政学部住居学科 石川孝重研究室
建築物の構造安全や防災、住教育を専門とする石川孝重教授の下、建物の総合安全性と快適な居住空間の確立をテーマに、建築物の設計や性能、安全性、防災のほか、建築法規、建築物の維持管理まで、多岐にわたる研究を行っている。
また、研究成果の情報発信や防災教育の普及にも取り組んでいる。
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一般社団法人日本損害保険協会では、防災教育の一環として、子どもたちが楽しみながらまちを探検し、防災、防犯、交通安全施設・設備を発見してアップにまとめる、実践的な安全教育プログラム「ぼうさい探検隊」の普及推進に努めております。石川先生のプログラムは、私どもの事業活動と一致するもので敬服しております。当協会の事業もぜひご参照ください。http://www.sonpo.or.jp/protection/bousai/bousai_sp/