緊急地震速報についての学習(日本女子大学 石川孝重研究室)

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目次

1 はじめに

本記事は、建物の総合安全性と快適な居住空間をテーマに研究をしている日本女子大学石川孝重研究室によって執筆されました。「総合的な学習の時間」で行う防災教育として、特に小学校高学年生を対象とした実践を紹介しています。

下記のURLから基の実践をDLし、教材として使用することができます。

http://p.tl/0fdM

2 学習のねらい

緊急地震速報の意味と仕組みを知り、緊急地震速報が放送された際に適切な行動がとれること。

3 児童の思考

緊急地震速報の意味がわかった。緊急地震速報が放送されたら、自分で考えて行動できる。

4 学習のながれ(7/16時間)

5 学習内容の詳細

導入

(1)本日の学習について知る(5分)

緊急地震速報の意味や仕組みについて学び、実際に放送された際に適切な対応がとれるようになること。

○緊急地震速報の意味

大地震発生の数秒前に、地震が発生しますと警戒するための放送であることを、上のイラストを見ながら教える。時間は明確ではないが、「もしもあと5秒で地震がくるとしたらどうする?」など質問を児童に投げかけて関心を持たせる。

展開

(2)緊急地震速報の仕組み(15分)

○緊急地震速報の仕組みについての説明をする。

上のイラストを見ながら、遠くで地震があったから、近いうちにこちらにも地震の波がくるだろうということを予測して、放送が流れる仕組みであることを説明する。

○緊急地震速報の仕組みを覚えようゲーム
一番後ろから真ん中の席までの生徒は地震役、真ん中から前の席の児童は住民役、左側 の縦一列の児童を気象庁の情報伝達役とする。クラスの後ろの方の児童たちに机をがたがたと揺らしてもらう。そして情報伝達役の一番後ろの児童から「地震がくるぞ」と伝言ゲームのように、前の席の児童に伝言を回す。そして一番前の席の情報伝達役の児童がその声を聞いて他の児童たちに「地震がくるから警戒しよう」と叫んでもらい、住民役の児童は机の下に隠れる。その間地震役の児童は一番後ろから一列ずつ、3秒を口で数えたら次の席の児童が机を揺らしていく。地震役の揺れが、住民役の席に到達する前に情報伝達役が伝達を回しきり、住民役が机の下に隠れられたら、児童たちは地震発生前に身を守れたとする。

(3)緊急地震速報が流れたら何ができるかな?(20分)

上のイラストを見ながら、各状況の場合にどのような行動をとればいいのかを班に分かれて考えさせる。各班に5つの状況を割り振り、話し合って行動を考えさえる。その後発表を行い、児童全体で共有する。必要であれば、適宜補足説明を行う。

◆押さえておきたいポイント

<授業中のとき>

机の下に隠れる。頭をかかえる。

<街中を歩いているとき>

ブロック壁、看板、自動販売機から離れて、頭を抱えてしゃがむ。

<スーパーで買い物をしているとき>

商品が倒れてきそうな棚から離れ、頭を抱えてしゃがむ。出口に殺到しないこと。

<家にいるとき>

倒れてきそうな家具から離れ、しっかりとした机の下に隠れる。火の元や、ドアなど近ければ開けるが、遠ければ無理をせず机に逃げ込む。

<エレベーターの中にいるとき >

全階のボタンを押して、最寄りの階に下りる。

まとめ

(4)本学習のまとめ(5分)

○緊急地震速報について、家族にも伝えていくことを教える。
○日々の防災の大切さを伝える。

速報が流れたときの対応も大事だが、速報が流れないこともある。たとえば震源地が真下であるならば速報は流れない。そのため日ごろからの防災が大切であることも伝える。

※児童に速報が流れたときの対応のとり方の俳句を作らせ、児童にとっさの対応の仕方を覚えさせるといった工夫を行うと、児童が関心を持って学べてよい。
例:エレベーター すぐに押せ押せ 全部の階

6 学習指導案

7 ワークブック

児童に配布し、授業の展開を補足するためにお使いください。

この実践はP17〜19に対応しています。

▽ダウンロードはこちらから

http://p.tl/ag-v

8 編集後記

緊急地震速報は、2007年10月1日から始まったものです。今や多くの人がこの存在自体は知っていますが、その意味や仕組みは大人でも曖昧な部分があるかと思います。適切に情報を受け取るためにも、「緊急地震速報」について改めて学ぶことが大切です。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 齋藤千秋)

9 協力団体紹介

日本女子大学家政学部住居学科 石川孝重研究室
建築物の構造安全や防災、住教育を専門とする石川孝重教授の下、建物の総合安全性と快適な居住空間の確立をテーマに、建築物の設計や性能、安全性、防災のほか、建築法規、建築物の維持管理まで、多岐にわたる研究を行っている。
また、研究成果の情報発信や防災教育の普及にも取り組んでいる。
●今回ご紹介した内容はこちらをご参照ください
http://p.tl/0fdM
●石川孝重研究室に関する情報はこちらをご覧ください
http://p.tl/xLH2

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