教科書をちゃんと読めたかクイズ

1 教科書をちゃんと読めたかクイズ

教科 国語

学年 小学1年生

単元 『はがぬけたらどうするの』東京書籍

国語の単元のまとめに、ちょっとゲームのような授業を行いました。
題して「教科書をちゃんと読めたかクイズ」。
この実践は、2013年3月24日の朝日新聞「教育あしたへ 先生の挑戦」
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201303230526.html
の記事内で紹介されたものです。
実際の記事では一部だけだったので、ここに授業全体を紹介します。
(無料会員登録をしていただければ全文をご覧になれます)

■授業の前提 グループづくり

授業の前提として、こどもたちはすでに4人グループの席を作ってあり、それぞれに1番から4番までの番号が割り振られています。
こうしておくと、「1番さん、プリント取りに来て」「3番さん、みんなのノートを集めて持ってきて」など、普段の授業や生活面でも活用できます。なんといっても全員に役割が振られるので、張り切って動いてくれます。

■ゲームを始める前に

「今日は、授業のまとめとしてみんなでゲームをしたいと思います。その名も、教科書をちゃんと読めたかクイズ!」
教室は大盛り上がり。ザワザワが続きます。
「先生が、教科書に書いてあることを問題として出しますから、グループのみんなで力を合わせて解いてもらいます」

「でも、その前にグループで決めてもらいたいことがあります。それは正解したときにやるキメポーズです」
たとえば、ということでガッツポーズやらハイタッチなどを紹介しながら、ここで時間をかけないように促します。そのため、全員を立たせて、小さな声で相談させ、グループのキメポーズが決まったら着席するようにします。
この方法だと、どのグループがまだ決まっていないのかが把握ができると同時に、グループの相談も早く終わります。

「それではみんなで一回キメポーズの練習をしてみましょう。せーの!イェ〜イ!」

■ゲームのルール

ここでゲームのルール説明を行いました。具体的に書くと以下の6つのステップです。

1.教師が問題を出す

2.一人で答えを考える

3.全員が起立し、グループ内で答えを確認する

4.グループ内での答えがまとまったら着席する

5.教師がルーレットで代表者を選び、教師に答えを伝えに行く

6.正解をもらった代表者はグループに戻り、キメポーズでたたえあう

■ゲームのスタート

「さて、それでは、第1問。教科書には、どんな国のことが書かれていたでしょうか。出てきた国の名前全部をノートに書いてください」
こどもたちは、まずは一人で静かに考えて教科書のページをめくりながら、本文に出てきた国の名前をノートに書いていきます。

「それでは、全員立ってください。グループでみんなの答えを確かめて、これで大丈夫と思ったら静かに座ってください。ほかのグループに聞こえないようにひそひそ声だよ」

全員が起立し、ひそひそ声でノートを見せ合い、つぎつぎと座り始めていきます。中には「だめだよ、となりに聞こえちゃうよ」と声の大きさを注意し合うグループもありました。

■ルーレット 代表えらび

全員が着席したことを確認して
「今から、先生がテレビの画面でルーレットを回します。針の止まった番号の人がグループの代表になって、先生に答えを伝えに来てください」
iPhoneのアプリケーション"Selector Spinners"(1〜4までの数字のついたルーレット)をテレビに映し、ちょっともったいぶって
「では、ルーレット行きます!3、2、1…えいっ!」
教室は大盛り上がりで、あちこちから「キャー」とか「いいなぁ!」という声が聞こえてきます。

「では、2番ということなので、2番の人は先生のところに自分のノートを持ってきて、このメガホンでこっそり先生に伝えてください」
メガホンはよくクイズやバラエティ番組などで使われていて、声が外に漏れないための小道具として使いました。手を口に当ててのひそひそ声もいいのですが、こっちの方が盛り上がります。

ここで、正解の場合と不正解の場合の動きについて説明します。
「もし先生が正解って言ったら、グループに戻って、れいのキメポーズでみんなで盛り上がってください」
「もし先生が、もう一回!と言ったら、グループに戻ってまた相談して、また同じ2番さんが先生のところに答えを伝えに来てください」

そして、ルーレットで選ばれた各グループの2番さんが教師の前にならび、メガホンごしに小声で答えを言い、教師は正解か不正解かをメガホンごしに伝えていきます。

教師の前に、走って並ぶかと思っていましたが、意外にも慎重にグループで答えの確認をしてから来るので、うまい具合にばらけて並びました。

そのうちに、代表が「正解」の返事を持ち帰ったグループから次々と「イエ〜イ!」というキメポーズの声が教室に響き渡りました。

このような感じで第二問、三問と進めていきました。

■実際の全問題

実際の問題と答えは次の通りです。

1.どんな国のことが書かれていたでしょうか。全部の国の名前を言ってください。(着席したらノートに書く)
→韓国、中国、イギリス、メキシコ、レバノン、ボツワナ、リビア(7つ)

2.「エル・ラトン」という名前が出てきますが、それはなんでしょうか。教科書に書かれいる通りに説明してください。(着席したらノートに書く)
→まほうのくにのねずみ

3.韓国という国では、何と言ってぬけた歯を屋根の上になげるでしょうか。そのことばを、教科書に書かれている通りに言ってください。(着席したらノートに書く)
→「からす、からす。ふるい歯をあげるから、あたらしい歯をもってこい。」

4.ぬけた歯を、まくらの下のおく国はここに書かれている7つの国のうち、一つだけです。さて、どの国かを言ってください。(着席したらノートに書く)
→イギリス

5.お月さまに、向かって言う国はどの国でしょうか。その国の名前を言いましょう。(着席したらノートに書く)
→ボツワナ

6.レバノンのところを間違えずに読みましょう。
→海か野原に、ぬけた歯を投げてから、こう言うんだよ。「お日さま、お日さま。ねずみの歯をあげるから、金の歯をくださいな。」

7.日本では上の歯が抜けるとえんの下に、下の歯がぬけると屋根の上に抜けた歯を投げることがあります。どんな歯が生えてほしいと願ってそうするのですか。(着席したらノートに書く)
→じょうぶなおとなの歯が生えてほしい

単元のまとめとしての「教科書をちゃんと読めているかゲーム」なので、要は自分の記憶とかではなく、ちゃんと教科書の主要部分を探し、読み直し、書くという作業までができる問題づくりをすれば、どんな教材にも使えると思います。

■ふり返り

最後に、1問目からの問題を言って、みんなで答えを言うという形で全体をふり返り、まとめとしました。

■さいごに

この授業の元になっているのは、「協同学習」と呼ばれているものです。特に、今回の「教科書をちゃんと読めているかゲーム」はケーガン(Spencer Kagan)の「代表がんばれ」(Number Heads Together)という手法(ケーガンはストラクチャと呼んでいます)をベースにしてつくったものです。
グループでの活動は、どうしても格差が生じやすいのですが、このような手法をとると、グループ全員が教え、学び合い、協力体制が生まれてきます。

授業の中で使用したiPhoneのアプリケーション"Selector Spinners" もケーガンが発案したものです。とても便利なのでぜひ使ってみてください。もちろん違う方法でもかまいませんが、すべて教師が決めてしまうというのはおもしろくありません。
実際には今回の授業は6問目までで時間が来てしまいました。そのときにたまたまルーレットが3回同じ番号を指してしまったので、教師の裁量でまだ一度も当たっていない番号の人に振るということをしました。

今回iPhone(iPad)を教室のテレビに映すために、教室ではApple TV という機材のAirPlay という機能を使用しています。この機材をテレビ側に接続しておくと、iPhone(iPad)はケーブルの接続なしに、教室のどこからでも、画面をテレビに映すことができます(ただし、Wi-Fi環境が必要です)。

メガホンは教室の小道具としていろいろな場面で盛り上がるのでおすすめです。100円ショップでいろいろな色のものが購入できます。

■資料

・Selector Spinners ルーレットのアプリケーション

App Store 検索してみてください
2013年7月現在 250円
iPhoneとiPadのどちらでも使えるユニバーサルアプリケーションです

・Apple TV iPhone(iPad)の画面を教室のテレビに映す機材

2013年7月現在 10,400円(別途HDMIケーブルが必要です)
http://www.apple.com/jp/appletv/airplay/

・協同学習について

JASCE 日本協同学習学会 
http://www.jasce.jp

・ケーガンストラクチャについて

Kagan Publishing & Professional Development
http://www.kaganonline.com

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田村一秋

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