よのなか科~政治・法律編~「少年法を考える(その1)」(藤原和博氏)

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目次

1 はじめに

この記事は、藤原和博氏の「よのなか科」の実践の紹介です。
以下のホームページをもとに作成しています。

  • 「藤原和博のよのなかnet」内にある「よのなか科ワークシート」

http://www.yononaka.net/

  • 「全国[よのなか]科ネットワーク」内にある「WEB研修用ビデオ」

http://www.yononaka-net.com/mypage/top/index.php

2 よのなか科とは

元東京都杉並区立和田中学校校長の藤原和博氏が提唱している「学校で教えられる知識と実際の世の中との架け橋になる授業」のこと。 教科書を使った受身の授業とは異なり、自分の身近な視点から世界の仕組み、世の中の仕組みなど、 大人でも簡単に答えを出せないテーマ(「ハンバーガー1個から世界が見える」、「模擬子ども区議会」、 「少年法の審判廷ロールプレイング」など経済・政治・現代社会の諸問題)を扱う。授業の特徴として藤原氏は以下の特徴を挙げている。

  1. ロールプレイやシミュレーションなどゲーム的手法によって子ども達の主体的な学びを創造する。
  2. 大人も授業に参加することで、ともに学び合う力を付ける。
  3. カリキュラムの目的に沿ったゲストを迎え、生徒の思考回路を刺激し、ときに通常の授業では得られない種類の知的な感動を与える。

(全国[よのなか科]ネットワークより
http://www.yononaka-net.com/mypage/network/index.php

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4 実践内容「少年法を考える(その1)」~イギリス・バルガー事件~

よのなかワークシート「少年法を考える(その1)」

ワークシートの流れ(よのなか科ワークシートより抜粋)

①事件の概要

②検察官と弁護人の訴え

  1. 検察官ヘンリケスの最終弁論
  2. 弁護人ターナーの抗弁

③陪審員のあなたの判断は?

  1. 被告人(10歳のふたりの少年)はジェームズちゃん殺害において役割を果たしたか?
  2. 被告人は、殺害時に自分の取っている行動が非常に悪いことだと判断できたか?
  3. ジェームズちゃんが線路上で暴行を受けたとき、被告人はジェームズちゃんを死亡させる意図があったか?

④少年の罪を決めよう。

⑤今日の授業の感想などを書いてみよう。

ワークシート

ワークシートPDF

ワークシート「少年法を考える(その1)」のダウンロードはこちらからどうぞ。
http://www.yononaka.net/worksheet/worksheet02/yononaka_politics_08.pdf

授業ビデオ「少年法を考える(その1)」

藤原和博先生の本実践の授業の様子です。
5分47秒の短い動画ですが、とても分かりやすい授業のビデオです。
実際にイギリスで起きたバルガー事件(ビデオ内で説明あり)について、自分だったらどう少年を裁くかをイメージしながら考えていきます。善悪の判断におけるイギリスと日本の法律が適用される年齢の違いも興味深いです。

ポイント

  • バルガー事件を素材に自分だったらどう裁くか考える

ビデオURL

実践のビデオはこちらからどうぞ。
http://www.yononaka-net.com/mypage/model/movie.php?file=y14&no=14

ビデオイメージ

5 実践者プロフィール

 藤原和博氏 教育改革実践家

1955年生まれ。78年東京大学経済学部卒業後リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。93年からヨーロッパ駐在、96年から同社フェロー。03年4月から杉並区立和田中学校校長に、都内では義務教育初の民間人校長として就任。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙に四冠に。「私立を超えた公立校」を標榜して「45分週32コマ授業」を実践。「地域本部」という保護者と地域ボランティアによる学校支援組織を学内に立ち上げ、英検協会と提携した「英語アドベンチャーコース」や進学塾と連携した夜間塾「夜スペ」に取り組み話題に。

6 編集後記

日本でも平成21年から裁判員制度が始まりました。誰もが人を裁くことになる可能性がある中で、このような授業を経験することは非常に重要なことだと思います。人を裁くことは簡単なことではありません。特に今回のように少年法なども考える場合は、ビデオに出てきた生徒も言っていたように、判決を出すのはより難しくなると思います。しかし、このような難しい問題を難しいからと言って放棄するのではなく、自分の意見として「考える」ことで、人権や法、善悪ということをより現実的に捉えることができるようになるのではないでしょうか。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 宇野元気)

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