「授業入門」 斎藤 喜博(著)◆ 書籍紹介

1 授業入門 斎藤 喜博(国土社)

名著の復刻

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団塊世代の教師には斎藤氏の影響を受けた人は少なくないと思います。法則化の向山洋一氏の数ある著書の中で、一番初めに出版された本の題が「斎藤喜博を追って」だそうです(現在は改題されて「教師修業十年」として出版中)。教育界に多大な影響を与えた斎藤氏の著書も、今や小さい書店の教育書コーナーでは見当たらない事も多くなってしまっています。斎藤氏が亡くなられて約30年が過ぎており(2010年現在)、著書は出版年が古いため、比較的大きな市の図書館でも書架には並んでおらず、書庫に所蔵されているというのが現状です。図書館も、予算が厳しいとは思いますが、こういった本は復刻版が発行されたら購入して、目につくところに置くように頑張ってほしいです。

この本も1960年に初版が出たものを国土社が復刻したものであり、2006年が1刷発行となっています。昔に書かれた本であるだけに、書かれている具体的な部分の内容は、古いと感じられることでしょう。ある面、昭和30年代の学校の様子を知る資料としての価値があると言えるかもしれません。いずれにせよ、教師としての不易な物の考え方を教えてくれる斎藤氏の真摯なメッセージは50年(半世紀!)を経た今でも色あせることはありません。
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現場主義

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のっけから「校長が悪いからとか、仲間が悪いからとか、設備がないとか、学級定員が多すぎるからとか、子供が悪いとか、そういった言葉を教師は今、禁句にする必要がある。」と、教師にとって耳が痛い、いや、胸が痛むお言葉。多くの現場を回り、多くの実践を続けてこられた現場主義である斎藤氏のお言葉であるからこそ、重みがあります。

斎藤氏は非常に生々しい授業実践の様子を具体例として、教師にとって、授業にとって大切なものは何であるかという事を本書の中で次々に問いかけています。「なぜテストをするのか」「授業は真剣勝負である」「ごみが見えない教師は落第だ」「学校集団は一つの人格である」「だれのための教育か」等、目次を見ているだけでも背筋を伸ばさずにはいられない、教師のバイブルのような内容です。

ちなみに国土社は多くの斎藤氏の著書を発行してきており、この本は「人と教育双書」シリーズとして斎藤氏や大村はま氏の名著を近年になって復刻したものの1冊です。合わせて5冊が出版されています。

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