「わかりあう」話し合い(共感型)の授業スタイル(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

これまでの話し合いの授業

これまでは二者択一の討論ばかりを追究してきました。子どもが本気になって考える場合があるからです。しかし、授業を通して「わかりあう」ことも大事だな、と思うようになりました。実践を始めていますが、これはこれで手応えがあります。次のような手順で進めています。

「わかりあう」話し合いの授業スタイル

1. 「なぜ、どうして」という発問をする。

例) なぜおとうさんは、めちゃくちゃに高い高いをするのだろうか?(一つの花より)

2. 自分の考えを書き、意見を出す。

3. 考えを分類する。
 
例) A:ゆみ子を喜ばせたいから   B:かわいそうだから
  C:不安、心配だから      D:大きく育ってほしいから

4. 同じグループ同士で話し合って、考えをパワーアップさせる

5. 一斉学習でお互いの考えを述べ合う

6. 個々に自由交流をして、立場の違ったものの考えを聞き合う。

7. 他の意見を聞いて「いいな」「なるほどな」と思ったことを紹介し合う。

例) ボクはAなんだけれど、〇さんの考えを聞いてBもそうだな、と思いました。

特に7の場面がいいです。全員で丸くなって集まってぼくが私が、と自説を主張し合うのではなく、〇さんがよかった△さんがよかったと、他の子をほめ合う。いつ自分の名前が出てくるかわからないちょっとしたドキドキ感もあり話し合いの雰囲気がとても柔らかいです

対決ばかりではなく、こうした授業もこれからは取り入れていこうと感じました。認め合う、話し合いって結構いい感じですね。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

子どもたち同士で話し合うという機会は、自分の意見を話せるようになるという点で非常に大切です。その際にどんな討論方法をつかうかによって、討論という場で人の意見をどう受け止めるようになるかが変わってくると思います。

討論が白熱してくると、相手の意見をふまえた上で自分の意見を言うのではなく、相手の悪いと思ったところを指摘し合うだけのものになっていってしまうことがあります。そこで人の良いと感じたところを見つけ発信し合うという授業スタイルをとることで、相手の意見と自分の意見をおりまぜて話し合えるようになるのではと感じました。

(編集・文責:EDUPEDIA編集部 澁川万結子)

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