1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
■前期の取り組み
A 授業の中でのよいあらわれ(話し方、聞き方)を短冊に書き、教室前面に掲示する。
B 話し合いの場面であることを意識させるために、隊形を中心に向けた円型に変える。
C 自由発言ができるようにスモールステップを踏んでいく。
竹の子読み→指名なし音読→列指名発言→自由発言
D 子どもにとって切実性のある問題(体力アップコンテストの種目、いちょう班リレーのルール、修学旅行の宿泊はホテルか旅館かなど)を議題にする。学級活動で鍛える。
E 話し合いの型を教える。(1) 机を動かし話し合いの隊形になる (2) 自分たちで進
める (3) 発言が止まったとき教師がすぐにしゃべらない (4) 作戦タイム
F 誰もが授業に参加できるように発問の工夫をする。一つは二者択一型の発問。
もう一つは、正解がなく考えを深めていく発問。
G 「発表の前につけてみよう」:発言のときのキーワードを透明シートの下に敷く。
H 「聞く話す力達成率」:聞く力・話す力がどのくらい育ったか振り返らせる。
■後期の取り組み
I 影響をうけた友達の発表を紹介し合う。
1.授業後、メモ用紙に誰の発表が気になったか(影響を受けたか)書く。
話し方、聞き方、ノートのまとめかたなどについて。
2.座席表などに記入し印刷して配る。記入者がいない場合は教師が見つけて書く。
3.一覧表を見て、友達のよいところを参考に次の発表に生かす。
J 自分の出番を見つける。一斉学習の中で自分はどの部分で活きるのか意識させる。
・「半分はカンなんだけど…」と第一発言者になる
・「○○さんの意見は良いと思います」と第二発言をする
・「わからないのでもう少し詳しく説明して下さい」とたずねる
・「私がかわりに説明します」と助ける
・辞書を引いて、言葉の意味を調べる
・友達の意見を黒板に書いていく
・授業のまとめをする
・「ここのところが分からないのだけど」と新しい問題を出す
■過去の取り組み
K 「授業」についての授業。どんな授業をしていきたいのか教師と子どもで話し合う。
どんな授業をしたいのか、発表はどうしたいか、学習問題はどうしたいか?等。
L 話し合いの様子をビデオで撮影し定期的に見せる。
M 毎月1回「授業のときにどんなプロになりたいか」というめあてを立て、背面黒板に書く。翌月、前月のめあてはどのくらい達成きたかふりかえり、%と理由を書く。
■討論のための具体的手だて
・メインの話し合いの前には、考えをノートに書かせる。
・「自信のない子からどうぞ」と自由発言。
・発表回数の少ない子に譲りましょう、とよく発言する子は後にしてもらう。
・ネームプレートで、最初の意見分布をとる。発言したら意見の変更を認める。
・「教室はまちがうところだから『そうか』と思ったら最初の考えを変えていいんだよ。」
・(子どもは最初の考えに固執するので)「意見を変えられる人は、話をよく聞き考えている人だ。」
・鉛筆や消しゴムをしまってから話し合いを始める。メモは取らない。
・一番話を聞いてほしい人の方を向こう。
・ノートに考えを書かせて、教師に持ってこさせる。代表的な意見を板書させていく
・まず、黒板に書いたことを一通り言わせて、そのあと討論に入る。
・一番おかしいと思うのはどれですか? 消去法で解に近づく。
・討論中、相手の批判に対して意見が言えなくなったら考えを変える。
・考えを変えるときには、理由を言ってから名前磁石を移動する。
・討論の論点がずれてくるので、教師は論点が今何か、時々整理する。
・発問は二者択一などなるべく分かりやすいものにする。
・一斉授業だけが話し合いではない
・友だちに「どうだった?」と相談するのも、話し合いと同じ。
→ これを「みんな聞いてください」と全体に広げていく。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」「学級開きルール&アイデア事典」
(いずれも明治図書2015/3、発売予定)
5 編集後記
この記事で紹介されている話し合いや討論活動を通じて、人の意見を聞くこと、自分の意見を言うこと・変えること、自分の役割を見つけることなど、様々な力が身につくと思います。また、子ども同士、先生を含めたクラス全体の関わりも深まっていくのではないかなと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 森七恵)
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