1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
理科で育てたヘチマが思いがけず立派に育ちました(本校のヘチマ棚は不作で有名な場所でした)。
ヘチマ棚だけでなく、いろいろな場所で育て、様々な経験をしました。教室の中でも育ててみました。ヘチマタワーも1階から4階まで届きました。
食べてみたら甘いキュウリのような味がしました。1時間の授業の間に、茎の近くに置いた棒に、つるが巻きついてきました。
ヘチマ水を作ってお母さんたちにプレゼントもしました。ヘチマのたわしもつくりました。
ふれあい祭り
40個ほどできたヘチマたわしを見ていたらひらめきました。「もうすぐふれあい祭りがあるじゃないか。」
早速、子どもたちに「ふれあい祭りがあるんだけれど、ヘチマたわしを売ってみない?」と声をかけると「やりたい、やりたい」の声。みんな大賛成。子どもはお店やさんごっこが好きですが、今度は本物のお店。反対なはずがありません。
出店の準備
ヘチマを蓮根用のビニール袋で包みました。中には名刺大のカードを入れてリボンでしばってラッピング。とても可愛くできました。カードにはヘチマのイラストが書かれていて「買ってね」と喋っています。
種も売ることにしました。子どもたちに何個づめでいくらで売るかを決めさせました。そうしたら種30個で10円で売るのだそうです。折り紙で包んでカードを添えました。「この種を大事に育てれば、あなたもお金持ちになれるかも?」と書いてあります。それは自分たちのことじゃないのかな?落ちている種を拾って「先生、お金が落ちていた」と持ってきます。昨日までは、種があっても平気のへいざだったのに、ちゃっかりしています。
一番の問題が販売価格。職員室でもいくらにするか議論が分かれ、最終的に子どもたちに決めさせました。私がヘチマを手に掲げ「はい、50円から始めます。50円いないか?100円?100円多いね。200円?はい100円」まるでセリのように、子どもたちは売れると思う価格のところで手をあげます。売値が決まると、助手の子が手早く値札をつけていきました。かなり強気の値段設定です。
「森竹先生も何かお店を出そうかな?」とつぶやくと子どもたちは「先生、先生はどうやって子どもからお金を巻き上げるの?」と言いました。はっきり言って得意分野です。客寄せに何か面白い実験のお店を開くつもりです。さあ、いったいいくら売りあげるのでしょう。みんなで計算してみると、ざっと8000円くらいのはず。子どもたちも楽しみにしているようですが、私もとっても楽しみです。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
ヘチマを使った全4回の授業、最後の締めくくりはお祭りへの出店でした。職員室も巻き込んだ実践となりましたが、子どもたちが主導で販売価格を決定するなど、子どもたちがやりがいを感じられる実践だったのではないでしょうか。
お祭り本番ではいくら売り上げたのでしょう…?気になりますね。
さて、これでヘチマの授業は終わりです。地域や家庭の方々とのつながりもあって、ヘチマ以外の他の植物などにも応用できそうな実践ですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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「育てて遊ぼうヘチマ1」~こんなところにヘチマ~(シリウス)
「育てて遊ぼうヘチマ2」~ヘチマのつるは、どっち向き?~(シリウス)
「育てて遊ぼうヘチマ3」~ヘチマ水を作ってみよう~(シリウス)(前の授業)
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 横山尚人)
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