教員のための「障害」の捉え方


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1 はじめに

あなたの何気ない一言が障害のある生徒を傷つけているかもしれません。2016年5月に障害者差別解消法が施行され、今では教育現場でも、障害のある子どもについての対応が見直されつつあります。子どもが教師に受ける影響はとても大きいものです。
 生徒が学校で過ごしやすいように配慮していく際、気をつけなければならないことを示唆しているコラムです。

※こちらの記事は、LITALICO発達ナビのホームページに掲載されている記事をピックアップし、許諾を得た上でEDUPEDIA向けに再編集して転載したものです。

元記事:障害のある息子への言葉、1番傷つくのは「障害=○○」(→検索)

2 発達障害のある子どもへの言葉、1番傷つくのは「障害=〇〇」

発達障害の子どもを持つ親がよく受ける質問

発達障害のある子どもを持つ保護者は、ときどき矢継ぎ早に、こんな質問をされることがあります。
  「テレビと発達障害との因果関係を調べている」
  「添加物がおよぼす弊害を調べている」
  「紙おむつをさせている子に発達障害が多い」
 このように、子育ての様子や子どもの小さい頃の様子を興味深く聞いてくるのです。質問してくる多くの人は、発達障害の因果関係を知りたいのだと言います。でもその調査が、発達障害のある子やその家族をどれだけ傷つけているか、想像してほしいのです。

その質問は誰のために

それを調べることで、誰が救われるのでしょうか。このような質問をされた保護者の方や当事者は深く傷つくことでしょう。障害児を減らすことが、より良い世の中をつくっていくことに繋がるのでしょうか。障害のある子も今のままで十分尊い存在ですし、発達障害児に必要なのは中途半端な原因究明よりも目の前の支援です。

「障害=不幸」ではない

障害や障害者は「減らすべきエラー」なのでしょうか。障害がなければ「おめでとう。よかったね。」と喜び、障害があるから「残念ね。障害をなくすために原因を究明しましょう。障害はないほうがいいのだから。」と考えるべきなのでしょうか。
 障害のある人に幸せな人はいないのでしょうか。どのような理由があろうと、障害者が他者から「不幸だ」と決めつけられることに、違和感を感じます。障害があってもなくても、幸せな人もいれば、辛い人もいるでしょう。障害の有無にかかわらず、社会に受け入れていくべきなのです。障害者としてみるのではなく、多様性として見てほしい。そうすれば、人と違う特性があっても、みんなが生きやすい社会になるでしょう。

誰もが輝ける未来のために

障害があってもなくても、それも含めて1人の尊い存在であるということを理解してほしいのです。
 そして安易な一言に傷つき、孤独になっていく当事者や家族がいなくなるよう祈っています。2020年、世界に胸を張ってパラリンピッックを開催できる、日本でありますように。

3 転載元プロフィール

LITALICO発達ナビ

LITALICO(りたりこ)発達ナビは、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)やアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)含む広汎性発達障害に分類される発達障害またはLDなどの学習障害、その他の発達障害が気になる子どもの親向けポータルサイトです。

※LITALICO発達ナビ(→検索)

4 編集後記

「障害」という言葉を聞くと、私たちは「治療」を考えがちですが、それがその人のアイデンティティを傷つけることになるのかもしれない。この記事を読んで、さまざまな可能性に気づきました。
 発達障害についての認識は広まってきましたが、まだ不十分といえるでしょう。この記事では心構えについてのみ言及していますが、これからもっともっと発達障害への理解が増え、一人一人が自分らしく生きることのできる社会が来るようになったらと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 岡本 笑)

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↑上記リンク先の記事では、「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げる株式会社LITALICOが主催した、教育実践フォーラム(2016年6月26日)の内容を紹介しています。

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