教採体験談インタビュー 第5弾(神奈川県・高等学校) その2


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1 はじめに

第5弾の今回は、神奈川県の教員採用試験に合格された方に、教員採用試験の対策方法やアドバイスについてお話を伺いました。

その2では、集団討論や小論文対策、模擬授業についてご紹介します。

☆その1はこちら:教採体験談インタビュー 第5弾(神奈川県・高等学校) その1

2 集団討論について

 どのような対策をしましたか?

入っていた教職サークルの人たちと週に1回ほど、テーマを決めて集団討論の練習をしました。集団討論で聞かれやすいテーマについて、毎週テーマを変えて、どう思うか、などの討論の練習をしました。このような対策は、メンバーの専門教科などを問わずに練習できるので、人を集めて練習していました。

 意識したことは何ですか?

集団討論は面接に近いと思っていて、自分が持っている知識をどれだけアウトプットできるかが大事だと考えています。その一方で、面接と違い周りの人と協調的に話し合えるかを見られます。練習の時は、自分が司会になった場合の回し方を練習したり、あまり発言していない人がいたら自分が発言した後にその人に回すように心がけたりしていました。

 本番の内容を教えてください。

私が受けた神奈川県では、集団討論と模擬授業のテーマがあらかじめ出されていて、私の時は両方アクティブラーニングについてでした。自分の考えるアクティブラーニングを取り入れた模擬授業を用意し、そのうえで集団討論でアクティブラーニングについて討論しました。集団討論はお互いに深く話し込んでいくものなので、基本的知識も含めて、準備を十分にしていくことが大切だと思います。

3 小論文対策について

 どのような対策をしましたか?

対策は大学4年生の4、5月頃に始めました。まず小論文対策の参考書を読みました。30個ほどの例題があり回答例が提示されていたので、それを参考に、書き方と内容の両方を学びながらスタートしました。次に、例文集のようなものを買って、出る内容を勉強していました。自治体によって様々だと思いますが、小論文は結構答えがあるものが多いです。例えば、いじめに対してあなたはどう指導しますか、という問いがあるとします。ここでは中央教育審議会の答申などであらかじめ定義がしっかりありますし、地域の取り組みなどもあります。ですから、まずそのような知識をつけてある程度型を覚えた上で、具体的な対策がどのようにできるかを書けるようにしました。

 特に意識したことは何ですか?

相手が見て読みやすいように書くという点で大学のレポートに近い感じで書きました。まず、内容に関する定義を書き、自分が知っていることを主張しました。次に、ベースとなる法令や学習指導要領にはこう書いてありますと明示しつつ、自分が教員になったときに行う対策に関してもしっかり挙げていくというような書き方をしました。

 時間配分や字の綺麗さについて意識したことはありますか?

教育者が書くものとして見られるため、字の綺麗さや誤字脱字はよく見られると言われていました。だから、字が合っているか不安になったら言い換えなどをして別の字で書く方が無難だと思います。
時間配分に関しては、参考書の時間配分を参考にしました。まず大枠を決めるのに15分程度の時間を割いていました。テーマに関して書く内容3、4つを順番に下書き用紙に書き、スペースとそれぞれの締め方を考えてから、大枠ができたら一気に本番を書くというようにしていました。この辺りでこの話題を締めるなど目星をつけて取り組むとよいと思います。

 本番のテーマはどのようなものでしたか?

インクルーシブ教育についてあなたはどのように対策をしますか?というテーマでした。
まず、インクルーシブ教育についての定義と、次期学習指導要領にはインクルーシブ教育についてどのように書かれているかということを書きました。加えて、自分の自治体ではこのような取り組みがなされているということや、こういう対策ができるということを書き、最後に自分はこうしますということを書きました。

4 模擬授業について

 どのような対策をしましたか?

人を集めて模擬授業会のようなものを開いて練習しました。自治体によって内容は様々ですが、私が受験した自治体ではテーマが事前に決められていたので、実際に作ったものを周りに見てもらっていました。
テーマはアクティブラーニングを取り入れた授業でしたが、扱う時代やテーマに関しては自分で決められる自由度の高いものだったので、自分が教員になったらやりたいことを盛り込んで作った方がよいと思いながら作りました。模擬授業の内容は、集団討論や面接でも心がけたところなどを説明するので、自分らしさを出した新しい授業を用意しておいたほうがよいのかなと思います。

 具体的にどのようなものを作りましたか?

日本史Bの内容で、江戸時代の交易から、昆布の流通をとおして「蝦夷と琉球の支配」を知る授業をしました。江戸時代から、琉球では昆布の消費が始まるのですが、蝦夷でしかとれない昆布がどのように流通されるのか、を考えるアクティブラーニングにしました。形態としては、ジグソー法を取り入れたものにしました。

 特にこだわった点は何ですか?

スーパーで買ってきた昆布の現物を持って行き、最初に見せました。生産地を隠して、昆布はどこで取れますかと問いかけたり、最後にはみんなで食べましょうと言ったりと、インパクトを持たせることを心がけました。ある程度インパクトを持たせた方が、面接官にも興味を持ってもらいやすいのではないかなと思ってそのようなものを用意しました。

 授業を作る上でやっておいてよかったことはありますか?

模擬授業を作る上では、突飛なことももちろんするのですが、根底には学習指導要領やしっかりとした前提知識が必要なので、色々な教科書や、参考書、テーマとなりうる書籍・論文を読んでそれらを自分の中でおさえておくようにしました。例えば、先ほどの交易の模擬授業の例でも、交易については学習指導要領にも丁寧に触れてあります。特に、蝦夷や琉球は江戸時代の支配体制によって組み込まれていくことも重要な点であるので、それらを踏まえて作るようにしました。また、高校の授業を作るにあたって、中学時代にどういうものを勉強しているかというのは結構重要だと思います。そこで、中学生が使う教科書を数冊読みました。実際に高校生に質問をするときにも、「ここは中学校で習ったはずだよ」と、聞くことがあると思います。ですので、模擬授業を作る際にも、その点を押さえるように準備しました。

 逆にこれをやっておけばよかったなというものはありますか?

模擬授業では50分授業を作っておいて、本番では最初の10分だけを発表するのですが、しっかり50分通しで練習するのも大事だったように思います。私は、最初の10分にかける、という感じで10分だけにインパクトを持たせる授業を発表したのですが、そのあとどういうふうに展開を見せるのか、自分で1回やっただけではわからないところが多かったので、全部通しでやっておくとよかったと思います。

5 その他の対策について

 教採対策としてイベントにも参加したのですか?

大学で教採の講座が開かれていたので、参加して勉強したときもありましたが、そこでは問題を解くだけの講座しか開かれていませんでした。ですので、時間的に拘束されると、効率的に勉強できないことも多くあり、問題集だけもらって帰るというようなこともしていました。
他には、先生方の教科部会や勉強会に参加して、「今度教採を受ける者なので見学させてもらってもよいですか」と頼んで、現役の教員の方々がどういう実践を行なっているか見に行ったりもしました。

 教採の勉強で対策がしやすかったものは何ですか?

一般教養、教職教養、専門教養、小論文については対策が比較的しやすかったと感じました。特に小論文はある程度知識を持っていれば書きやすくなるので、教職教養があって、専門教養があって、その上で小論文、というようなステップアップがしっかり掴めていれば、構えずに書けるようになると思います。

 逆に教採の勉強で対策がしにくかったものは何ですか?

面接や模擬授業に関しては、やはり一人できるものではなく、相手からの評価が一番だと思います。大学の先生や先輩、同期に頼んで見てもらったり、会話したりする機会を取らなければならないので、その点は大変でした。

6 最後に

 この記事を読んでくれている教採を受ける学生に向けてメッセージをお願いします。

私もそうだったのですが教採を受けるとなると、みんなが就職活動を終えていく中で自分だけ勉強しなければならなかったり、結果が10月まで出なかったりとメンタル的にすごく大変だと思います。しかし、最後まで諦めずにやるのが一番だと思います。9月あたりには、教採を受ける選択をしてよかったのかな、とか、内定を一つでももらっておくのがよいのかな、とか思うこともあります。私も3年生の夏にメディアや旅行関係の会社など色々なインターンに行って企業を見てまわったりしました。3年生の時期はたくさん迷ってよい時期だと思います。しかし、自分がやりたいと思った職業や憧れた職業があるならば、最後まで頑張ってもらいたいなと思います。
実際、教員になった今、現場に入ると、思いやりがあり、人のために働くことを楽しむ先生方が多く、人間関係に恵まれる環境だと感じました。先生になってよかったと思います。
教職を目指す方々は、ぜひ最後まであきらめずに頑張ってください。

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8 編集後記

教採で自分の考えを深めて伝えるにはまず、教育の基本的な事項をしっかりと理解することが大切だと実感しました。(編集・文責:EDUPEDIA 山浦由美)

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