1 はじめに
本記事は、2021年3月発売の『学校現場にいたから書けた教職論 教職を選ぶ、教職を歩むということ −「ブラック」で見失わない、教職という名の人生案内−』(銀河書籍)について、著者の後藤雅彦が皆さまに紹介する記事となっております。
2 書籍について
内容
現場経験を踏まえた〝教職のためのメッセージ〟です。一貫して「教員」と「教師」という言葉を、区別して書いています。『教職を選ぶ、教職を歩むということ』は、「教員」ではなく「教師」をめざし、「教師」になるための〝道のり〟のことと捉えています。それは自身のため、そしてやはり最後は子どもたちのためなのだと考えています。
類書との違い
元々教師(論)や教職(論)は、ただの理想(論)であってはならないと思います。その基(根拠)は、やはり「現場」にあり、ここに立脚しないものは、説得力を欠くと考えて来ました。このことに倣い、本書も現場経験を踏まえ、見つめ直し、改めて教職のことについて、「現場」を支える「これからの人たち」に問い掛ける内容としました。
そのため、「現場」をタテ(人生)軸に、以下のような構成で、「現場」を経験したことのない学生の皆さんにも理解していただけるようにしました。
「1 現場に立つ前に~学生のうちにこそ、再考する~⇒2 現場というところ~学校の忙しいは、どこから~⇒3 現場にふれる~大学では教えない、教育実習~⇒4 現場に入る~学校組織、仕事分担のこと~⇒5 現場に立つ~しなやかに、教師であるために~⇒6 現場を支える~教師として、身に付けたいこと~⇒7 現場で生きる~どの方向で、幸せになれるのか~」
こんな先生に読んでほしい
これから先生をめざす方、教職を迷っている場合も含め、大学生の皆さんにはまず手に取って読んでほしいと思います。また、採用1年目、1校目などの若手の先生方、もちろん、ベテランの先生方にも、自らの教職を振り返るきっかけとして、読んでいただければ、幸いです。
3 一部を紹介!
「1 現場に立つ前に~学生のうちにこそ、再考する~
(1)学生という時間、(2)なぜ、学校の先生をめざすのか、(3)教員になるか、教師になれるか、(4)自分の話し方から自覚する、(5)大学の授業とどう向き合うか、(6)教師の魅力とは何か」から一部を紹介いたします。
(3)教員になるか、教師になれるか より
「教職」に限ってここでいえることは、先生をめざす教師像に「教員」ではなく「教師」になることに、ある程度の時間が掛かり、それがまた、経験年数に比例して身に付くものでもないことを、ここで自覚すべきである。
そして、何も努力しなければ、学校の先生になっても「教員」で終わる可能性が高い。また「教師」になれたとしても、それに「あぐらをかく」と、すぐにまた「教員」に戻ってしまう。
一方、こうした現実は、何もあなたが学校現場に入ってからの問題になるのではない。ここが重要な点で、自分自身の中に、何が「教師」らしいのかという教師像の「物差し」を持って、初めて判断できることである。
特に「教師」における自分の「どんな」という点を豊かに、いまから描けるか?ということは、寧ろ、現場に入る前の「いま」(「学生の時間」)だからこそ、始めるべきである。〔本文20ページより〕
4 プロフィール
後藤 雅彦(ごとう まさひこ)
1961年生まれ。新潟県能生町(現糸魚川市)出身、1991年4月より新潟県公立学校教諭−2019年4月退職、現在は静岡福祉大学子ども学部子ども学科講師(小学校の先生をめざす学生に「社会」他を教えています)。学位・博士(教育学)。
既刊『学校現場にいたから書けた教師論 教師の一日・一年・授業・教育実習 −現場のどこを見るか、どう動くか、教師として何をめざしていくか−』(銀河書籍)
(プロフィールは2021年2月現在のものです)
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【著書紹介】『学校現場にいたから書けた教師論 教師の一日・一年・授業・教育実習』(後藤雅彦先生)
7 読者へのメッセージ
今春には「〈仮〉1年目、1校目の先生のための相談室 (筆者個人のHP/メール相談窓口)」を立ち上げる予定です。(自分なりに、自分なりの歩幅で)「教師」をめざし「教職を選び、教職を歩む」今回の著書のように、筆者は学校現場の「いま」と「これから」を支える皆様と共に歩みます。
(編集:EDUPEDIA編集部)
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