1 はじめに
本記事では、学習塾「EIMEI予備校」の塾長である二神大輝先生が生徒と行っている、楽しく英語を学べるアクティビティについて紹介します。
(教室での様子)
2 「いっぱい書きMAX」について
内容
「いっぱい書きMAX」は、先生から出されたお題に対して、生徒が該当する単語をできるだけ多く書いていくアクティビティです。「覚えている語彙を瞬時にアウトプットする瞬発力を鍛えること」を目的としています。
対象
小学4年生〜中学3年生
実施する学年や生徒の学力レベルによって、お題やルールを変更します。
必要なもの
・ホワイトボードや白紙(またはルーズリーフ、ノート、4線紙など)
・筆記用具
ルール
①先生から出されたお題に沿った単語を、できるだけたくさん紙に書いていきます。
例「お題:animals」⇨「回答:dog, cat, rabbit……」
②書き出した単語数をポイント化し、終わりの合図があるまで続け、制限時間内に獲得したポイント(単語数)をクラスメイトと競います。
③1回のアクティビティで上の①②を4回行ます。
ルールブック初級
①お題に沿った単語を、できるだけたくさん書く(日本語でもOK)
お題の例:動物、筆記用具、魚の種類、飲食店の名前、虫、乗り物 など
②日本語と英語の重複は1点換算
③1つのお題につき制限時間は3分。時間が過ぎたら、そのお題について加筆するのは禁止
④4つのお題で書いた単語数の合計が一番多い人が優勝!
ルールブック上級
クラスのレベルによって、ルールにアレンジを加えても面白くなります。
例:回答の仕方によって、ポイントを変える
英語での回答:3P(正しい綴り)、2P(誤った綴り)、日本語での回答:1P など
例:チーム対抗戦にして、仲間の結束力を高める
学力が均等になるよう3人ずつのグループを作って行う など
流れ
①説明
クラスに応じたルール、ポイント上位者へのインセンティブなどを説明します。
②生徒の準備
紙を配布して、四つ折りにするよう指示します。その1ブロックにつき1つのお題を書いていくように伝えます。
小学生であれば椅子に座って行うのではなく、用紙を壁に貼ってそこに書かせたり、ホワイドボードに書かせたりなど、身体性を伴わせる工夫をしたほうが集中して取り組めることがあります。
③アクティビティ
制限時間に応じて盛り上がるBGMを用意し、お題発表とともに音楽を流して盛り上げながらスタートします。制限時間が来たら終了の合図を出します。
④得点の計算
全てのお題が終わった時点で、周囲の人と用紙を交換して、ルールに沿って単語数をカウントし点数化します。
⑤結果発表
クラス全体が点数化できたことを確認出来たら、結果発表を行います。結果は「30個以上書けた人ー?」「40個以上の人ー?」と数をあげていき、ベスト3などの上位数名を全体で拍手しながら発表していきます。
ここでインセンティブ(塾であればポイント制度など)を与えたり、頑張った生徒を褒めたりして、努力が報われる空気を作ることも重要になってきます。
活動の注意点
実施中の先生の動き
机間巡視しながら、ペンが進まない子にはこっそりヒントを与えるなどして、全員が楽しめるようにサポートします。この時先生1人でクラス全体をみるのが大変な場合、ティームティーチングとして補佐の先生がつくと、より生徒一人ひとりに目を配ることができます。
公平性の担保
不正をする生徒がいるとクラスの空気が一気に悪くなってしまうので、公平性に関しては厳しく伝えましょう。不正ができないよう、お題ごとの紙を回収したり、机の中に入れさせたり、工夫をすることが大切です。
活動の効果
毎回授業の冒頭のアイスブレイクで数を重ねていくと、生徒たちも慣れてきます。徐々に難しいお題に挑戦していくとよいでしょう。中学生であれば「動詞」「形容詞」「副詞」などをお題とすることで、品詞の概念に少しずつ順応していくきっかけをつくることもできます。また、瞬時にアウトプットできる動詞の語彙数が上がることで、英検の二次試験などで測られるスピーキングスキルの向上にも繋がってきます。
3 プロフィール
二神大輝(ふたがみだいき)
EIMEI予備校塾長
大手予備校で勤務した後、カナダのバンクーバーに留学。英語が母国語でない人々向けの英語教授法であるTESOL(Teaching English to Speaking of Other Languages)の全過程を修了し、現在はエイメイ学院で小、中、高校生に英語を教えている。
子どもたちが受験勉強を通して実践的な英語を学べるよう、英語で自分の考えを伝えるアクティビティやオールイングリッシュの授業、外国人観光客にインタビューをする課外授業などを行っている。
(2021年6月時点のものです)
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