中学歴史〜文明開化〜(自主学習用教材「こころの窓」第46回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの日本史教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第46回「文明開化」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

お元気ですか。今日も一緒にがんばりましょう!

今日のお題は「文明開化(ぶんめいかいか)」です。

新政府は、日本をお金持ちの豊かな国にするために、殖産興業(しょくさんこうぎょう)の一つとして、全国各地に官営工場(かんえいこうじょう・・・国が経営する工場)を建てました。その中の一つに、群馬県の富岡に、富岡製糸場(とみおかせいしじょう)をつくりました。ここは、養蚕(ようさん・・・カイコを飼ってまゆをつくる仕事)を行い、まゆから生糸(きいと)をつくる工場です。この生糸から絹織物ができるのです。この生糸を売って国はお金儲けをしたのです。

次に、通信の分野でも新しい制度がつくられました。明治4年には、それまで飛脚(ひきゃく)が幕府の重要な手紙などを配達していましたが、これを発展させ、一般の人々が誰でも手紙を全国に配達できる郵便制度を整えたのです。

さらに、交通の分野では、明治5年に東京の新橋駅と横浜駅の間を日本で初めて蒸気機関車が開通したのです。そして、その数年後には、大阪、京都、神戸間も鉄道が開通しました。全国に鉄道が開通したことにより、地域の結びつきが強くなり、多くの人や物を運ぶことで、日本の産業はますます発展していったのです。

このように、ヨーロッパやアメリカの文化がたくさん取り入れられたことを、文明開化(ぶんめいかいか)といいます。こうして、街の人々の服装は着物から洋服に代わり、西洋料理が食べられるようになり、東京や横浜の街角にはガス灯が輝き、街の様子が大きく変わっていったのです。その他、暦(こよみ)が太陰暦(たいいんれき)から世界共通の太陽暦(たいようれき)に変わり、1日を24時間とし、1週間を7日とすることが決められ、日本の人々の生活様式も大きく変わっていったのです。

また、福沢諭吉(ふくざわゆきち)は、「学問のすすめ」という本の中で、「天は人の上の人をつくらず、人の下に人をつくらず」と説き、人間はみんな平等であることを教えました。

江戸から明治では、国の様子が大きく変わっていったのですね!

では、復習問題へ行ってください。

復習問題

1.富岡製糸場がつくられた目的と、その内容についてまとめてください。

新政府は、日本をお金持ちの豊かな国にするために、殖産興業の一つとして、全国各地に官営工場を建てました。その中の一つに、群馬県の富岡に、富岡製糸場をつくりました。ここは、養蚕を行い、まゆから生糸をつくる工場です。この生糸から絹織物ができるのです。この生糸を売って国はお金儲けをしたのです。

2.日本で鉄道が開通したことで、日本の経済にどんな影響を与えましたか。

明治5年に東京の新橋駅と横浜駅の間を日本で初めて蒸気機関車が開通したのです。そして、その数年後には、大阪、京都、神戸間も鉄道が開通しました。全国に鉄道が開通したことにより、地域と地域の結びつきが強くなり、多くの人や物を運ぶことで、日本の産業はますます発展していったのです。

3.文明開化の具体的な内容についてまとめてください。

ヨーロッパやアメリカの文化がたくさん取り入れられたことを、文明開化といいます。これにより、街の人々の服装は、着物から洋服に代わり、西洋料理が食べられるようになり、東京や横浜の街角にはガス灯が輝き、街の様子が大きく変わっていったのです。その他、暦が太陰暦から世界共通の太陽暦に変わり、1日を24時間とし、1週間を7日とすることが決められ、日本の人々の生活様式も大きく変わっていったのです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第46回「文明開化」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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