中学地理〜中華人民共和国〜(自主学習用教材「こころの窓」第10回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第10回「中華人民共和国」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

お元気ですか~!では、今日も一緒にがんばりましょう!

今日のお題は「中華人民共和国」です。

中華人民共和国(ちゅうかじんみんきょうわこく・・・中国)は、太平洋戦争後、毛沢東(もうたくとう)が率いる中国共産党の指導の下で、社会主義(しゃかいしゅぎ・・・これはまた勉強するので、名前だけ知っておいてください)の国として発達してきました。現在人口は約14億人が住んでいます。

下の地図を見ると分かりますが、もともと中国は農業を中心に発達しました。東北部ではとうもろこしがたくさん栽培されています。中央部には小麦が栽培されています。さらに南部は米作りがさかんです。また、西部はほとんど牧畜(ぼくちく)が行われています。しかし、農業だけではなかなか国が豊かにならなかったので、ある一部の都市だけは外国の企業(きぎょう・・・会社のこと)を受け入れて工業を発展させようと取り組み始めました。このような都市を経済特区(けいざいとっく)といい、シェンチェンやアモイがそれにあたります。中国には、たくさんの人口と安くて豊富な労働力(お給料が安くても働いてくれる人がたくさんいたのです)があります。これを使って経済特区を中心に中国は急激に発展していったのです。さらには、シャンハイやティエンチンといった都市では、中国と外国の企業が共同で工場をつくり、工業をさらに発展させていったのです。現在では、パソコンやデジタルカメラやスマートホンなどの電子機械は、いずれも中国が世界一位の生産をしています。さらに、牧畜が中心だった西部も開発を始め、自動車工業が急激に発達しているのです。

しかし、あまりにもたくさんの工場がつくられ急激に発達したために、工場からの煙により大気汚染(たいきおせん・・・PM25などです)がひろがり、工場からの排水が原因で川や湖が汚染(おせん・・・化学薬品で汚れること)されて、大きな環境問題を起こしているのです。

ところで、中国といえば「一人っ子政策」が世界的に有名です。知っていますか。これは中国の人口があまりにも増えすぎるので、結婚して子どもを産めるのは、一組の夫婦に一人までと決められたのです。

二人目からは高い税金がかけられたので産めなくなったのです。この政策にはいろいろな意見が出されました。しかし、2016年になって、ようやく国は一組の夫婦で二人まで産んで育てることができるようになったのです。日本にはそのような政策はなかったので、たくさんの子どもが生まれていました。しかし、最近では一人っ子や多くても2~3人の子どもを育てる夫婦が多いですね。

お疲れ様。では復習問題へ進んでください!

復習問題

1.中国の農業の特長についてまとめてください。

中国の農業は、東北部ではとうもろこしがたくさん栽培されています。中央部には小麦が栽培されています。さらに南部は米作りがさかんです。また、西部では牧畜が行われています。

2.経済特区について説明してください。

農業だけではなかなか国が豊かにならなかったので、ある一部の都市だけは外国の企業を受け入れて工業を発展させようと取り組み始めました。このような都市を経済特区といい、シェンチェンやアモイがそれにあたります。中国には、たくさんの人口と安くて豊富な労働力(お給料が安くても働いてくれる人がたくさんいたのです)があります。これを使って経済特区を中心に中国は急激に発展していったのです。

3.工業の発達によって、起こってきた問題についてまとめてください。

あまりにもたくさんの工場がつくられたために、工場からの煙により大気汚染がひろがり、工場からの排水が原因で川や湖が汚染され、大きな環境問題を起こしてしまったのです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第10回「中華人民共和国」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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