中学地理〜琵琶湖と古都京都・奈良〜(自主学習用教材「こころの窓」第50回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第50回「琵琶湖と古都京都・奈良」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もこころの窓を開けてくれてありがとう。では、ボチボチ始めましょう。

今日のお題は「琵琶湖と古都京都・奈良」です。

琵琶湖には、そのまわりのたくさんの川から水が流れ込んできます。しかし、その中の瀬田川だけは琵琶湖から外に流れ出て、淀川を通って大阪湾に流れ出るのです。そうでないと琵琶湖の水はどんどん増えるばかりですからね。

下の地図を見てください。赤色で塗った広い区域があります。実は、これだけの地域の人々が琵琶湖の水を利用しているのです。飲み水や料理やお風呂などに使う生活用水をはじめ、工場で使う水もそうです。なんと琵琶湖の水は1700万人の人々の生活を支えているのです。だから、琵琶湖の水を汚してはいけないし、大切にしなければいけないのです。でも、1970(昭和45)年頃から、工場から出る汚れた水や家庭からの生活排水(はいすい)によって、琵琶湖はどんどん汚れていきました。そこで、滋賀県はリンを含む合成洗剤の使用を禁止しました。いわゆる琵琶湖条例が定められ、住民のみんなの手で美しい琵琶湖を取り戻しはじめたのです。また、滋賀県全域で下水道の整備も始まりました。これにより汚れた排水はすべて浄化され、美しい水が琵琶湖に流されるようになり、琵琶湖は少しずつ美しさを取り戻していったのです。

お話は変わりますが、次は古都(こと・・・古い歴史のある都のこと)京都を紹介します。西暦794年に都が京都に移されました(平安京)。それ以後、京都にはたくさんの有名な神社やお寺が造られました。室町時代に足利義満が鹿苑寺(ろくおんじ)というお寺の中に金閣を造りました。金箔の貼られた美しい建物です。また、8代将軍の足利義政は、慈照寺(じしょうじ)というお寺の中に銀閣を造りました。その他、平安神宮や八坂神社や清水寺など世界中から観光客が訪れる有名な名所がたくさんあります。清水寺の中には、「清水の舞台から飛び降りる」という言葉で有名になった舞台がよく知られています。また、清水寺まで行く途中の石の参道はとても情緒がある道ですね。

最後に、古都奈良を紹介します。奈良は京都よりもう一つ古い歴史を持っています。聖徳太子が政治を行った飛鳥時代に造られた東大寺の大仏様や春日神社など数々の名所がたくさんあります。また、奈良公園のしかも有名ですね。奈良も京都も古い歴史の街を守るために、建物に関していろいろな厳しいきまりがあるのですヨ。

はーい。お疲れ様。では、復習問題に進んでください。

復習問題

1.琵琶湖の水を守るために取り組んできたことについてまとめてください。

琵琶湖の水は飲み水や料理やお風呂などに使う生活用水をはじめ、工場で使う水などたくさんの人が利用しています。なんと琵琶湖の水は1700万人の人々の生活を支えているのです。だから、琵琶湖の水を汚してはいけないし、大切にしなければいけないのです。しかし、1970(昭和45)年頃から、工場から出る汚れた水や家庭からの生活排水によって、琵琶湖はどんどん汚れていきました。そこで、滋賀県はリンを含む合成洗剤の使用を禁止しました。いわゆる琵琶湖条例が定められ、住民のみんなの手で美しい琵琶湖を取り戻しはじめたのです。また、滋賀県全域で下水道の整備も始まりました。これにより汚れた排水はすべて浄化され、美しい水が琵琶湖に流されるようになり、琵琶湖は少しずつ美しさを取り戻していったのです。

2.京都について紹介してください。

西暦794年に都が京都に移されました(平安京)。これ後、京都にはたくさんの有名な神社やお寺が造られました。室町時代に足利義満が鹿苑寺というお寺の中に金閣を造りました。金箔の貼られた美しい建物です。また、8代将軍の足利義政は、慈照寺というお寺の中に銀閣を造りました。その他、平安神宮や八坂神社や清水寺など世界中から観光客が訪れる有名な名所がたくさんあります。清水寺の中には、「清水の舞台から飛び降りる」という言葉で有名になった舞台がよく知られています。また、清水寺まで行く石の参道はとても情緒がある道です。

3.奈良について紹介してください。

奈良は京都よりもう一つ古い歴史を持っています。聖徳太子が政治を行った飛鳥時代に造られた東大寺の大仏様や春日神社など数々の名所がたくさんあります。また、奈良公園のしかも有名ですね。奈良も京都も古い歴史の街を守るために、建物に関していろいろな厳しいきまりがあるのですヨ。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第50回「琵琶湖と古都京都・奈良」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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