中学地理〜中部地方の農業と漁業〜(自主学習用教材「こころの窓」第52回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第52回「中部地方の農業と漁業」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日も「こころの窓」を開けてくれてありがとう。では始めましょう。

今日のお題は「中部地方の農業と漁業」です。

中部地方の農業で代表されるのはなんといっても、静岡県のお茶が有名です。下のグラフを見てください。お茶は日本中で栽培されていますが、その生産量を見ると静岡が約40%で、鹿児島が33%で、二つの県で日本のお茶の7割以上を生産しているのです。静岡県の牧ノ原(まきのはら)台地では明治時代からお茶の栽培が盛んでした。話しが少しが変わりますが、私が学生時代に静岡の友達がお茶を飲ませてくれたことがあります。お茶なんかいらないといったのですが、とにかく飲んでみろというので飲んでみたら、びっくりするくらいおいしかったことを覚えています。

それから次は、愛知県の渥美半島(あつみはんとう)で野菜や花などを栽培する園芸(えんげい)農業が有名です。特に菊の栽培は、温室の中で電灯を照らして日照時間を延ばすことで成長をおさえる抑制栽培(よくせいさいばい)が行われています。この方法で栽培すると出荷時期を遅らせることができ、高い値段で出荷することができるようになるのです。

次は中部地方の漁業についてお話しします。日本の魚の漁獲量ランニングの第1位は千葉県の銚子港(ちょうしこう)です。第2位が静岡県の焼津港(やいずこう)です。第3位は北海道の釧路港(くしろこう)、第4位が鳥取県の境港(さかいこう)、第5位が青森県の八戸港(はちのへこう)と続きます。その中でも、遠洋漁業の基地として栄えている焼津港は、マグロの漁獲量は日本1位です。そのために、焼津港のまわりには魚を缶詰やかまぼこに加工する工場がたくさん並んでいます。

その他には、富山湾でたくさん水揚げされる「ホタルイカ」と「シロエビ」もよく知られています。ホタルイカは名前のとおりホタルのように体が光ります。シロエビはこの富山湾でしか採れないそうです。透明で少しピンク色をしたエビで、お刺身で食べると甘みのあるとてもおいしいエビです。私は富山に親戚があり、毎年これを送ってもらって食べています。

はーい。では復習問題に進んでください。

復習問題

1.静岡県のお茶の栽培についてまとめてください。

お茶は日本中で栽培されていますが、その生産量を見ると静岡が約40%で、鹿児島が33%で、この二つの県で日本のお茶の7割以上を生産しているのです。静岡県の牧ノ原台地では明治時代からお茶の栽培が盛んで、ほんのり甘くて香りがいいお茶がつくられています。

2.渥美半島の菊の抑制栽培について、簡単に紹介してください。

愛知県の渥美半島で野菜や花などを栽培する園芸農業が有名です。特に菊の栽培は、温室の中で電灯を照らして日照時間を延ばすことで成長をおさえる抑制栽培が行われています。この方法で栽培すると出荷時期を遅らせることができ、高い値段で出荷することができるようになるのです。

3.中部地方の漁業の特長について紹介してください。

日本の魚の漁獲量ランニングの第1位は千葉県の銚子港です。第2位は静岡県の焼津港です。第3位が北海道の釧路港、第4位が鳥取県の境港、第5位が青森県の八戸港と続きます。その中でも、遠洋漁業の基地として栄えている焼津港は、マグロの漁獲量は日本1位です。そのために、焼津港のまわりには魚を缶詰やかまぼこにする食品工業の工場がたくさん並んでいます。その他には、富山湾でたくさん水揚げされる「ホタルイカ」と「シロエビ」もよく知られています。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第52回「中部地方の農業と漁業」

ほかの単元の記事もご覧になりたい方はこちら

4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

0
52-1.jpg

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA