はじめに
本記事は、2024年9月28日に開成中学校で行われたメディアリテラシー授業の見学ルポです。慶應義塾大学の学生たちによって設立されたClassroom Adventureの大学生、自らが開発した謎解きゲーム形式のメディアリテラシープログラム「レイのブログ」を使って、授業実践を行った様子をご紹介します。
Classroom Adventureの皆さんにお話を伺った際のインタビュー記事もあわせてお読みください。

「レイのブログ」とは
「レイのブログ」とは、慶応義塾大学の学生たちによって設立されたClassroom Adventureが開発したメディアリテラシープログラムで、ゲームとレッスンの2つのパートから構成されています。
ゲームはストーリー形式となっており、「レイ」と名乗る人物からの挑戦状をきっかけに謎解きを進めます。ストーリーを進める中で、情報を疑い、生徒自身がその情報が正しいのかを調べ、真実を暴くというプロセスを経ることで、真実を見極めるファクトチェックの力をゲーム感覚で学ぶことができるプログラムです。
2023年のスタートから、日本を含む6カ国5,000名以上の中高生に授業を届けています。
開成中学校での授業実践密着レポート
今回、開成中学校1年生の7クラスで、レイのブログを使った授業実践が行われました。
【授業開始前の準備】
生徒は1人1台のタブレットを用意します。
机を4人ずつのグループにして、班に番号を振り分けます。

黒板にはプロジェクターを投影します。
教室の電気を消し、音楽が流れ始めます。
【授業① ゲームから学ぶ】
オープニング動画が流れ、「レイのブログ」の物語が7クラス一斉にスタートします。

各班の進捗が黒板に投影されているプロジェクターで見えるようになっています。

はじめは、個人で進めていた生徒が多く見られましたが、物語が進むにつれて、グループで話し合いをしながら進めている様子でした。
椅子から立ち上がって、一つのタブレットを覗き込むグループや、座席を同じ方向にして、ぎゅぎゅっとまとまっている生徒も見られました。


多くのグループの進捗が進み、ゲームとしてのミッションをクリアする班が増えたころ、教室から広い体育館に移動しました。
【授業② 講義から学ぶ】
今井さんが、生徒全員に向けてゲームの振り返りとメディアリテラシーで必要な3つの力、「疑う→調べる→判断する」について、生徒が実際に行ったゲームの事例を使いながら解説します。
実際に起こったメディア・リテラシーが足りなかったことによる問題や、ファクトチェックのやり方、AIによるファクト画像作成の実演を通して、生徒に「使用する」ことを前提とした、メディア・リテラシーの講義が行われました。
編集後記
はじめは一人でプレーしていた生徒たちが、ゲームが進むにつれてお互いにコミュニケーションを積極的に取るようになり、教室の正しく並んだ机・椅子という枠組みがほどけていくような様子が見られました。生徒が「夢中になる」とはこういうことなのかと感じる時間でした。講義では、今まで知らなかったことや技術の知識が詰まっており、見学をさせていただきながら、メディア・リテラシーの授業の楽しさに私も引き込まれました。同じ「大学生」の皆さんが授業をしていらっしゃる姿を見て、私ももっと「夢中になれるもの」と「学び」を一緒に作っていけるような人になりたいと思います。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 下園絢音)
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