【小1道徳】「はなばあちゃんがわらった」の授業アイディア ~親切、思いやりの意味から~

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目次

1 はじめに 「親切、思いやり」の授業のポイント・注意点

本教材「はなばあちゃんがわらった」は、小学校学習指導要領解説「特別の教科 道徳(平成29年7月)」の内容項目B「親切、思いやり」に該当する教材です。

まず、親切や思いやりとはどのようなことでしょうか?

「親を切る」と書いて親切ですが、実際に親を切るという意味はありません。
親切とは、「親しみ」や「思いやり」を表す「親」と、「心から」「ひたすら強く」を意味する「切」が結びついた言葉です。
つまり、「親しみや思いやりを心からひたすら強く持つ」という意味を親切は表しています。

思いやりとは、学習指導要領によると「相手の気持ちや立場を自分のことに置き換えて推し量り、相手に対してよかれと思う気持ちを相手に向けること(小学校学習指導要領解説「特別の教科 道徳 P40)」とあります。
内容項目の言葉の意味を深掘りすると、授業で子どもたちに考えさせたい本質が見えてきます。

すなわち、「親切、思いやり」の授業で子どもたちに考えさせたいことは2つです。
一つ目は、自分の思いを大切にした行動や自己満足的な行動は、親切、思いやりの行動ではないことです。
先生方のクラスには、優しい子どもたちがたくさんいるでしょう。優しさにあふれた行動や振る舞いが教室で多く見られていると思います。

ただ、注意したいのは自分のために発揮する親切心です。特に中学年以降は自分の価値を高めるために親切な行動をする子どもが散見されます。
要するに、「いい子」と思われたいがための行動です。
このような自己的な行動は人間関係の歪みや不和につながる可能性があります。

そこで、二つ目に子どもたちに考えさせたいのは親切、思いやりの行動は、相手の気持ちや立場を想像することです。冒頭に説明した言葉の意味を軸に、相手のためになる言動が親切、思いやりであることを考える時間を授業で設けます。

相手の気持ちや立場に想像力を働かせることは、いじめや誹謗中傷を防止する力にもなります。
こうした長期的で、間接的な視点も踏まえて、親切、思いやりの授業を構想しましょう。

1年生の発達段階においては、自己中心的な考えや行動が残る一方で、交友関係が広がり始める時期でもあります。相手の気持ちを考えて行動した日常場面や、身近な人との接し方を思い出させながら授業を進めていきましょう。

2 教材、あらすじ、授業のねらいについて

  • 小学校1学年 道徳科 主題名「やさしい きもち」
  • 教科書 東京書籍 『新しい道徳』「はなばあちゃんが わらった」
  • 内容項目 B-(6)親切、思いやり

あらすじ

はなばあちゃんは、花と子どもが大好きな優しいおばあさんで、毎朝登校するゆうたやまほたちを見送っていました。

ある日、はなばあちゃんの大切な花が何者かによって盗まれてしまいます。

花が無くなったショックで、見送りに出られないはなばあちゃん。

ゆうたやまほも悲しい気持ちになります。

そこで、子どもたちは、はなばあちゃんを元気づけようと折り紙やクレヨンで花を咲かせようと考えます

植木鉢があったところに花の絵を貼り、はなばあちゃんは笑顔を取り戻し、子どもたちはガッツポーズをします。

ねらい

友達やお年寄りなどに優しい気持ちをもち、相手を大切に思う(親切にしようとする)心情を育てる。

3 授業の工夫

相手のことを考えて、優しく接する態度を育てることが授業の目標です。
この目標に向かう手立てをここからは解説していきます。

親切にしてもらった時の気持ちを話し合う

授業の導入部分で親切な行動を共有し、話し合う準備をします。

T「親切にしてもらったことはありますか? また、どんな気持ちでしたか?」

C「転んだ時に、保健室に連れて行ってくれた。ありがとうと思った」
C「具合が悪い時に、『大丈夫?』と声をかけてくれた。うれしい気持ちになった」

子どもたちの気持ちが「今日は親切について考えるんだな」となり、話し合いの方向性ができれば授業の導入としては合格です。

また、上記の発問は授業の後半部分にも有効です。困っている時に、相手を助ける行動が親切、思いやりの行動であることに気づかせることができます。

親切な行動をする子どもたちの気持ちを考える

ゆうたやまほがどのような気持ちではなばあちゃんに折り紙やクレヨンの花を届けようとしているのかを考えます。

T「どうしてゆうたやまほは、はなばあちゃんに花を作ろうと思ったのかな?」

C「はなばあちゃんに見送ってもらいたい」
C「はなばあちゃんに元気になってほしい」
C「はなばあちゃんに喜んでもらいたい」

ゆうたやまほたちは、自分たちのためではなく、相手(はなばあちゃん)のことを考えて花を作っていることがわかります。
親切、思いやりの価値をここで押さえたいですね。

親切にされる相手の気持ちを想像しよう

花を作っている時にゆうたやまほたちは、はなばあちゃんのどんな気持ちを想像しているかを考えさます。
少し難易度が高い学習です。
しかし、相手の気持ちを考える疑似体験ができます。

T「折り紙やクレヨンで作った花をはなばあちゃんに届けたら、はなばあちゃんはどんなことを思うかな?」
T「ゆうたやまほたちは、はなばあちゃんがどんな気持ちになることを考えているかな?」

C「きっと喜ぶと思う」
C「うれしくて泣いちゃうんじゃないかな」
C「私たちが作った花で元気になると思う」

はなばあちゃんが嫌な気持ちにならずに良い気持ちになることを、ゆうたやまほが想像していることを確認します。
そして、相手を思う気持ちが親切、思いやりの行動であることに気付かせましょう。

自分も相手も良い気持ちが親切、思いやり

優しく接すればよいというわけではありません。
行き過ぎた親切心はただのお節介、ありがた迷惑になってしまうこともあります。

例えば、友達の食事を手伝ったり、鉛筆を勝手に削ってあげたり、他の子どもの持ち物を勝手に整理、片付けをしたりする行為です。
自分は良かれと思った行為ですが、相手の立場やペースを無視した行為になる場合もあり、相手を落胆させてしまうことにもなりかねません。

本教材の最後には、ゆうたやまほ、はなばあちゃんがガッツポーズをする場面があります。
両者がお互いに良い気持ちになっていることに触れ、「相手が良い気持ちになる行動が親切な行動」という親切、思いやりの本質を押さえていきましょう。

執筆者プロフィール

マー

小学校教員を15年務めた後、フリーのWEBライターに転身。教員時代は安全主任、体育主任、生徒指導主任、学年主任を担当。現在は「物事のよさをより多くの人に」をモットーに教育系記事、金融系記事を主に執筆。趣味は野球観戦とランニングで、野球やマラソン・駅伝を応援するブログを運営している。

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