本単元で身に付けたい資質・能力
本単元では、重さの単位と測定について理解し、場面に適した単位を選択したり、適切な計器を選択して測定したりすることができる能力を養う。また、重さの表し方について考える中で量感覚を身に付け、今後の日常生活や学習に活用しようとする態度を育む。
単元の評価基準
- 知識・技能:重さの単位や単位の関係を理解し、およその見当をつけ、適切な計器を選んで測定することができる。
- 思考・判断・表現:量感覚を身に付けたり、単位の関係を統合的に考えたりすることができる。
- 主体的に取り組む態度:身の回りの重さを数値化して比較することにより、普遍単位の必要性を振り返り、日常生活や今後の学習に活用しようとする。
分かりやすい導入法「比較クイズ」
1. キティちゃんから学ぶ任意単位による比較
サンリオキャラクターであるキティちゃんの体重を知っているかを聞く。キティちゃんの体重はりんご3個分であることを共有すると驚きが返ってくるだろう。
その後、以下の順番で発問をする。発問の意図も並行して記載する。
- りんご3個分の重さとは、他にどのようなものがあるか。
意図:任意単位に表すことにより、重さの共通認識を持てることの確認 - 皆や先生の体重はりんご何個分か。
意図:人の体重を表すには活用している任意単位が軽すぎることの確認 - 鉛筆1本の重さはりんご何個分か。
意図:鉛筆の重さを表すには活用している任意単位が重すぎることの確認
ここでは上記の意図が伝われば良いので、発問に対する適切な答えが返ってこなくても良い。クラス内で意見が分かれた場合、任意単位で表すことで得られたはずの「共通認識」の信憑性は薄れてしまうが、それはより良い授業の流れをもたらしてくれるだろう。なぜなら、より強い共通認識を持つためには、重さの数値(普遍単位:gやkg)化が必要であるという根拠になるからである。
2. スケールを揃える
次に、スケールに合わせた比較方法の検討を行う。この内容は、「適切な単位選び(量感覚)」の基礎となる。
上記1でのやり取りにて、以下のことが分かった。
- 人間の体重を表すには、りんごは軽すぎる
- 鉛筆の重さを表すには、りんごは重すぎる

つまり、ある程度比較対象に適した任意単位があることを確認できている。そこで、体重を測るのに普段体重計に乗っていることを想起させたのち、体重計に鉛筆をのせたらどうなるのかを考えさせる。スケールの合わない比較方法をとっても意味がないことの理解を深める。
その後、次に指定したものは、どちらが、どれだけ大きいのかを比較するために、適切な任意単位がどれかを考えさせる。
- 「えんぴつ」と「のり」の比較。
① 1円玉 ② ペットボトル(水1L) - 「大玉スイカ」と「ボーリングの玉(9ポンド)」
① 1円玉 ② ペットボトル(水1L)
「大玉スイカ」や「ボーリングの玉」は1円玉で表せるが、数が大きくなりすぎて、感覚的に分かりにくいことを必ずおさえておく。
また今回選んだ任意単位について、1円玉は1gであり、水1Lは1kgなので、任意単位の切り替えと単位(gとkg)の切り替えがマッチして量感覚の学習にもってこいだ。
3. 手作り天秤で実際に重さを量る
次に、「えんぴつ」と「のり」の重さを実際に量るため、手作り天秤をつくる。まずは天秤のイメージを強固なものとするために、シーソーを例に出して以下の3つを順に考えさせる。
- 右側が浮いているときには、どちらが重いのか。
- 左側が重たいときにはシーソーはどちらが浮いているのか。
- 重さが等しいときにシーソーはどうなるのか。
その後、以下の材料で作った手作り天秤で「えんぴつ」や「のり」の重さを量る。
【材料】
- プラスチックのコップ2つ
- 30cm定規
- クリップ(大)
- ビニール紐
30cm定規の真ん中をクリップで止め、紐でつるす。その後、定規の両端にプラスチックのコップをそれぞれ紐でくくりつけたら完成。片側に重さを量りたいもの、反対側には任意単位を入れて重さを量ることができる。天秤では直接比較もできるが、どれだけの違いがあるのかを調べるためには任意単位による比較が有用であることを意識させる。

4. g(グラム)、kg(キログラム)の登場
最後にgとkgを登場させる。かき方とともに、1円玉=1g、水1L=1kgであることを教える。「大玉スイカ」や「ボーリングの玉(9ポンド)」の重さはg(1円玉)でも表せるが、分かりやすい比較にするためにはkg(水1L)を用いたほうが良いということは再度確認をしておく。
5. 補足
普段使う体重計に鉛筆をのせても意味がないのは、一般家庭にある体重計で量れる重さが20kg以上200kg以下だからである。量りたい重さに対応する重量計があれば、天秤などを用いずとも数値で比較できると児童に伝え、重量計のメモリの読み方につなげることもできる。
本実践は、本単元の要所要所につながるような仕掛けがたくさんちりばめられているので、ぜひ実践してみていただきたい。
執筆者
まき先生
中学高校で数学を教えている。体系的に教えるためには算数から学びなおす必要があると感じ、算数の授業案についても学習をすすめている。
実践的かつつながりを意識した授業案の作成に努める。

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