人前で内容のある話ができる子供を育てる 2 主旨説明と目標設定

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目次

1 主旨説明

子供たちに「なぜ授業中に発言する事が大事であるか」についての説明も、折に触れてするべきだと思います。

どの教科でも、主旨説明と目標設定が必要です。

主旨説明と目標設定を子供に話し、話し合うことによって、教師側の頭の整理もできてきます。

  • 友達に伝えることによって、自分の考えが磨かれます。同じ意見の人がいることが発見できれば、自分の考えが正しかったと安心できます。違う意見の人が出てきても、自分で見詰め直すことができます。アドバイスをもらることもあります。自分の考えを心の中で思っているだけでは、何の変化もなくて、変化がないと、成長ができません。
  • 人と話し合う力が社会で生きていく上で必要です。自分の考えを相手にきっちりと、しかも失礼がないように伝えることが大事です。特に、最近は、考え方や生活習慣が全く違った外国の人と付き合わなければならない社会になってきています。お互いの意見を交換し、わかり合っていく作業が大切になっています。

等、学年に応じて、発言すること、話し合いができることの大切さを話してあげてください。

2 目標設定

子供の様子に応じて、様々な言い方で伝えてあげてください。

例えば、

「誰でも発言ができるクラス」
などと、学年目標や学級目標に組み込めるような目標もいいでしょう。

「1日に全員が1回は発言して帰ろう」
などと、具体的な数値目標を立ててもいいでしょう。

「この(今日の)授業では、全員発言を目指しましょう」「この時間は話し合いの活動を頑張ります」

と、話し合いやすい授業のときに、全員発言を目指すこともいいかもしれません。

やみくもにどの授業でも話し合い型を導入しようとしても、話し合いやすい教科・単元とそうではない場合があります。わかりきった内容で話し合いをさせても、面白みがなくて子供が乗ってこないこともあります。教師が話し合い方をきちんとさせ続ける力量や話し合いやすい発問を準備する余裕があるのかという問題もあります。行事に追われて授業が進まず、時数が足りなくて話し合っている時間がない場合もあります。

ここという単元や教科を絞ってやってみれば、教師も子供も目標が焦点化されるのではないでしょうか。

算数や理科など、正解がひとつ(限られている)教科よりも、国語や社会や道徳など、正解がない、あるいは正解を求めているわけではない場面が多い教科の方が、一般的に話し合いをさせやすいと思います。

3 義務として全員を指名する

学習者の義務として、「授業中に発言するのは当然ですよ。当たり前のことですから、全員発言しなさい。」と強く出るのもいいと思います。
自分から手を挙げる方法ではなく、まず、たとえば4人組のの班があれば、「班で右の前に座っている人、立ちなさい」と指示を出します。そうすると、クラスの4文の1の人が立つことになります。(私は班の中に班長・副班長・貰い係・集め係の四つの役を作っています。それで、「集め係の人、立ちなさい」と、指示を出します。)
立っている子供の中から発言できる子供に手を挙げさせて、発言をさせます。発言をしたら座らせます。できれば、上記の様に正解がない発問に対して答えさせるのがいいでしょう。誰でも何とでも言える発問に答えさせるのです。「できるだけ人と違った内容、言い方で答えてくださいね」と、注文を付けておくといいです。
また、立っている人全員が答えて座った後で、「では、他にも意見がありますか」と尋ねるとさらに活性化すると思います。
これを4回繰り返せば全員発言になります。全員発言を1時間で達成するのは忙しいかもしれないので、1日で達成してもいいと思います。
また、「全員発言の日(時間)」を標榜して、「今日は(この時間は)全員発言してもらいます。発言した人のネームプレートを外していくね」と、黒板に貼ったネームプレートを外していくのもいいでしょう。全員発言達成時には拍手をして暖かいムードを作りましょう。

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