文字入力ができなければ
子供達にコンピュータを操作させるにあたっての難関は、日本語入力の習得ではないでしょうか。大人でもタイピングがうまくいかないでコンピュータに馴染めない人が多いように思います。文章がすらすらと打てるようになれば、できたような気分になってハードルが下がり、できることも多くなるように思えるのですが・・・
最近は様々なツールが導入されていて、手書き入力ができるようなアプリも出てきています。また、グーグルレンズを使えば、手書き文字を認識してテキストに変えてくれるので、ある程度きれいな字であればカメラでパシャリという方法もあります。鉛筆の字は薄かったり小さすぎたりすると認識されにくいので、ホワイトボードにマーカーでも書かせた文字を撮るのもいいかもしれません。やったことがない人は、一度、やってみてください。ビックリすると思います。
Windowsの場合、アプリがなくてローマ字を打てなくても、タスクバーでタッチキーボードを表示すれば(設定で検索→タスクバー→タッチキーボードと進む)、「50音入力」やスマホのような「フリック入力」、「手書き入力」も可能です。下は、Windows11の設定の画面。
グーグルの音声認識もずいぶん賢くなってきています。グーグル翻訳ですら、正確な文法と発音で日本語を話すことができれば、確実に英訳してくれます。
すぐに授業で使える「使い勝手の良いツール」は取り入れていけばいいですし、技術の進歩を待っていても今の環境ではまだ現実的でないツールについては期待と注目をしておけばよいと思います。とりあえず現段階(この記事は2024年5月に書き直しています)ではキーボード入力を目指すのが現実的かと思います。
キーボードでローマ字入力
ローマ字入力時に机上にローマ字入力表があると便利ですが、コンピュータ環境があるならば、ファイルを共有フォルダに置いておくとか、ディスクトップの壁紙をローマ字入力表にしておくとかすれば、便利です。
エクセルと画像ファイルを添付していますのでよろしければお使い下さい。
小学生に日本語入力をさせること自体がよいのか悪いのか、議論が分かれるところではあります。
- 各学年でどれくらいできればいいのか。
- かな入力なのか、ローマ字入力なのか。・・・・・1年生からローマ字入力をさせている学校もあるそうです。
- 指はきちんと5本使えるように教えるのか、人差し指でいいのか。
できれば各校、きちんと議論をして、各学年での目安を決めて、卒業時にどれだけできるようになることを目指すのかを決めておくとよいでしょう。1年間での大幅な上達はなかなか難しいので、各学年で少しずつ積み上げていくことが大事だと思います。鍛えれば小学生でもほとんどの子供がタッチタイプができるようになります。後々のことを考えると、ローマ字入力が好ましいと思います。
各学年での達成目標の例
自治体や学校によって、ICTに対する温度差は大きいと思います。できれば、各学年での大まかな目標を立てて、きちんと積み上げを図ることが大事です。文字入力に関しても、あまり細かいことを言うとかえって拒絶されてしまうので、下の例程度の達成目標を共通理解しておけば、しっかりと積み上げができてゆくと思います。
1年生
- マウスが使えて、一部キーボードが使える。漢字入力と英語入力を切り替えることができる(左上のキー)。・・・上記のタッチキーボードや手書き入力ができるように。
- 文字キー以外に、矢印キーやdelete・backspace・変換・スペース・Escキー等のキーボードの使い方が分かってくればいいでしょう。
2年生
- 1年と同様のレベルで日本語を入力できる上に、文字入力が素早くできるようになる。
3年生
- 学習指導要領でローマ字の学習が4年から3年に移行されました。教科書のペースではなく、早い時期(できれば4月から)にローマ字を教えてしまいましょう。ローマ字を教えて1文字〜単語を入力できるようにしましょう。
- ローマ字で400字程度の文章を打つ経験をさせる。
4年生
- 4年は文章入力に進めます。5本の指を使って正確なタッチタイピングができるように。
- 短い分から始めて、自分の作文を入力させる。手書きの作文を書かせた後、キーボードで入力して文集作りにもトライです。
- 長めの文章を入力させようとすると、どうしても個人差がでてきて遅い子供がなかなか終わりません。そんなときは、早くできた子供に手伝わせましょう。手書きの作文を切り分けて、最後の段落(文章)を早い子供に任せます。
5年生
- 短い目の文章(30~50文字)を打ってリアルタイムでやり取りができる。
- 手書きの文章を作成せず、直に打ち込んで文集作り。
- チャットやメール、SNSをができる。
6年生
- 5年生までで十分な入力ができるようになっているのであれば、ブラインドタッチができるようにする。
ソフトを使って
タイプ練習アプリはいろいろあります。学校のコンピュータにインストールされている場合もあるし、ネットアプリでもかなり丁寧なものが出てきています。あまりつまらないソフトや刺激ばかり強いアプリを使うと、子供たちの興味があらぬ方向へ行ってしまって上達が促進されません。
おすすめは、
小学生から始める無料のローマ字タイピング練習アプリ | プレイグラム タイピング (playgram.jp)
です。指使いをしっかりと提示してくれるので、先々に役立つと思います。
最近はタイムアップ機能やレベル別練習機能が付いていると思います。合格基準を決めて取り組ませるのもいいかもしれません。
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