大村はまと話し合い教育

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作成者: EDUPEDIA運営部 (Edupedia編集部)さん

1 講師プロフィール

苅谷夏子
1956年東京生まれ。
東京大学国文科卒業。中学生時代、大村はまに教わる。
現在『大村はま国語教室の会』事務局長。

著書に 大村はま、夫剛彦と共同で書いた『教えることの復権』(ちくま新書)
『優劣のかなたに−大村はま60のことば』(筑摩書房)、『評伝大村はま』(小学館)などがあります。

『優劣のかなたに−大村はま60のことば』

『評伝大村はま』

2 講座の概要

大村はま先生に学んだ『話し合いのテクニック』と『教師の役割』について、優しい口調でわかりやすく話していただきました。

3 授業内容

最初に“大村はま先生”について、苅谷先生の経験を交えながらご紹介いただいたあと、はま先生から学んだ『話し合いのテクニック』の大切な3ポイントをお話いただきました。
たった45分間の中で、「自分もこうなりたい、明日から実践したい」と思う種をたくさん蒔いていただきました。

4 <大村はま先生について>

まず最初に、大村はま先生についてご紹介いただきました。大村先生が『話し合い』について深く考え始めたのは、一教員として戦争に加担したと責任を感じて、『話し合える庶民を作りたい』と思ったからです。その後、中学校の国語教師となって子どもの将来を考えながら、国語の枠を超えた人間味あふれる授業を行いました。

<話し合いのテクニック>

そんな授業を学生時代に受けて感激した苅谷先生は、大村先生のバトンを受け継ぎ、私たちに大きく3つに分けて『話し合いの指導ポイント』を話して下さいました。

1つ目は『話し合いの価値をひしと感じさせること』。
苅谷先生にとって真の『話し合い』とは自己の開発につながるものであり、それを実践したのが""大村はま""です。彼女と話すことで自分の意見が整理され、言語化でき、絶対自分1人では思いつかないような言葉がいつの間にか口から出すことができるのだそうです。
""大村はま""のいう教師の役割とはまさにそれであり、『誰でも才能はゼロじゃない』と気づかせられることなのです。

2つ目は『正しく深く聞き取る力』。
具体的に言うと、透明で冷静な聞く力、機敏に整理しつつ聞く力、人間的な温かな心まで聞くという力、共に追求しつつ聞く力の4点に分かれます。『話す』ことではなく『聞く』ことに目を向けたのは、聞くことを大切にすれば発言せずにはいられないだろうと考えたからです。また、この力をつけることで、他を気にせず自分の言葉で安心してものを言える雰囲気が作れるのです。そのために教師は、『線の太い話し合い』つまり自分がはっきり自信を持って発言できるようなサイズ、種類の話し合いをさせる必要があるのです。

3つ目は『だれかがだれかをばかにしていない状態であること』。
教師の役割は、ある生徒が手を上げたとき、他の生徒が あの人はどんな言葉を発するんだろうとわくわくする状態を作ることです。
 では、どうやって""大村はま""がその状況を作ったのでしょうか?前もって子どもに資料を渡すなど、膨大な時間をかけてとにかく1人1人が話し合いで輝けるような材料を考えたのだそうです。教師が、それぐらい愛を注いで生徒を大事にすれば、生徒も授業や先生を大事にするようになるのです。
~ 
最後に、教師は常に具体的に教えることが大切であるということを教えてくださいました。上記3点を理論的に教えるのではなく具体的に伝えることが、生徒の理解や喜びにつながるのです。

5 当日の教室の様子・生徒の反応

授業が始まる前から、苅谷先生のお話を楽しみにしている方が何人も待っておられました。
また当日夏まつりに来て苅谷先生の授業を知って教室に来られた方も、ペンを片手に熱心に聞いておられました。今年から小学校に勤務されている先生は、『とてもためになった。明日からのエネルギーになった。』とおっしゃっていました。

6 編集後記

将来、英語の教師としてコミュニケーションの大切さを伝えたい私にとって、心に響く言葉ばかりでした。特に刺激を受けたのは『教師の心構えによって 生徒の反応は違う』という言葉です。確かに私が小学生や中学生、高校生の頃を思い出すと、生徒のことを考えず授業に工夫しない−例えば教科書を読むだけの先生の授業は退屈だったし、信頼もできませんでした。

また「教室に魅力を」(国土社)(http://amzn.to/ZwcbaO)を読んで、「やってごらん」「できたか」これはもう禁句だと思いました。
やらせてしまわないとすれば,教師の方が,怠慢だった,教師のいたかいがなかったことになります。「こうこうですよ」「やってごらんなさい」「できましたか」「それじゃ,まだだめですよ」と,そんなこと言うために先生をしているのかと思います。

という文章を読んで、心から納得しました。私は『子どもの心に寄り添える教師』を目標にしているのですが、
大村はま先生はそれが自然にできていた人なのだと感激しました。これからこの言葉を心に留めて、行動していこうと思います。

最後になりましたが、苅谷先生、素敵なお話ありがとうございました!
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 鳥居由香)

コメント
  • こういう指導だったら、きっと子どもたちは話し合いの本質を経験することができる。とても貴重な体験になる。(twitterより)

  • EDUPEDIA編集部 (Edupedia編集部) (6/30 2:31)

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