1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
1、プレ教材で説明文の基本事項を押さえる(基本事項)
本教材の前に、低学年の説明文を読ませ、基本事項を押さえる。
基本事項を押さえておくと、本教材での理解がとてもスムーズ。
問題提示「か」「~でしょう(か)」 接続語「でも」「このように」
文末表現「~のです」 構成「問題の提示−問題の解明−まとめ」
2、題名読み
題名だけを読んで、どんな内容か想像させる。
「サクラソウとトラマルハナバチ」なら「と」の意味に注目させる。
3、説明文バラバラ事件(接続語)
説明文をバラバラにしておいて、つなぎ合わせる。
文章全体だと複雑になるので、注目させたい段落をつなぐ部分がよいのでは?
4、形式段落ごとに紙芝居にする(要約)
一番大事な一文を抜き書きさせる。→ 要約
各段落ごと一枚の絵にする。絵の違いを見つけてどちらが相応しいか討論する。
KJ法のようにカードを動かして、話のまとまりごとに分類する。
5、意味段落ごとに紙芝居にする(要約)
学習した内容を意味段落ごとに紙芝居にまとめる。
説明文の内容である順序・大事な言葉(要点)・段落・段落の関係が網羅される。
6、この話を2つに分けるとどこで分かれますか?(文章構成)
課題提示、まとめの段落を押さえたあと、例示1と2の境目を見つける。
境目は、辞書を引いてその言葉の意味から決着をつけるイメージ。
7、文章の「事実」には青線、「意見」には赤線を引く(要旨)
筆者の主張をさぐる。5,6年生向け。4年生までは「意見」がない。
事実:本当にあったこと 実際にあったことがら。
意見:ある物事にたいする考え 心に思うこと。
8、作者がこのお話で一番言いたいことは何か「ずばり一言」で書きましょう(要旨)
要旨を一言で書かせ、キーワードを元に採点する。
9、着目させたい言葉を動作化する(言葉)
動作化の違いを検討し、言葉の持つ意味を理解する。低学年向け。
2年「たんぽぽのちえ」:「つぼむ」と「しぼむ」。
10、読みの深まりを実感させる。
まず課題提示の文を見つけ、課題に対する答えを「自分で」書く。
出された答えのうち、どれがよい(結論)か簡単に検討する。
単元の学習が終わったら、もう一度課題に対する答えを書く。
初めの読みと後の読みを比べ、読みの深まりを確かめる。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」「学級開きルール&アイデア事典」
(いずれも明治図書2015/2、発売予定)
5 編集後記
国語の授業で取り扱われる説明文を読んで理解することは難しいことです。この実践では難しい説明文の理解をどのようにしていけばよいのかのプロセスやコツなどが書かれています。説明文の授業を行う際には、ぜひ取り入れてみてください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 川原悠成)
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