実感を引き出すネタ〜授業づくりのコツ①〜(中條佳記先生)

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作成者:佐藤 駿一 (Edupedia編集部)さん

この記事は、2015年4月28日に行われた「MYKOHAN学校教育セミナー ON二人会」をもとに作っております。この講演会は、講師が本音で伝えるということが趣旨の会であることをご了承ください。

1 はじめに

私は最近、「ありがとう」と「ごめんな」が少ないと感じました。だから、カンタンなことですが、まずは自分からじわじわと使っていこうと思っています。

似たような感じで、授業づくり、学級の雰囲気づくりもカンタンなところから初めていくのが良いと思います。

私の学級では、担任である私も子どもと一緒に、よく拍手をします。例えば授業中に発言をしてくれた子がいたら、私の「そーれ」という合図で、リズム良く“パン!パン!パン!”と三回拍手し、最後はみんなで「イェーイ!」というようにしています。

2 実感を引き出す実践

社会を例にネタを紹介します。

 例1:鹿から奈良へ、神の遣いから天皇家の話に(実物を持ってくる)

奈良県の教員なので、本物の「鹿の角」を持ってきたことがありました。さすがにまわすと怪我をする危険があるので、子どもたちに前に来てもらって実際に触ってもらいます。

さて、奈良の鹿はどんな生き物だと言われているか知っていますか。

正解は、「神の遣い」です。

鹿は、茨城の鹿島神宮から、神の使いとして奈良に送られました。

奈良時代といえば、天皇家は中大兄皇子。中臣鎌足が藤原氏となりましたが、その氏神は東大寺の横にある春日大社です。中大兄皇子と対立していたのが、蘇我氏ですね。蘇我氏は馬子・蝦夷・入鹿と、漢字を取ると馬鹿になる、というのは置いておいて、ここにも鹿が見られます。

このように実物に加えてエピソードも交えながら授業をすると、子どもたちにより実感を持ってもらうキッカケになります。

 例2:写真を使って、それが何かを当てていく(写真を使う)

やはり奈良県の教員なので、小学校の授業では奈良の歴史について扱います。そこで行う仕掛けも一つ紹介します。

 流れ

  1. 教科書に出てくる人物や建物を印刷した写真とテープを用意しておき、子どもたちに後ろを向かせます。そのとき、教科書で見たことがある写真にしておくと、スムーズに進みます。複数人に同じ写真がついていても構いません。
  2. そして、一人ひとりの背中に、見せないようにその写真を貼ります
  3. そうしたら授業がスタートです。

 子どもたちに課すルール

  1. 友だちと出会ったら、まずは挨拶する。
  2. お互いに一つだけ質問をすることが出来るが、答えそのものが出る質問はしてはいけない。

この二つです。

 質問の例

  • 「これは人ですか、物ですか」
  • 「この人は男ですか、女ですか」
  • 「この人は◯◯をしましたか」

という感じです。

子どもには、関連する事項を思い出して欲しいので、

  • 「これは、奈良の大仏ですか」

というような質問はNGです。

 この仕掛けの終わりに

最後には、分かった写真の物をみんなに言ってもらうというものです。

このような仕掛けを用意しておくと、まず発言のためのハードルが下がります。また、質問に答える側はどうやったら分かってくれるのだろうとか、質問する側はどうやって答えを引き出せば良いのだろうかという頭を使うことになるのもポイントです。

 例3:歴史人物訪問記(絵やスライドを使う)

自分で実際に歴史上の人物の出身地に訪ねてみて、そこで写真を撮ってきます。それを見せて、子どもたちに問題形式で答えさせていくというものです。

答えの選択肢は簡単にするように工夫して、例えば西郷隆盛なら、選択肢は「東郷隆盛」「西郷隆盛」「南郷隆盛」「北郷隆盛」みたいにします。
答えられるようにして、子どもの成功体験を増やしてあげるのも良いですね。

また、他にも写真を使いますが、そのときに、子どもが描いた絵を使って、スライドにして答えさせることもやります。

こうやって、絵や写真のスライドを多く使うと、いろんな仕掛けをつくることができます。

他の戦国大名は旗印に家紋を使っている中、織田信長は「お金」を使いました。旗印を見せて、「これは何?」という問題のあと、じゃあなんで織田信長は旗印に「お金」を使ったんだろう、というのを考えさせることもできます。織田信長といえば、楽市楽座ですね。

例4:危険な実物を持ってくるとき(危険なもののとき)

サヌカイトという石器を持ってくることもあります。このように切れてしまうような危ないものを持ってきたときは、子どもたちに渡して回すことはしません。
前に置いておいて、出てきてみるようにと指示します。そのときには、「信じているからな、気をつけてな」と声をかけるようにしています。

3 終わりに

授業のネタはあくまでも手段です。私の授業でも、実際にはネタを使うのは単元のとっかかりとなる授業のときが多く、ネタを使わない授業のほうが多いです。

すべての授業にネタを使わなければと思いこみすぎないよう、でも、要所要所ではネタを使って実感を引き出してあげると、効果的な授業が展開できます。

4 実践者プロフィール

中條佳記(なかじょうよしのり)先生。奈良県の小学校教諭。教育サークル「MY KOHAN」奈良事務局、教室を笑いであふれさせることを旨とする「お笑い教師同盟」の一員で、教員間のネットワークづくりに努めている。関西を中心に教員向けセミナーを主催する傍ら、自らも講演者として壇上に立つ。
お笑い教師同盟HP http://owarai-kyousi.com/
※会の目的に賛同し、教育に関心があれば、職種を問わず無料で入会できます。

中條佳記先生の著書に、「子どもの実感を引き出す授業の鉄板ネタ54」(黎明書房)があり、他にも教育雑誌や編著本に原稿が多数掲載されています。

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