授業実践のための学級づくり〜授業づくりのコツ②〜(中條佳記先生)

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作成者:佐藤 駿一 (Edupedia編集部)さん

この記事は、2015年4月28日に行われた「MYKOHAN学校教育セミナー ON二人会」をもとに作っております。この講演会は、講師が本音で伝えるということが趣旨の会であることをご了承ください。

1 はじめに

授業づくりのコツ①の続きです。

①では、授業で実際に使えるネタを紹介しています。こちらも併せてご覧ください。今回は、授業実践の軸となるところについて話していきます。

2 今の実戦の軸にあるもの

  1. 子どもから学び、大いに驚く
  2. 子どもの未来のもつ力を、くすぐって伸ばす
  3. 子どもを変える?子どもが変わる?

3 子どもから学び、大いに驚く

子どもは、ときに大人でも驚くようなことをします。漢字をびっしりノートに書いていたり、きれいな絵でノートを取っていたり。

そういうときは、素直に「すごいなぁ」と言うようにしています。

ときには、授業づくりのコツ①でも見せたように、それをネタにして授業を展開することもあります。子どもに教えるだけではなく、子どもからも学び、お互いに学び続けていく姿勢を大事にしています。

4 子どもの未来のもつ力を、くすぐって伸ばす

目の前の子どもたちが、今以上の力を発揮できるようにするにはどうしたら良いのか、さらにくすぐって伸ばしていくにはどうしたら良いのでしょうか。

 例1)掃除

一つ、掃除の極意について例をあげてみます。

まず、部屋はきれいじゃないと嫌だよね、というように子どもたちに好き嫌いを聞きます。もちろん、子どもたちは「きれいな方が良いよね」と答えます。

そうしたら次に「掃除の極意」を提示します。その1個目が黙働なのですが、これが子どもたちにとっては非常に難しい。

少しずつやらせていって、

  • 「どーやった?」
  • 「きれいやろ?」
  • 「さすが6年生やわ」

というような発言をしながら、自尊心をくすぐっていきます。叱ることなくゆっくり褒めていくことで自尊心がくすぐられると、もっとできるようになります。

また、6年生に対して、3年生の映像を見せたこともあります。ただ、やはり他の学年と比べるのは良くないことなので、絶対に
「ごめんな、失礼やと思うんやけど」
という前置きをしてから見せます。そうすると、「自分たちもやらないと」という気持ちになり、自然とやれるようになっていくことがあります。

 例2)1年生のお手伝い

6年生が、1年生の給食のお手伝いに行くことがあります。

お手伝いから帰ってきたあとに感想を聞いてみると、例えば「牛乳が大変そうだった」というような答えが返ってきます。

そうしたら、「じゃあどうすれば良い?」と聞いて、自分たちがお兄さん・お姉さんとしてできることを気付かせるというのも、自尊心をくすぐることにもつながっていきます。

 例3)ノート提出

最後は、提出物の確認の話です。普段のノート提出のときに、出したら自分たちで名簿にチェックをつけさせるようにしています。

しかし、3〜5人くらい、出していないのにチェックをつける子もいます。そのときも直接は叱らず、自ら気付かせるような仕掛けをつくっています。

まず、朝子どもたちが登校する前から黒板に、

  1. 学校に来たら、宿題を出しましょう。
  2. 宿題を出したら、名簿にチェックしましょう
  3. 忘れたら、次に出す日を書きましょう

ということを書いておきます。そうしたら、朝子どもたちに会ったときに、

  • 「これ読めた?」
  • 「理解できた?」

と聞きます。そうしたら子どもたちは、「うん」と答えますよね。

続いて、「これは低学年でやっていたことなんだけど、高学年のみんなには失礼なことだと思ってはいるんだけど」というように発言していきます。

この辺りでだんだんと自分たちのした行為に気づいてきて、自然と内省するようになっていきます。このように、自ら気付かせるような工夫をして自尊心をくすぐるようにすると、すくっと伸びることもあります。

5 子どもを変える?子どもが変わる?

私の中心的な考えの一つに、ヒントは出せても、根本的なところは変えられないということがあります。例えば、自分は酒やタバコを辞められないのに(今のところ辞める気はさらさらありませんが・・)、本当に子どもを変えることはできるのでしょうか。

子どもが、分からなかったことが分かるようになる、できなかったことができるようになる、そんな風に、変えるのではなく、変わるキッカケを提示してあげるのが教師だと思います。

家庭訪問に行ったとき、「子どもが変わりました」と言ってもらえると嬉しいものです。

  • 「子どもの表情が変わりました」
  • 「学校のことを話してくれるようになりました」

と言われたら、自分のやっていることは正しかったのだと思うようにしています。

6 終わりに

学力テストを1日やらせたとき、自分も本当につらかった1日がありました。本当に丸1日笑わなかったのは、その日くらいでした。

後日、子どもたちに「つらかったんだよな」と話してみると「先生、笑ってなかったからだよー」と言われました。

これは、「子どもから学び、大いに驚くことの一つ」だと思っています。まさにこの笑うということが大事なんだなということは、真実の一つだと思っています。これ依頼、必ず毎日一回は笑うようにしています。

「ドッと笑える。そしてスッとひける」

そんなことができるクラスは、本当に良いクラスだと思います。

7 実践者プロフィール

中條佳記(なかじょうよしのり)先生。奈良県の小学校教諭。教育サークル「MY KOHAN」奈良事務局、教室を笑いであふれさせることを旨とする「お笑い教師同盟」の一員で、教員間のネットワークづくりに努めている。関西を中心に教員向けセミナーを主催する傍ら、自らも講演者として壇上に立つ。
お笑い教師同盟HP http://owarai-kyousi.com/
※会の目的に賛同し、教育に関心があれば、職種を問わず無料で入会できます。

中條佳記先生の著書に、「子どもの実感を引き出す授業の鉄板ネタ54」(黎明書房)があり、他にも教育雑誌や編著本に原稿が多数掲載されています。

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