理科「思考・判断・表現」の評価の工夫

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作成者:matui hiroshi (Edupedia編集部)さん

評価しづらい観点

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理科の評価の観点の一つに「思考・判断・表現」があります。ペーパーテストでは図りにくい力なので、この観点を評価するのに苦心している教師も多いと思います。ノートや授業中の発言で「思考」を図ろうとしても、けっこう評価しづらいというのが実情ではないでしょうか。
 私は理科の時間には、「疑問を持つこと」「推測をすること」を大事に考えています。そしてどのように疑問を持つことができたか、推測をすることができたかを「思考」の評価のひとつにすることが多いです。「疑問が持てたことが素晴らしいんだよ。推測ができたことが素晴らしいんだよ。それがいつか大発見につながるかもよ。」と、オーバーにほめてあげ、煽りましょう。
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姉妹記事で

社会科「思考・判断・表現」の評価の工夫

もご参照ください。
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疑問を持つ

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観察をして、イラストを見て、文章を読んで、疑問を持つことは大切です。学習の過程で、鋭い「ハテナ」であっても、ゆるい「ハテナ」であっても、「問い」を立てることができるのは、思考力のひとつといえるでしょう。
理科の時間にはふんだんに実験をする機会があると思います。その折には、分かったことに加えて、新たに湧き出てくる疑問をいくつか、書きとどめさせておきましょう。
 ざっくりと教科書で「○ページから○ページまでのところで、疑問に思うことを5つ書きなさい。」と考えさせてみるのもよいと思います。
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◆チョウの幼虫の足のどれが成虫の足になるんだろう?
◆骨と筋肉は何でひっついているの?取れちゃったりしないの?取れたらのりやボンドでくっつけられるようなものなの?
◆1往復に1分かかる振り子って作れるだろうか?
◆三日月の月の欠けている方で大火事があったら、地球から見て光って見えるのかな?
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などと、ちょっとひねった疑問が持てれば二重丸ですね。
イラストや写真を見て疑問を出させる時は、たくさんの疑問が湧き出てくるイラストと、いまひとつ何も思いつかないイラストがありますので、いい素材を選びましょう。なんでもかんでも「疑問を持て」と言われても、子供も困ってしまいますので、何について疑問を持たせるかをよく吟味することが必要です。
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推測させる

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また、推測させることも、思考力を育む上で大事です。
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【空気でっぽうの玉をもっと遠くまで飛ばすにはどうしたらいいのかな】
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こんな問いに対して、子供たちが詳しい事情を知っているわけではありません。本当のところ、これは大人にとっても難しい問いだと思います。一つだけ答を考えさせるのではなく、「間違えていてもいいからたくさんの答を考えてみよう」「答がだいたいわかっている人も、いろいろなパターンの答をかんがえてみてください」と、できるだけたくさんの答を考えさせてみます。
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◆筒を長くすればいい。つなげてみようよ。
◆筒を太くすればいい。
◆筒の先を細くすればいい。
◆玉を軽くすればいい。
◆玉を重くすればいい。ビー玉とか埋め込んでみたらどうかなー。
◆空気よりもっと伸び縮みするガスがあるんじゃないかな。
◆中の空気を熱してみたらどおかな。
◆油を塗ったら玉が滑りやすくなるかも。
◆玉をジャガイモにしたらいい。
◆玉を鉄にしたらいい。
◆少しだけシャンパンを入れるといいかも。
◆筒を思い切り短くして筒より長い棒で思い切り突けばいい。
◆筒の中に小型のビニル袋を入れておくとそれが破裂する勢いで飛ぶよ。
◆前玉を抑えておいて思い切り近くまで後ろ玉をくっつけて急に手を放すと飛ぶんじゃないかな。
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などなど、珍解答も含めて、たくさんの答が考えられます。正解を求められているわけではないので気楽に、発想力豊かな答えが出てきていいと思います。さて、どれが正しくてどれが間違いなのか、見当がつきますでしょうか。それぞれの推測の正誤について論じていると、たいへんな時間が必要になってしまいます。ですので、
「おもしろい答えをよく考えられたね。例えば、『×××』なんかは、先生も少し当たっているような気がしてきたよ。後は、中学校や高校でそれぞれの答が分かるかも知れません。」
と、逃げておきましょう。
「もしかしたら家に帰って試してみようかと思っている人もいるかもしれません。でも、ガスとか、熱するとかは危険です。ものすごく速く玉が飛んだら、危ないかもしれないしね。シャンパンはまわりが汚れるしお酒だから、そいいうことは家の人といっしょにね。」
と、釘もさしておきましょう。
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疑問にしても、推測にしても、時にはざっと良いものを集めて、プリントにするなどして、クラスで共有するといいですね。理科は特に指導要領の範囲から逸脱した内容になりがちなので、うまく軌道を修正しながら授業を進めてください。
「筒を長くするのはできそうだから、班でつないでやってみようか?」
などと余裕がある時はピックアップして、実験してみる時間をとるのもいいかもしれません。

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