言葉の強弱~強調する言葉~(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/

2 実践内容

文を読むときに、強めて読む言葉を変えることによって、相手に伝わる意味や気持ちが違ってくることを学習しました。教科書にある3つの文で、太字部分を強く読みました。

  1. 昨日、川田君と 駅で あったよ
  2. 昨日、川田君と 駅で あったよ
  3. 昨日、川田君と 駅で あったよ

1、2、3はそれぞれ何のことを相手に伝えたいのですか

実際に声を出して文を読んでいるので、すぐにわかったようです。

  1. 「昨日」行ったということ
  2. 「川田君と」会ったことを伝えたくて、別の他の人ではないこと
  3. 出会った場所が「駅」だということ

これと同じような例がもう1つあったので、強く読むところに注意しながら、読んでみました。下線(強調する部分)が引いていないところは、消え入りそうな声なのに、下線のところになると、急に元気な声になりました。

今やったように、ある言葉を強めて発音することで、相手に伝える意味や気持ちが変わってくるのです。だから、どこを強くするかを考えながら、読んだり話したりすることは、大切ですね。

次に、プリントを配りました。いずれも前教材「お母さんの木」から抜粋したものです。どこを強調して読んだらいいかを考えさせました。

あなたなら、どこを強めて読みますか?強める場所を教えてください。

子どもたちが強調するとしたのは、次の箇所でした。
 
 A 「今だから言うよ」「本当なものか」
 B 「日本中が不幸せに」「なってしもうたのう」
 C 「むすこたちみんなを」「帰して」「いのることもできん」
 D 「一人でいいに」「一人でいいに」
 E 「何も」「おまえたちのせい」
 F 「父さんや母さんが」「弱かったんじゃ」
 G 「だれ一人」「帰ってこないで」
 H 「あらかた切られてしもうた」「毎年、丸いおいしい実をたくさんつける」
 I 「もう二度と」「お前たちのためのきりの木」

を強調すると考えた子が多かったです。最後に、例文を黒板に書いて尋ねました。

「森竹先生は、足が長くて、頭がよくて、顔がいいけれど、ずっこけた先生です」の文は、どこを強調して読んだらいいでしょう。

黒板を見ながら子どもたちはニヤニヤしています。「では、強調して読んでみましょう」と促すと、やっぱり「ずっこけた」を10倍ほど強調して読んでいました。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
(2015年1月時点のものです)

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

教科書で実際に読んだ文章を読み直すだけではなく、授業の最後に先生が示したようにオリジナルの文章や、テレビでよく聞く言葉などを示してみてもよいかもしれません。強調の仕方も、「大きな声で」や、「ゆっくりと」「勢いよく」など場面によりさまざまなことも意識できます。ぜひ、ご活用ください。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐竹琴奈)

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