【教育実習 体験談】1人の教師として実習に臨む

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平成25年度、小学校(5年生)の教育実習を行ったKさんの体験談です。
教育実習前の準備や実習中の授業、子どもとの関わりで嬉しかったこと・難しかったことなどを紹介します。

実習前に不安だったこと、事前の準備

実習前、自分は何が分かっていないのかが分からなかったです。実習の1週目は何をするのか、自分が授業をするのはどのタイミングで始まるのか、そういったことが分からないのが不安でした。

実習先の学校とは電話で連絡しましたが、電話では分からないことは直接聞きに行きました。また、いろいろな先輩から情報収集をしました。実習前にどんな準備をしたら良いのか、実習の前半はどのような感じだったのか、ということを聞きました。

それと、実習の1か月くらい前に5年生を担当すると聞いていたので、5年生の算数の教科書を購入しました。6月に実習だったのですが、学習する教科書の範囲を予想して、「自分ならこんな風に授業したいな」と考えていました。他には、授業で使うだろう磁石やマジックペンや模造紙を購入しておきました。

実習が始まってからの流れ

全4週間の実習の中で、初めの1週間は担当の先生の授業見学が中心で、その間に1時間の授業の流れをつかんだり、精錬授業の授業内容を考えたりしました。精錬授業というのは、担任の先生以外にも校内の先生方や大学の担当教授が授業参観に来られる授業で、だいたい実習の最終週にあります。研究授業と呼ぶこともあると思います。その授業内容については、実習の1か月くらい前に教科と単元が決まっていたので、そのための授業準備に実習初めの1週間を費やしました。

初めの1週間は授業を見学して、残りの3週間は自分で授業をしました。国語と算数と社会の授業はすべて担当して、他にも一度だけ道徳と音楽の授業をしました。1ヶ月の実習で、全30時間程度授業しましたが、これは他の人に比べてかなり多いと思います。実習先の学校によるのかもしれません。

授業準備

もともと算数は準備してきたのですが、実習中は毎日夜の7時くらいまで残っていました。毎回授業をする前日までに板書計画と授業の流れが書かれた略案と言われる1枚の指導案を、指導教科の先生に見て頂いてから授業していました。ですが、精錬授業の前の1週間は、授業準備で学校を出るのが夜の9時くらいになってしまいましたね。

実際に授業をしてみて

実習で一番初めの授業は国語の方言の授業でした。授業の最初に沖縄や名古屋の方言のクイズを出し、それから「方言と共通語ってなんでそんな違いがあるのだろう?」と考える流れでした。

1回目の授業ということで、準備する時間に余裕があり、子どもたちも反応も良かったですが、授業を考えるのは難しかったです。特に国語は答えが1つに絞れないことがあります。そのため、事前に担当の先生とどんな風に授業を進めていくかを話し合いました。また、自分でも教材についてしっかり調べて理解しておくことが大切だと思いました。放課後に校内全体での授業研究会をすることもあり、先生になっても勉強し続ける大切さを感じました。

道徳は副教材を使わずに、「世界がもし百人の村だったら」という本を使って自分で考えた授業をしました。

精錬授業は緊張して、いつもよりも話す速度が速くなってしまいました。先生方が後ろに10人以上いる中で授業するので子どもたちもそわそわしていました。ですが、子どもたちは「先生のためにきちんと授業をうけよう」といつも以上に思ってくれて、たくさん発言してくれたり、よく活動してくれました。本当に子どもたちに助けられたと思います。

嬉しかったこと

子どもたちが、「授業が分かりやすい」と言ってくれたのが嬉しかったです。授業内容で分からないところを質問しに来てくれたり、「えー、もう授業おわりー?」と言ったり。そのような意欲的な姿を見られたことが嬉しかったです。

難しかったこと

子どもとの関わりについては、キャンプボランティアなどの経験があったので、あまり問題はなかったと思います。厳しく指導するときにはしっかり注意するというのも自分の中にありました。

難しかったのは、授業についていくのが難しい子にどう対応していくのかです。授業中その子につきっきりになってしまっては、全体が見えなくなってしまいます。個と全体への対応のバランスが難しかったです。

授業場面以外でも、子どもが自分に来てくれて嬉しいからといって、その子にかかりきりになってしまうのは良くないと思います。一緒に何かしようと言われて、すべてにYESで答えるのも違うかなって思います。学級担任としての先生なので、一人の子だけをみるのではなく、全体をみなくてはいけません。「昼休み遊ぼう」って言われたら「先生はみんなと遊ぶから」「みんなで遊ぶなら先生はいるよ」というように答えるようにしました。スキンシップをよくとろうとする子もいましたが、自分は保護者ではなく教師なので、子どもと近づきすぎないよう距離感を大事にしました。「子どもたちにどれほど干渉していいのか」ということは、今でも自分の中の課題ですね。

実習後

実習後はお礼状を書きました。他に、バザーや運動会、マラソン大会など地域の季節行事にお呼ばれされたりしました。

これから実習に行く方へメッセージ

学年や教科などが決まったらしっかり準備をすることが大切です。それと、周りの実習生がよく言っていたのですが、板書の練習はした方が良いと思います。子どもに丁寧に書くことを教えるには、まず自分が丁寧な板書をすることが大事だと思います。漢字練習をしていた時に、雑な字を書いていたら「先生これ見たくないなー」と言ったりしました。丁寧に書くよう、声かけもたくさんしました。

子どもが大人になって自立していけるように支えていくことが教師の大切な役割だと考えています。そのために自分は何をしなければいけないのか、何をしたいのかを明確にすることが、教員への道につながると思います。

☆教育実習 まとめ記事

小学館が運営する教育Webメディア「みんなの教育技術」にて、EDUPEDIAの教育実習記事から、実習の挨拶や持ち物、心構えなど、内容を厳選して紹介していただきました。こちらからご覧ください
【まとめ】小学校教育実習の挨拶・お礼状・心がけ

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