【教育実習 体験談】目の前の子どもに、自分は何が出来るのか

平成26年度、小学校(5年生)の教育実習を行ったNさんの体験談です。
子どもとの関わりで得た自信や、現場の難しさを感じたエピソードを紹介します。

自分の行動が子どもの成長に繋がる嬉しさ

私が実習している間に運動会がありました。運動会が終わったのあとの帰りの会のことです。家の用事があるので早く帰りたかったA君は、先生に事前に早く帰れるように頼んでいました。先生は帰りの会を早く終わらせようとしていましたが、運動会が終わった後なので、学年やクラスの頑張りやまとまりについてお話をして、子どもたちもしっかり聞いていました。しかし、彼は帰りの会の間、ずっとそわそわしていました。そして、帰りの会が終わるとすぐに教室を出て行きましたが、私は彼が歩く後ろ姿を見て、何か気がかりに感じ、彼を追いかけました。

彼の後を追って、階段を下りながら話を聞いても、先生への悪口を言うだけでした。しかし、外靴に履き替えて外に出たところでようやくわけをちゃんと話してくれましたが、「早く帰りたいってちゃんと先生に言ってたのに・・・」と、やはり不満な様子でした。しばらくしてから彼のお母さんが迎えに来てくれて、「先生は早く終わるようにしていましたが、それでも彼は遅く感じたそうです」と事情を伝え、なんとか説得できました。

次の週に教室で子どもたちを迎える準備をしていると、彼が朝一で登校してきました。いつもはこんな早く登校することはなかったので、どうしたのかな?と思っていると、次のような反省の言葉を言い始めました。

「自分はあの時、親との約束が守れなくなると思ったから怒っていた。でも先生に悪口を言ったのはいけなかった。怒っても悪口は言わないように我慢する」

私はその言葉を聞いて、「自分の行動が彼の心の成長に繋がった」と感じ、とても嬉しかったです。彼はお母さんに、「その時の気持ちとこれからどうするかを自分で考えて沼田先生に話しなさい」と言われていたそうですが。

運動会の当日に彼が帰った後に、実習担当の先生にも「私は彼がイライラしていたのを知っていたから、うまく関われなかったんだ。本当にファインプレーだったよ。ありがとう」と言われました。

実習生が自分の判断だけで動くことは、あまり良くないと言われるかもしれません。しかし、後で注意されたとしても、「今、目の前の子に自分がすべきことがあるのではないか」と感じた時は、こちらから進んで関わっていくことも必要だと思います。今回、自分が積極的に動いたことが子どもの成長に繋がった経験は、今まで子どもと関わった中で一番心に残っています。

授業の難しさを痛感

実習中は、クラスの全員と話したり遊んだりすることを心がけて過ごしました。そのため、子どもたちとの関係づくりについては、自分でもよくできたと思います。

一方、実習で難しかったことは何と言っても授業です。私はボランティアで少人数の学習支援をしていましたが、一斉授業をするのは実習が初めてでした。個別授業では「子どもが問題を解き、先生が説明をする」という流れが一般的です。しかし、小学校の授業では、1つに正解が決まっている問題を解くだけではなく、自分の考えを表現する課題を出す必要があります。そして、正解を解説するだけではなく、子どもの考えや疑問を全体に広げ、クラスのみんなで学習していく環境を整えることも先生の大きな役割です。

曖昧な指示

実際の授業では、私が発問をして答えを求めても、子どもたちがポカンとしていました。それは、自分は発問だと思って言ったことが、子どもたちにとっては発問に聞こえなかったからだと思います。「先生は説明をしているのかな?それとも答えを聞いているのかな?」と曖昧に捉えられたのでしょう。このような場面が何度かありました。授業をする前に、自分が子どもになったつもりで、どう聞かれたら考えやすいかを丁寧に準備していかなければならないことを痛感しました。

教師都合の授業

また、45分間で何を行うのかという授業の組み立ても大切です。実習中の私は、45分のだいたいの流れを頭に入れて授業することが精一杯でした。授業中は指導案通りに授業を流すことが中心になり、全く子どもがみえていなかったと思います。しかし、本来は、授業の流れだけでなく、「学習課題にどう関心を持たせるのか」「どんな問題から考えるか(いきなり主課題を出すのか、まずは既習事項を確認するか)」「分からない子にはどんな手立てをとるか(別プリントやヒントカードの用意)」など、様々なことを想定して授業展開を考える必要があると学びました。

実習中に多くのことを身につけることは難しいと思いますが、何か1つだけでも自分なりに課題を決めて授業に臨むことで、きっと大きな力になると思います。

抑揚のない話し方

他に自分自身が課題だと感じたことは、子どもへの話し方です。私は普段から落ち着いていると言われる性格で、授業中も、いつも通り落ち着いた平坦な話し方になっていました。そのため、私が話をしている時に、子どもの集中力が途切れることがよくありました。

一方、担当の先生は、声のトーンやジェスチャーを上手く使い、話の組み立てもとても上手で、子どもはよく話を聞いていました。私は「こうすれば子どもを惹きつけることが出来るんだ」と思いながら先生の話を聞いていました。話し方というのは、授業に比べると、意識すればすぐに変えられることだと思うので、普段から気をつけたいと思います。

これから実習へ行く方へメッセージ

私は教育実習を通して、授業を考える際に「実際の子どもをどれだけ具体的にイメージしてシミュレーションできるか」がとても大切だということを学びました。

学生でも、大学の授業などで模擬授業をする機会があると思いますが、単に流すだけではなく、予想外の反応や子どものつまずきを意識して練習することで授業力の向上につながると思います。

教育実習は上手くいかないことが多いと思いますが、誰でもそうだと思います。子どもたちと共に精一杯がんばってください。

☆教育実習 まとめ記事

小学館が運営する教育Webメディア「みんなの教育技術」にて、EDUPEDIAの教育実習記事から、実習の挨拶や持ち物、心構えなど、内容を厳選して紹介していただきました。こちらからご覧ください
【まとめ】小学校教育実習の挨拶・お礼状・心がけ

1

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA