教師力をつけよう、若手教師たち! 〜『子供が主体的に学ぶ算数』とは何か? 

GOOD!
1944
回閲覧
28
GOOD

作成者:毎田 優 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

この記事は、2016年6月12日に行われた第4回JEES(全国初等教育研究会)教育シンポジウム第2部の、パネルディスカッション「主体的に算数を学ぶ子供を育てる教師力」を基に作成しています。

JEES「特定非営利活動法人全国初等教育研究会」は、公教育の担い手である教師と連携し、学校教育を支え、児童により良い教育を提供することを目的とした団体です。公教育の学力実態調査や教材開発による教師のサポート、サークル活動等による全国の教師の指導レベルの向上、地域社会と学校をつなぎ、社会全体で公教育を支える仕組みの構築を実行しています。詳しくは、こちらをご覧ください。

2 パネルディスカッション概要

最近、アクティブラーニングという言葉をよく聞かれると思いますが、実は主体的に学ぶ力を育てようとする考え方は最近、出てきたものではなく、戦後すぐの65年前から今まで取り組まれてきていて、時代とともに問い直されてきたものです。

今回のパネルディスカッションは、現職の教員で立場の異なる、羽中田彩記子先生門田剛和先生盛山隆雄先生の3名のパネリストと、進行役の柳瀬泰先生の4名で行われました。算数の授業を通して新しい時代に求められる主体的な学びについて捉えることを目的とし、若い先生たちが学ぶ力を育てることができる教師になるために主体的な授業の取り組み方を提案しました。

3 羽中田先生の考える主体的な数学の授業とは

課題を身近に

常に先生が身の回りに児童にとって楽しめるような算数があるか考えることが重要です。子どもの考える道筋を捉え、児童が解決したい、意見を言いたいと思える課題がなければ児童が主体的に学ぶことはないと思います。質の高い算数授業の条件とは条件設定を身近な素材にすることです。なぜこの問題を理解する必要があるのかに対する納得感がなければ解決したいと思う気持ちは生まれないでしょう。教科書は全国で使われているものであって身の回りのものとは関連の薄い内容となっていますので、ただ教科書に忠実になるのではなく教えたい内容を自分の周りに置き換えて、解決の必要感をもたせてあげるような工夫が必要になってくると思います。

4 門田先生の考える算数授業とは

算数授業の本質

算数授業の本質とは学習指導要領の目的に向かって算数の授業があることを明確にすることです。その目的とは子どもが主体的に学ぶことであるため、子どもが主体的になってるかどうかが重要になります。子どもが意欲的に取り組んでいる授業はまず板書が違います。これには3つポイントがあります。まず問いが子どもから発せられていること。次に問いが繋がっていること。最後にまとめが子どもの表現でまとめられていることです。これらができているかいないかが授業の質に関わっていくと考えています。

5 盛山先生の考える算数授業の問題点と改善点

算数授業の問題点

質の高い算数の授業を作れていない代表的な理由は児童が試験を出来るようにしなければならないという授業観点にあります。現在の学校は結果を求められる現場であるから仕方ない部分はありますが、これでは児童は退屈に感じてしまうでしょう。ただ結果を求める授業だけではない価値観が必要ということは過去のアンケートから明らかになっています。

算数授業をより良くするために

ただ結果にこだわる指導はやりやすいですが、誤答の場合でもそのプロセスを評価してあげることが重要です。子ども自身がわからなさ具合をみんなの前で表現し、できたところまでを評価し、できなかった部分をみんなで考えるような優しい授業感を持って授業を行うことはアクティブラーニングにつながってきて算数を好きにする原因になるのだと思います。

発問を引き出そう

児童の発問は重要です。児童の問いを促すために子どもの言葉に誠実に向き合いながら繰り返し発問をしていきましょう。この時にできるだけ教師の注釈を入れないようにして子どもの問いを導きだすようにします。問いが生まれやすいような、そしてその問いが授業の本質と相まる授業を考えるのがなおよいと思います。

6 最後に

最後に門田先生の授業案を通して主体的な算数教育について考えました。児童が主体的に考えるためにはどうすれば良いか。問いを生むためにはどうすれば良いか、を考える方向で議論は進みました。当初、門田先生の授業案では先生が決めた計算を生徒が行う形でしたが、よりアクティブにするには子ども自身に決めさせるべきだということになりました。先生が児童とともに考えて、作り上げていくような授業。これこそが主体的な授業になるという結論に至りました。

7 登壇者紹介

  • 坪田耕三先生(青山学院大学教育人間科学部 教授・早稲田大学 非常勤講師)
  • 柳瀬泰校長(三鷹の森学園三鷹市立高山小学校)
  • 羽中田彩記子校長(荒川区立第一日暮里小学校)
  • 門田剛和先生(三鷹の森学園三鷹市立高山小学校)
  • 盛山隆雄先生(筑波大学附属小学校)

登壇者の詳細情報やイベント概要はこちら

8 編集後記

「子供が主体的に学ぶ算数」とは何か。この問いに対して、これまで深く算数授業に携わってきた先生方はどのような意見を持っていて、どのような回答を持っているのか。このようなことを学べた貴重なシンポジウムでした。アクティブラーニングや主体的な授業という言葉の意味は知っていても、それを実際の授業で実践することは、若手で経験の浅い教師にとって、なかなか難しいのではないかと思います。それゆえに、今回のシンポジウムを通して、ベテランの先生が長年算数に携わってきた経験を基にしたアプローチを知ることができることは非常に有意義だと感じました。また、授業案を通して実際に主体的に学ばせる授業の作り方を体験的に学ぶことは、自らの力で主体的な授業を考える良い機会になりました。これから未来の教育を担う若手教師たちが、児童が主体的に興味を持って参加してくれる授業について考え、実践していくことが、今後の教育をよりよくしていくためには重要なことだと思います。このようなシンポジウムや勉強会が広まることで、若手教師たちが授業について考える機会を増やしていけるといいですね。

コメント

コメントはまだありません

    より良い実践のためには、あなたの励ましや建設的な対案が欠かせません。
    ログインして、ぜひコメント欄をご活用ください。